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星海から訪れる侵略者
海水浴
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夜が明けると、マイグラントを砂浜近くに移動させた。
ノロミオさんの強い要望で、海水浴をすることになったからだ。
ウラノスとノロミオさんは海に入り、イチャついてた。
水をバシャバシャと掛け合っており、一昔前の恋愛漫画やドラマにありそうなワンシーンを演じている。
クリアとピギとピュニアはビーチパラソルの下で、トロピカルジュースを片手に寛いでいる。
ビーチパラソルとかあんな物いつ作ったんだろう?
変な模様も描かれていないから、おそらくウラノスが作った物だと思われる。
ネオアイアンとかCSSなどの希少素材を使ってないから、別にいいけど。
リコリスさんとヴィニアちゃんとパッション君とメービ君の四人はビーチボールバレーをしていた。
リコリスさんとメービ君はただの遊びだけど、ヴィニアちゃんとパッション君は違う。
あれは断じて、子供の遊戯ではない。
二人は豪速球のアタックの応酬をしており、その轟音がここまで届いていた。ボールが破裂するんじゃないかな。
機獣たちは地引網漁に勤しんでいる。
ダァンに漁協は存在しないし、漁を禁止する法律はないから許可を取る必要はない。
獲れた魚はお昼ごはんになる予定。
たぶん余るけど、干物にするか、もしくは売ればいいだけだ。
「一緒に遊んでこないんですか?ここは我々がやっておきますよ」
「いいよ。泳ぐの好きじゃないし。こっちの方が楽しいよ」
洗浄液をシュライストに掛け、ブラシで汚れを落としていく。
シュライストは海水の他にマグロの血も浴びている。
海水も血も臭う。どちらも残さないよう、入念に洗浄する。
洗浄が必要なのはシュライストだけじゃない。
血は付いていないけど、紅霞とマイグラントも海水で汚れている。
紅霞の洗浄はユラさんが行っている。
僕がやろうとしたんだけど、自分の機体は自分で洗いたいと固辞した。
マイグラントは巨大だが、デッチーのほとんどを動員しているから、お昼までに終わるだろう。
綺麗な砂浜だけど、その景観をぶち壊しにしている物があった。
砂の城だ。
日本の城とヨーロッパの城を融合させた物で、異質な雰囲気を醸し出している。
異常なこだわりを感じさせる砂の城の制作者は勿論コネコだ。
だけど、彼は砂浜にいない。
コネコとアローさんとおっさんはマイグラントから離れ、コウノトリで一足先に町に向かっている。
身分証明書を作るためだ。
ダァンはテクノスのような管理社会ではないけど、活動するには身分証明書が必須になる。
外の惑星の人間が簡単に作れる物じゃないけど、解決策は見出している。
僕らにはコネがあるのだ。
コネコは全ての星を周っており、その過程で、多くのパトロンを獲得している。
彼らは熱狂的なファン、信者と言っても過言ではない。
芸術に大金を出す人の多くは富裕層だ。
政府に強い影響力を持つ人も少なくない。
大陸南西部に着陸したのは、ダァン時代のパトロンに会うため。
近くの町の最高権力者なのだそうだ。
その人なら12人分の身分証明書も難しくないだろう。
コネコに交渉はできないので、交渉はアローさんが担当してくれる。
おっさんは威圧要員。
アローさんは若いから足元を見られる危険がある。
厳ついおっさんが同行していれば、その恐れも少なくなるだろう。
タダで作ってもらうわけにはいかない。
手土産に幾つかの宝石とマグロの切り身を用意してある。
ダァンの惑星掲示板で調べてみたところ、あのマグロ、ダァンの富裕層でも滅多に食べられない高級品らしい。
それを100kg単位包んだから、賄賂としては十分だろう。
コネコの許可が必要だけど、あの砂の城も接着剤で固めれば、移設することも可能だ。
そのパトロンに渡せば、良い待遇が得られるかも。
あのマグロはクラッシャーツナという品種で、ダァンの海洋開発の障害になっているモンスターなのだそうだ。
クラッシャーという名前が示す通り、船など人工物を見ると、突撃してくるらしい。
その体当たりのクラッシャーの名前に相応しい威力がある。装甲がない船じゃ一撃で粉砕してしまうほどだ。
ダァンの機体は水中戦能力は乏しいため、討伐する時も陸からの集中砲火という効率が悪い手を取っているそうだ。
陸に開発の余地を残しているから、海洋開発のための対マグロ研究はあんまり進められていないらしい。
後発だったはずの海好きプレイヤーが開発を先行している状況なのだそうだ。
ノロミオさんの強い要望で、海水浴をすることになったからだ。
ウラノスとノロミオさんは海に入り、イチャついてた。
水をバシャバシャと掛け合っており、一昔前の恋愛漫画やドラマにありそうなワンシーンを演じている。
クリアとピギとピュニアはビーチパラソルの下で、トロピカルジュースを片手に寛いでいる。
ビーチパラソルとかあんな物いつ作ったんだろう?
変な模様も描かれていないから、おそらくウラノスが作った物だと思われる。
ネオアイアンとかCSSなどの希少素材を使ってないから、別にいいけど。
リコリスさんとヴィニアちゃんとパッション君とメービ君の四人はビーチボールバレーをしていた。
リコリスさんとメービ君はただの遊びだけど、ヴィニアちゃんとパッション君は違う。
あれは断じて、子供の遊戯ではない。
二人は豪速球のアタックの応酬をしており、その轟音がここまで届いていた。ボールが破裂するんじゃないかな。
機獣たちは地引網漁に勤しんでいる。
ダァンに漁協は存在しないし、漁を禁止する法律はないから許可を取る必要はない。
獲れた魚はお昼ごはんになる予定。
たぶん余るけど、干物にするか、もしくは売ればいいだけだ。
「一緒に遊んでこないんですか?ここは我々がやっておきますよ」
「いいよ。泳ぐの好きじゃないし。こっちの方が楽しいよ」
洗浄液をシュライストに掛け、ブラシで汚れを落としていく。
シュライストは海水の他にマグロの血も浴びている。
海水も血も臭う。どちらも残さないよう、入念に洗浄する。
洗浄が必要なのはシュライストだけじゃない。
血は付いていないけど、紅霞とマイグラントも海水で汚れている。
紅霞の洗浄はユラさんが行っている。
僕がやろうとしたんだけど、自分の機体は自分で洗いたいと固辞した。
マイグラントは巨大だが、デッチーのほとんどを動員しているから、お昼までに終わるだろう。
綺麗な砂浜だけど、その景観をぶち壊しにしている物があった。
砂の城だ。
日本の城とヨーロッパの城を融合させた物で、異質な雰囲気を醸し出している。
異常なこだわりを感じさせる砂の城の制作者は勿論コネコだ。
だけど、彼は砂浜にいない。
コネコとアローさんとおっさんはマイグラントから離れ、コウノトリで一足先に町に向かっている。
身分証明書を作るためだ。
ダァンはテクノスのような管理社会ではないけど、活動するには身分証明書が必須になる。
外の惑星の人間が簡単に作れる物じゃないけど、解決策は見出している。
僕らにはコネがあるのだ。
コネコは全ての星を周っており、その過程で、多くのパトロンを獲得している。
彼らは熱狂的なファン、信者と言っても過言ではない。
芸術に大金を出す人の多くは富裕層だ。
政府に強い影響力を持つ人も少なくない。
大陸南西部に着陸したのは、ダァン時代のパトロンに会うため。
近くの町の最高権力者なのだそうだ。
その人なら12人分の身分証明書も難しくないだろう。
コネコに交渉はできないので、交渉はアローさんが担当してくれる。
おっさんは威圧要員。
アローさんは若いから足元を見られる危険がある。
厳ついおっさんが同行していれば、その恐れも少なくなるだろう。
タダで作ってもらうわけにはいかない。
手土産に幾つかの宝石とマグロの切り身を用意してある。
ダァンの惑星掲示板で調べてみたところ、あのマグロ、ダァンの富裕層でも滅多に食べられない高級品らしい。
それを100kg単位包んだから、賄賂としては十分だろう。
コネコの許可が必要だけど、あの砂の城も接着剤で固めれば、移設することも可能だ。
そのパトロンに渡せば、良い待遇が得られるかも。
あのマグロはクラッシャーツナという品種で、ダァンの海洋開発の障害になっているモンスターなのだそうだ。
クラッシャーという名前が示す通り、船など人工物を見ると、突撃してくるらしい。
その体当たりのクラッシャーの名前に相応しい威力がある。装甲がない船じゃ一撃で粉砕してしまうほどだ。
ダァンの機体は水中戦能力は乏しいため、討伐する時も陸からの集中砲火という効率が悪い手を取っているそうだ。
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