神様project・異世界もチートも欲しくない！ 欲しいのは女神様だけ！！

七曜神の独尊な愛＋火曜【８７話～１２６話【～１４０話】

神々なる世界！！

   ――準備は整った……。

   結愛は納屋に行くと埃っぽい扉を開けては少し咳き込む。
   一週間前に翠が開けた時にはほとんど開ける機会が無かったのか、呼吸困難に陥るのではないかと思うような息の詰まる思いなのは悪くも良い思い出。
   
 「えーと、これね。」

 「戸棚の奥に手形の染みが……何だこれ？」

   翠はすぐにデレッキを見つける事が出来たためあまり深くは探索はしてないのだが、古びた戸棚の奥に手形の染みのようなものがあり、結愛はその手形に手をかざす。
   その瞬間、下の戸棚がガラガラと音をたてて開き結愛は真っ暗な空間へとしゃがんで入って行く。

 「ほらぁっ、翠も早く来なさいっ！」

   結愛の声が聞こえた為にかがんで入ってみると、遠くに淡い光のような空間が見える。
   奥へ奥へと吸い込まれるように進んで行くのであった。



















   ――戸棚を抜けると……。

   薄暗い部屋に繋がっていたのか納屋にあった全く同じ戸棚から出てくる。
   もちろん上の戸棚の奥には手形の染みがある為、帰る時は同じ手順なのだろうと推測する。

 「はぁー……スゴいな。」

 「さて、外に出ましょ？」

   六畳間のコンクリートで出来た殺風景の部屋をあとにする。
   戸棚以外は何も置いて無く、窓ガラスはめ込まれた扉だけ取り付けられた豆腐のような形のコンクリート製の建物と言うか、箱のような建築物。
   外に出ると爽やかな風の吹く草原になっており、遠くを見渡すと都会な街並みがどこまでも続いており、方角を確認すると東から西まで地平線の彼方まで都会になっている。

 「神界の都会は広いわよ？ そうね、日本より広いかもね？ 綺麗な円形をした街なんだけど、迷うと大変だから翠は私から離れないこと！」

   最後の一文は嬉しそうに強調し、ビシッと指差す。

 「日本より広いって……本当に地球なのかよ。 ここは。」

 「さぁ？ どこにあるのかなんて考えるだけ人間には無駄な事だし、人類が知るには早すぎるもの……これぞまさに、神の溝知る……的な。 とにかく行くわよ！」

   結愛は少しばかり考えるも翠の腕を引っ張っては都会の街まで行くことに。
   歩いて二十分のところに街への関所があるらしく、そこから街へと入ることになるのだが翠も結愛も何だか公おおやけに他人に見られるデートに少しドキドキと緊張しながら関所を目指す。
   きっちりと恋人のように手を繋いで……離れまいと。