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日曜神の柔癒な愛【61話~70話】
アイスの棒とフレーバー!!
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――虚ろな瞳ながらも本気の眼光……。
大切なお話というものがどうやらあるみたいだが、体がまるで岩のようにガチガチで重い。
職員室に呼び出された生徒のように心が縮こまって仕方がないのだ。
「こほん、大切なお話……。 お話かしら……あなたの疑問にお答え……という方が正しいのかしら……?」
「どうして桃子や私が居るのか、という話さね。」
完璧に心を見透かされているが不思議でたまらないのはそこであり、今日は天音のはずなのにどうしてこのように存在しているのかだ。
考えれば考えるほど彼女達に心を見透かされて、弄ばされ……焦らされて、まるで二人は似た者同士の女神様と言ったところ。
「今日は雨音さんだろ? どうして二人が居るんだ!?」
「ようやくすると、アイスの棒に天音が憑依……あー、コーティングされたようなものだからさ。」
「本来七曜神の結愛は……私達全ての姿かたちになりうる存在。 ベースの結愛がアイスの棒のような基板なら……、七つの味のフレーバーの私達が憑依すれば、一日限りその味の日替わりアイスの……出来上がり? 私達の担当の曜日以外は……各地方でのんびり自由に暮らしてる。 うーん……七曜神の体の構造は他人に理解されにくい。」
ようやくすると、結愛という七曜神は七曜神の七人全ての姿かたちになることができ、意思や記憶も全てそのまま憑依して変身することが可能という訳だ。
一日経過し、曜日が切り替わるとまたほかの七曜神に切り替わり、解除された七曜神はまた来週まではのんびりできると言うわけ。
でも翠には何となくしか理解はできなかったし、ハテナマークしか頭に浮かばないようだが。
――考え込んでいた時だった……。
瞳を瞑って探偵のように顎に手を添えて考え事をしている翠だったが、あまりの無防備さだったのだろうか、智美が翠の顎をクイッと引いては濃厚なキスをしては甘えた声で誘う。
「ふふ、翠。 五日ぶりね。」
「さ、智美さ……ん。」
呆気に取られている翠だが桃子も正面から抱きついてはギュッと掴んでは離さず、虚ろな瞳をこちらに向けながら頬を紅潮させ、荒い息で智美のように一日でも会えない想いの辛さを吐き出している。
「翠……翠、翠。 はぁ……はぁ、好き……好き……好きなの……。」
翠は桃子の頭にポンっと手を乗せるとそのまま撫で撫でをしては少し考える。
嬉しいけど今はそんな気持ちになれない。
なぜなら今は天音が居るのだから。
「桃子さんも智美さんもありがとう。 とても嬉しいよ。 けど今日は天音さんの番なんだから、浮気は……ね?」
「私達は天音でもあるから……浮気にはならない……。」
屁理屈を言って更に強く抱きしめてくる桃子だが、智美に引き剥がされる。
「桃子止めな。 それが今の翠の答えよ? 天音を愛することは私達を愛することよ。」
「そ、そうね……私はどうにかしていた。」
桃子もモジモジとしながらもすぐに理解してくれた。
翠を思う気持ちは皆共通なのだから奪い合うことなどしないということを。
「さて、まだ翠には岩動は早いわよ? 天音も待たせちゃいけないし、ポータルを設置したから帰んな!」
「一瞬で神社に着けるわ……。 ただし、全裸でポータルに入らなきゃ、服はボロボロになるから……そのつもりで。」
「え、何その設定は……。」
智美が展開した赤いポータル。
どうしてここで服が絡むのか不思議でたまらないが、そういう仕様なら従うのが一番だ。
恐る恐る衣服を脱いではきれいに畳む。
「恥ずかしがってないで早く下も脱ぎなさいよ! ポータルはかなり力を使うのよ? ズルル……ズボンもよ、早くしなさいよねこのノロマッ!」
「恥ずかしがってる翠……可愛い。 けど、恥ずかしがらなくて良いのよ。 智美も私も一度は見てるんだもの。」
「二人とも何ニヤニヤして……悪意しか感じないような嘲笑するなよ! あぁ、良いぜ……俺の全裸を見たけりゃ見せてやるよ!」
先程、智美のディープキスに加え桃子も抱擁ですっかり空を穿つ怒張した彼の一物。
何も言えない二人に対してドヤ顔の翠である。
「ほら、見ろよ見ろよ。 嬉しいだ……ふげぇっ!!」
スパァーンと良い乾いた音が部屋にこだました。
智美は頭に青筋を浮かべながら拳をギュッと握りしめ、翠の尻を蹴り飛ばしてポータルに無理に突き飛ばしては神社へ強制送還したのだ。
「や、やるわねぇ……。」
桃子は自分のお尻を両羽ででガードして智美からジリジリと離れる。
別に蹴る気が無いのは伝わってくるが、智美の無言の笑みをいつまでも向けられた桃子はとうとう部屋から逃げてどこかにすっ飛んでいったようだ。
大切なお話というものがどうやらあるみたいだが、体がまるで岩のようにガチガチで重い。
職員室に呼び出された生徒のように心が縮こまって仕方がないのだ。
「こほん、大切なお話……。 お話かしら……あなたの疑問にお答え……という方が正しいのかしら……?」
「どうして桃子や私が居るのか、という話さね。」
完璧に心を見透かされているが不思議でたまらないのはそこであり、今日は天音のはずなのにどうしてこのように存在しているのかだ。
考えれば考えるほど彼女達に心を見透かされて、弄ばされ……焦らされて、まるで二人は似た者同士の女神様と言ったところ。
「今日は雨音さんだろ? どうして二人が居るんだ!?」
「ようやくすると、アイスの棒に天音が憑依……あー、コーティングされたようなものだからさ。」
「本来七曜神の結愛は……私達全ての姿かたちになりうる存在。 ベースの結愛がアイスの棒のような基板なら……、七つの味のフレーバーの私達が憑依すれば、一日限りその味の日替わりアイスの……出来上がり? 私達の担当の曜日以外は……各地方でのんびり自由に暮らしてる。 うーん……七曜神の体の構造は他人に理解されにくい。」
ようやくすると、結愛という七曜神は七曜神の七人全ての姿かたちになることができ、意思や記憶も全てそのまま憑依して変身することが可能という訳だ。
一日経過し、曜日が切り替わるとまたほかの七曜神に切り替わり、解除された七曜神はまた来週まではのんびりできると言うわけ。
でも翠には何となくしか理解はできなかったし、ハテナマークしか頭に浮かばないようだが。
――考え込んでいた時だった……。
瞳を瞑って探偵のように顎に手を添えて考え事をしている翠だったが、あまりの無防備さだったのだろうか、智美が翠の顎をクイッと引いては濃厚なキスをしては甘えた声で誘う。
「ふふ、翠。 五日ぶりね。」
「さ、智美さ……ん。」
呆気に取られている翠だが桃子も正面から抱きついてはギュッと掴んでは離さず、虚ろな瞳をこちらに向けながら頬を紅潮させ、荒い息で智美のように一日でも会えない想いの辛さを吐き出している。
「翠……翠、翠。 はぁ……はぁ、好き……好き……好きなの……。」
翠は桃子の頭にポンっと手を乗せるとそのまま撫で撫でをしては少し考える。
嬉しいけど今はそんな気持ちになれない。
なぜなら今は天音が居るのだから。
「桃子さんも智美さんもありがとう。 とても嬉しいよ。 けど今日は天音さんの番なんだから、浮気は……ね?」
「私達は天音でもあるから……浮気にはならない……。」
屁理屈を言って更に強く抱きしめてくる桃子だが、智美に引き剥がされる。
「桃子止めな。 それが今の翠の答えよ? 天音を愛することは私達を愛することよ。」
「そ、そうね……私はどうにかしていた。」
桃子もモジモジとしながらもすぐに理解してくれた。
翠を思う気持ちは皆共通なのだから奪い合うことなどしないということを。
「さて、まだ翠には岩動は早いわよ? 天音も待たせちゃいけないし、ポータルを設置したから帰んな!」
「一瞬で神社に着けるわ……。 ただし、全裸でポータルに入らなきゃ、服はボロボロになるから……そのつもりで。」
「え、何その設定は……。」
智美が展開した赤いポータル。
どうしてここで服が絡むのか不思議でたまらないが、そういう仕様なら従うのが一番だ。
恐る恐る衣服を脱いではきれいに畳む。
「恥ずかしがってないで早く下も脱ぎなさいよ! ポータルはかなり力を使うのよ? ズルル……ズボンもよ、早くしなさいよねこのノロマッ!」
「恥ずかしがってる翠……可愛い。 けど、恥ずかしがらなくて良いのよ。 智美も私も一度は見てるんだもの。」
「二人とも何ニヤニヤして……悪意しか感じないような嘲笑するなよ! あぁ、良いぜ……俺の全裸を見たけりゃ見せてやるよ!」
先程、智美のディープキスに加え桃子も抱擁ですっかり空を穿つ怒張した彼の一物。
何も言えない二人に対してドヤ顔の翠である。
「ほら、見ろよ見ろよ。 嬉しいだ……ふげぇっ!!」
スパァーンと良い乾いた音が部屋にこだました。
智美は頭に青筋を浮かべながら拳をギュッと握りしめ、翠の尻を蹴り飛ばしてポータルに無理に突き飛ばしては神社へ強制送還したのだ。
「や、やるわねぇ……。」
桃子は自分のお尻を両羽ででガードして智美からジリジリと離れる。
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