神様project【七曜の女神と幾億の旅跡】

青衣

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第2章【月曜の荒野《夜朧》】

やはり建設はこうでなくちゃね

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 今朝は心地の良い目覚めができて気合い充分って感じなのだが、いかんせん誰も私を起こしてくれなかったみたいで心がモヤっとするな……。
 玄弥と結愛曰く【起こしたけど起きなかったから放置した】との事らしいが、嘘つけ絶対起こしてないぞって言いたくなるがここはこらえておいた方が正解だ、言ったら反論されるのがオチさ。

 そう言えばパソコンは寝る前に玄弥のトラックのバッテリーを無断で借りてこちらも気合いは充分そうで何よりで結構結構。
 怒られても色仕掛けでなんとかなりそうな気がする……許してくれるよね、男の人なら。

 それはさておき……起こしてくれなかったお陰でゆっくり寝れたし、きっと面倒な朝礼をショートカットして仕事に臨めるに違いないが、とりわけ外はどうなってるか様子を見るべく荷台から降りることにしなきゃ何も始まらない。





 集落の中央では何やらみんな揃って何かしているが、案外建設業に手をつけている訳じゃ無いみたい。
 まあ、よく考えるとそれらしき資材を昨日運んだ訳じゃないから昨日の今日で【お家建てる】なんて事はできるはずも無いだろうがね。
 っと、あれは結愛か? 相変わらずピンク色の髪の毛だから人1倍目立つなぁ……ははは。

「わわっ、木の板が折れちゃった!! 接着接着ぅ。」

 結愛の可愛らしい声がその民衆の中から上がるも手に掲げた物体を見るとどうにもミニチュアの建物らしきものが見えたが、ははーん、そう言うことか……いつもの巨大化ね。

「ほらよ、冥綾も造るんだぞ? いや、組み立てって言う方が速いか。」

 そういうと玄弥はプラモデルのキットらしき箱を1つ私に寄越してくれたのだが、こういうのは男に任せておけば良いじゃないかって思うけど私もこのプロジェクトの一員だからワガママ言えた口でもないけどさぁ、なんって言うか不器用だから失敗しても文句言わないでよね。

 とりあえず箱を開けてみると細かいパーツとか説明書とか入ってるが、木製のパーツって言うのがなんとも本格的だ。
 これ1箱いくらで……と言うかどこに売ってんの? って思う。
 そう言えばジオラマ製作とか好きなヤツが同僚にもいたからあとで1つもらえないだろうか。

「んじゃあよ、何かあったら俺を呼べよ。 手伝ってやるからな。」

 甘く見られたものだな、所詮は立体的なパズルに過ぎないと思えばこんな長屋の模型などすぐに完成……だと思うよ?
 私が本気を出したらこんなのすぐにでも……すぐにでも……だなぁ。

「Cの1パーツを5Yと14Dに接着してー、それから屋根の8Mパーツがここにぃ……。」



 ん? 結愛がなんか言って……っげぇ!?
 なにそのパーツの量!?



「まあ頑張れや、俺も頑張って組み立ててるからよぉ~。」

 余裕をぶっこいてる私の顔をニタニタと見つめて察したな玄弥め……良いだろう、ギャフンと言わせてやる。
 とりわけ玄弥は完成品の見本を1つ私に貸してくれたのだが、これを見てどう組み立てろと言う話だ。
 と言うよりコレ、手順の手の字も見えない素晴らしい完成品だよっ!!

 料理のフルコース見せられて食材やるから作れと言われるようなもんなんだが。
 バカなの? 玄弥は……いや、元からそういうヤツだとは知ってたけどさ。
 仕方ない、パソコンのカメラを起動して皆から作り方の情報をコメントで打ち込んで貰って作るしか……じゃなきゃ私、時間かかるかもしれない。














 さて、カメラを起動して生中継の真っ最中、設計図をカメラの前に固定しながらみんなの反応のもと……うんうん、私もやればできるじゃあないか!!



 ……相変わらず視聴者は少ないけどさ、それでも良いんだ。



【じゃあ次に6Nを1Aにくっつけてくれるかな。 あぁ~いっ……いいよいいよー。】

【なかなか上手いじゃん。】

【歪み無くくっついてる。】

 ふっふーん、餅は餅屋と言うのはまんざら嘘じゃない……こういう組み立てもオタクの指示のもとでやれば神の一手のごとく的確なアトバイスで組み上げられていけるのだからな。
 やはり男の人ってこう言うものが好きなのかねぇ。

 長屋の屋根や外装等は30分もあれば段々と形がわかるほどにまで出来上がって行く、こうもスムーズに行くと楽しいものだ。
 玄弥、見てみろ私だってやればでき……えぇええええぇぇっ!?
 な、なんだそのお城は……。

「あん? 長屋だけじゃつまらないからな、城下町に生まれ変わるべくお城まで造ることにした。 良いだろこのお城の製作キット。 個人でさっき取り寄せたんだがなかなか高かったぜ。」

 確かにミニチュアのお城と言えばお城だが、高さが1メートルもある巨大なミニ和城を組み立てているよコイツ……。
 呆れたと言えば呆れちゃうけどさぁ、まあ……何事にも全力な玄弥らしいよ、まったくね。
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