564 / 816
絆と禁忌
BHボンド改修2
しおりを挟む
アーマーの調整のために彼女たちは格納庫から出て行った。
その間に紅霞のコックピットの予備パーツを使って、改修を進める。
作業ロボの力を借り、猛スピードで作業を進めた。
モーションコントロールシステム用の操縦系は紅霞の整備で何度も弄っているため、僕も作業ロボも慣れている。
予定の三分のニぐらいの時間で終わった。後はアーマーの準備とアローさんに合わせた調整をすれば、モーションコントロールの方は完成だ。
だけど、それで操縦系は完成しない。まだやることがある。
作業に入るにはメービ君からあれを受け取らなければならない。
一台のトラックがマイグラントに入ってきた。
運転席にはメービ君の姿が見える。
「お待たせしました」
「大丈夫。大して待ってないから。それより持ってきてくれた?」
「はい」
メービ君が運んできたのはスケイルから取り外されたコックピットだ。
機獣には人間を乗せるコックピットが必要だが、BHボンドを使用すればそれも不要になる。
機獣のコックピットはクロヤギ博士のおかげで、機獣への負担は最小限に留められているが、ゼロではない。
無い方が好ましいのだ。
それにコックピットが無くなる分、空いたスペースに別の物を付けることもできる。
スケイルには推進装置を新たに搭載させる予定だ。
それはメービ君、リコリスさん、コネコの三人に任せてある。
コックピットの代わりにスケイルに取り付けるのは機獣専用の飛行ユニット。
それのプランAだ。
このプランの目的は機獣に空中戦能力を付与することにある。
ヴィンディスで戦う上で空戦能力は必須なのだ。
だから、結構前から開発を進めていた。
すでに試作の段階を脱しており、実戦投入が可能だ。
プランAの飛行ユニットは融合機兵三号機やガーディフォースに使われているライフストリーム式のブースターがベースになっている。
ライフストリームとケルンのエネルギーが近い物だと仮定し、開発を進めていた。
その予想は的中、飛行ユニットの稼働に成功したので、プランAが採用されたのだ。
AがあるということはBもある。プランBはAが駄目だった時の代案だ。
こちらはライフストリーム式ブースターではなく、回転翼を使っている。
代案だが、出来は悪くはない。こっちも実戦に耐えられる。
プランAに比べると、速度は劣っているが空中戦をするのには十分な性能があると自負している。
取り付けに成功しても、第一形態では戦闘に取り入れるのはまだ難しい。
蛇型と人型では形状が全く異なるため、既存の推進装置の制御プログラムは使えない。
蛇の体に合わせた物を新規で組まないとならないのだ。
だけど、人型の獣機人形態なら既存の物をインストールするだけでいい。
奇抜な形状でなければ、人型ロボットは調整なしでOKだ。
取り外されたコックピットはこのまま解体する予定だったんだけど、再利用する。
そのためにメービ君に持ってきてもらったのである。
どう利用するのかというと、BHボンドに一部を移植するのだ。
獣機人の時はモーションコントロールを存分に活かせるんだけど、通常形態ではかえって操縦しにくくなる。
人間の動作をトレースするというシステムの都合上、仕方ないことだ。
人間の体では獣の動きはできない。サルなどの人間に近い動物ならギリギリ行けるけど、四足歩行する動物は絶対に不可能だし、ましてや蛇の動きなんてできるわけがない。
そこで通常時は既存の機獣の操縦系で動かし、獣機人に変形した時にモーションコントロールに切り替わるように設定する。
ちょっと大変だけど、これならどちらの形態でも最大限に力を発揮できるだろう。
作業にはメービ君の手を借りる。この操縦系は彼の方が扱いに慣れている。
スケイルへの飛行ユニットの取り付けは完了していないそうだが、コネコがいれば大丈夫だろう。
メービ君のおかげで、作業は順調そのもの。
このペースなら、アーマーの調整よりも先に終わりそうだ。
「やっぱり他のもやっておいた方がいいかな?」
「出来ればお願いしたいです。あの操縦系じゃ練習しないと無理ですよ」
「だよね」
他のBHボンドも同じように改修した方がいい。
あの操縦系のままだと、今までの積み上げてきた戦闘経験が無駄になる。
過去の経験を活かすためにも改修は必須だろう。
とりあえず、優先するのは修理。
時間がありそうなら着手する。多分、何とかなるだろう。
共和国軍の進軍スピードは本国の混乱によって、予想よりも遅い。
それぐらいの猶予はありそうだ。
その間に紅霞のコックピットの予備パーツを使って、改修を進める。
作業ロボの力を借り、猛スピードで作業を進めた。
モーションコントロールシステム用の操縦系は紅霞の整備で何度も弄っているため、僕も作業ロボも慣れている。
予定の三分のニぐらいの時間で終わった。後はアーマーの準備とアローさんに合わせた調整をすれば、モーションコントロールの方は完成だ。
だけど、それで操縦系は完成しない。まだやることがある。
作業に入るにはメービ君からあれを受け取らなければならない。
一台のトラックがマイグラントに入ってきた。
運転席にはメービ君の姿が見える。
「お待たせしました」
「大丈夫。大して待ってないから。それより持ってきてくれた?」
「はい」
メービ君が運んできたのはスケイルから取り外されたコックピットだ。
機獣には人間を乗せるコックピットが必要だが、BHボンドを使用すればそれも不要になる。
機獣のコックピットはクロヤギ博士のおかげで、機獣への負担は最小限に留められているが、ゼロではない。
無い方が好ましいのだ。
それにコックピットが無くなる分、空いたスペースに別の物を付けることもできる。
スケイルには推進装置を新たに搭載させる予定だ。
それはメービ君、リコリスさん、コネコの三人に任せてある。
コックピットの代わりにスケイルに取り付けるのは機獣専用の飛行ユニット。
それのプランAだ。
このプランの目的は機獣に空中戦能力を付与することにある。
ヴィンディスで戦う上で空戦能力は必須なのだ。
だから、結構前から開発を進めていた。
すでに試作の段階を脱しており、実戦投入が可能だ。
プランAの飛行ユニットは融合機兵三号機やガーディフォースに使われているライフストリーム式のブースターがベースになっている。
ライフストリームとケルンのエネルギーが近い物だと仮定し、開発を進めていた。
その予想は的中、飛行ユニットの稼働に成功したので、プランAが採用されたのだ。
AがあるということはBもある。プランBはAが駄目だった時の代案だ。
こちらはライフストリーム式ブースターではなく、回転翼を使っている。
代案だが、出来は悪くはない。こっちも実戦に耐えられる。
プランAに比べると、速度は劣っているが空中戦をするのには十分な性能があると自負している。
取り付けに成功しても、第一形態では戦闘に取り入れるのはまだ難しい。
蛇型と人型では形状が全く異なるため、既存の推進装置の制御プログラムは使えない。
蛇の体に合わせた物を新規で組まないとならないのだ。
だけど、人型の獣機人形態なら既存の物をインストールするだけでいい。
奇抜な形状でなければ、人型ロボットは調整なしでOKだ。
取り外されたコックピットはこのまま解体する予定だったんだけど、再利用する。
そのためにメービ君に持ってきてもらったのである。
どう利用するのかというと、BHボンドに一部を移植するのだ。
獣機人の時はモーションコントロールを存分に活かせるんだけど、通常形態ではかえって操縦しにくくなる。
人間の動作をトレースするというシステムの都合上、仕方ないことだ。
人間の体では獣の動きはできない。サルなどの人間に近い動物ならギリギリ行けるけど、四足歩行する動物は絶対に不可能だし、ましてや蛇の動きなんてできるわけがない。
そこで通常時は既存の機獣の操縦系で動かし、獣機人に変形した時にモーションコントロールに切り替わるように設定する。
ちょっと大変だけど、これならどちらの形態でも最大限に力を発揮できるだろう。
作業にはメービ君の手を借りる。この操縦系は彼の方が扱いに慣れている。
スケイルへの飛行ユニットの取り付けは完了していないそうだが、コネコがいれば大丈夫だろう。
メービ君のおかげで、作業は順調そのもの。
このペースなら、アーマーの調整よりも先に終わりそうだ。
「やっぱり他のもやっておいた方がいいかな?」
「出来ればお願いしたいです。あの操縦系じゃ練習しないと無理ですよ」
「だよね」
他のBHボンドも同じように改修した方がいい。
あの操縦系のままだと、今までの積み上げてきた戦闘経験が無駄になる。
過去の経験を活かすためにも改修は必須だろう。
とりあえず、優先するのは修理。
時間がありそうなら着手する。多分、何とかなるだろう。
共和国軍の進軍スピードは本国の混乱によって、予想よりも遅い。
それぐらいの猶予はありそうだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,343
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる