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第1章【日曜の港《陽光》】
小さきものに愛情を
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さて、ホテルのベッドの上で愛玩動物が命乞いをする様子を見て画面の皆はどう思う?
え? ドン引き?
よし、お前達は死後無条件で地獄確定ね。
とりあえず目を覚ましたスクナミコだが私が事前に武器を取り上げて丸腰にしておいたためか、なすすべなく惨めに命乞いをしているじゃあないか。
本当に悪鬼の魔王を倒したのかと疑いたくなるがこれを見るとキュンキュンと母性が溢れて止まらないのは気のせいだろうか?
「も、もう痛いのは嫌じゃあっ!! か……堪忍してくれ……。」
布団の裾にくるまって微動だにしないスクナミコはすっかりプライドもボロボロだろう、私としても良いものが見れたからヨシとするしここまでするつもりはたぶん無かった……、うん、無かったね。
とりわけ母性というものを解放しなきゃ体に悪い。
溜め込むのは何であれ毒だからね。
「大丈夫、もう痛いことなんてしないさ。」
「ほ、本当け?」
涙目で布団から顔を出してはウルウルとこちらを訴えてくるがガチでこれはヤバイ威力だ。
……もしかするとこれも勇者の陰謀か?
私を油断させてグサーッと殺るつもりなのだろうか。
だとしてもだ、この可愛さに抗えないのは本当であり、私はメタフィクションを語ってこの世界が作り物であることを認識させ絶望する顔も見てみたかったのだがその気ほとほと冷めても失せた。
「あぁ、本当だ。 さっきは痛くして悪かったな。」
人差し指で頭を撫でて警戒心をほどいてやると、あんな生意気で高圧な顔ですらほころびを見せて笑顔になるもんだなと……やはり人は笑顔が一番だと実感したが、どんなことであれ笑顔は生きてる証だ。
「余、余もな? 痛くして悪かったのじゃ……。」
こう見ると勇者という立場の人間とも私は仲良くなれるんじゃないかと、相容れぬものだというのにこうにも親しげに笑みを交わすというのは悪いことなのじゃないのかもしれない。
話を聞いてほしそうにまるで無邪気な犬のようだが一旦話はここまでにしようじゃないか……、まあ待て、そう焦るな。
続きは風呂の中でにしよう。
たくさん汗水を垂らしたのだから風呂にも入りたくなるもので、気持ちのいい労働とは素晴らしいものだと普段汗をかかないような職場で働く私はつくづく思う。
とりあえず人差し指で頭をナデナデしながら脱衣所へとつれて行く。
私は驚きの連続だ。
それはなぜって?
……スクナミコは男でも女でも無いと言う点についてなのだから!!
とりあえず素っ裸になったスクナミコは洗面器にお湯を張ってリラックスしているのだが、どうにも興味のそそられる構造だと思わないか?
いや、レーティングを18歳未満閲覧禁止にする訳じゃないが……スクナミコには生殖器そのものがなくツルリンなのだ。
無いとなるとじゃあ女かと言われればそういう意味ででもない。
死を司るとは何度も言ったが、逆に言えば生にも興味はあるがこれじゃあまるで命の冒涜じゃないか。
だってスクナミコは異世界に転生したとて人の形をした生き物だ、誰かを愛し伴侶を得て子供がほしくなるかもしれないのだがどうにもこれだとなぁ。
「やはりスクナミコは面白い、うん……。」
「ほえ?」
やはり小さきものと言うのは可愛いもの。
それはこの世の心理に他ならず、女に生まれたものの宿命じゃないだろうか。
可愛いものは愛でてナンボなのだから、女の私も例外じゃ無いのさ。
「スクナミコはさ、可愛いって言われたことはない?」
絶対言われたことはあるという回答に期待しつつも私はなんということを口走ったのか?
否、これで良いのだ。
「リリハにはよく言われるぞ? 潰したいほど可愛いと言ってはニギニギしてくるとは。」
ほう、リリハはリリアス王国の女神だな?
なにか聞き覚えのある名前だと思ったが、どうにもいつかお近づきにはなりたいものだ。
その暁には……フフッ、楽しみで仕方がない。
え? ドン引き?
よし、お前達は死後無条件で地獄確定ね。
とりあえず目を覚ましたスクナミコだが私が事前に武器を取り上げて丸腰にしておいたためか、なすすべなく惨めに命乞いをしているじゃあないか。
本当に悪鬼の魔王を倒したのかと疑いたくなるがこれを見るとキュンキュンと母性が溢れて止まらないのは気のせいだろうか?
「も、もう痛いのは嫌じゃあっ!! か……堪忍してくれ……。」
布団の裾にくるまって微動だにしないスクナミコはすっかりプライドもボロボロだろう、私としても良いものが見れたからヨシとするしここまでするつもりはたぶん無かった……、うん、無かったね。
とりわけ母性というものを解放しなきゃ体に悪い。
溜め込むのは何であれ毒だからね。
「大丈夫、もう痛いことなんてしないさ。」
「ほ、本当け?」
涙目で布団から顔を出してはウルウルとこちらを訴えてくるがガチでこれはヤバイ威力だ。
……もしかするとこれも勇者の陰謀か?
私を油断させてグサーッと殺るつもりなのだろうか。
だとしてもだ、この可愛さに抗えないのは本当であり、私はメタフィクションを語ってこの世界が作り物であることを認識させ絶望する顔も見てみたかったのだがその気ほとほと冷めても失せた。
「あぁ、本当だ。 さっきは痛くして悪かったな。」
人差し指で頭を撫でて警戒心をほどいてやると、あんな生意気で高圧な顔ですらほころびを見せて笑顔になるもんだなと……やはり人は笑顔が一番だと実感したが、どんなことであれ笑顔は生きてる証だ。
「余、余もな? 痛くして悪かったのじゃ……。」
こう見ると勇者という立場の人間とも私は仲良くなれるんじゃないかと、相容れぬものだというのにこうにも親しげに笑みを交わすというのは悪いことなのじゃないのかもしれない。
話を聞いてほしそうにまるで無邪気な犬のようだが一旦話はここまでにしようじゃないか……、まあ待て、そう焦るな。
続きは風呂の中でにしよう。
たくさん汗水を垂らしたのだから風呂にも入りたくなるもので、気持ちのいい労働とは素晴らしいものだと普段汗をかかないような職場で働く私はつくづく思う。
とりあえず人差し指で頭をナデナデしながら脱衣所へとつれて行く。
私は驚きの連続だ。
それはなぜって?
……スクナミコは男でも女でも無いと言う点についてなのだから!!
とりあえず素っ裸になったスクナミコは洗面器にお湯を張ってリラックスしているのだが、どうにも興味のそそられる構造だと思わないか?
いや、レーティングを18歳未満閲覧禁止にする訳じゃないが……スクナミコには生殖器そのものがなくツルリンなのだ。
無いとなるとじゃあ女かと言われればそういう意味ででもない。
死を司るとは何度も言ったが、逆に言えば生にも興味はあるがこれじゃあまるで命の冒涜じゃないか。
だってスクナミコは異世界に転生したとて人の形をした生き物だ、誰かを愛し伴侶を得て子供がほしくなるかもしれないのだがどうにもこれだとなぁ。
「やはりスクナミコは面白い、うん……。」
「ほえ?」
やはり小さきものと言うのは可愛いもの。
それはこの世の心理に他ならず、女に生まれたものの宿命じゃないだろうか。
可愛いものは愛でてナンボなのだから、女の私も例外じゃ無いのさ。
「スクナミコはさ、可愛いって言われたことはない?」
絶対言われたことはあるという回答に期待しつつも私はなんということを口走ったのか?
否、これで良いのだ。
「リリハにはよく言われるぞ? 潰したいほど可愛いと言ってはニギニギしてくるとは。」
ほう、リリハはリリアス王国の女神だな?
なにか聞き覚えのある名前だと思ったが、どうにもいつかお近づきにはなりたいものだ。
その暁には……フフッ、楽しみで仕方がない。
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