コスモス・リバイブ・オンライン

短編集２

狩人

◇クマイチロー視点

「ミッションコンプリートくま」

　足を切断した男を協会の人間に引き渡した。
止血しておいたから、死にはしないくま。これから地獄の尋問が待っているけど。
　別動隊のジロー、サブローも幹部の捕縛に成功したと連絡が来たくま。
こいつらは巧妙に隠れていたみたいだけど、我らがマスターの前では無駄な努力くま。
どんなに上手く隠しても痕跡は残るのだ。


　俺たちは普段マスターの護衛をしている。
護衛が護衛対象から離れるのは問題あるけど、シローを残してあるから大丈夫くま。
　シローは俺たちの中でも特に戦闘の特化した機体くま。
ただし、シローにはマスターの通訳機能はないから、コミュニケーションは取れなくなるのが欠点くま。
　俺たちが護衛から離れ、捕縛に動いているのは他に動ける奴がいなかったせいくま。
暇な奴もいたけど、あいつらは絶対に動かしては駄目くま。


　六位《監獄》と四位《亡霊》。
あの二人は本当にヤバい奴くま。
　六位の監獄は太陽教の教会の警備ロボットを乗っ取って、信者を一人ずつ殺していったくま。
あいつに殺された太陽教徒は千人を超えているくま。
その罪で監獄は刑務所にぶち込まれているくま。懲役は７１１年くま。


　亡霊はもっと酷いくま。
太陽教の実験施設を大爆発させたくま。
他にも太陽教の要人が乗っていた車を暴走させたり、太陽教に対して様々な攻撃を仕掛けている。


　その結果、死刑判決が下って、すでに執行されたくま。
だけど、実際は生きてるくま。犯罪者だけど、利用価値が高いからだくま。
二人とも犯罪者で刑務所にいるけど、協会からの仕事はしている。


　彼らがここまで太陽教を憎むのは理解できるくま。
監獄は太陽教のイカレタ人体実験の被害者くま。
　亡霊は太陽教の実験が巻き起こした爆発で家族や友人を失っているくま。
可哀想くま。


　二人は太陽教に関しては容赦しないが、それ以外は絶対に巻き込まないことを信条にしているくま。
ただし、今回は状況が違うくま。
　燕が巻き込まれているくま。
態度には出さないが、あの二人は燕を弟のように可愛がっているくま。
復讐と称して、何を仕出かすか分からないくま。


　一位や二位が動いてくれれば、作戦は楽に進めることができるけど、あの二人は機械コミュ最大の引きこもりの問題児くま。
燕を少しは見習ってほしいくま。