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第2章【月曜の荒野《夜朧》】
眠りのキモチと心のキモチ
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出発して5分しか経過してないのに私の肩には聖奈の頭がゴロンと寄りかかってはかわいい寝息をたてているのだが、まぁ過労死寸前レベルで常に働いているのだからこういう気を抜ける時間があれば睡眠……自然とそう結果は行き着く。
車の揺れは揺りかごと言うべきか、安眠をもたらしてくれる……その気持ちはわからなくもない。
私も本音は非常に眠いのだが寝たら寝たらで聖奈の頭を支えてあげられない可能性があるからなぁ、どうにもこの眠気は堪える。
眠気覚ましのタブレットをポケットからとり出し1粒口に放り投げると、爽やかなミントがイッパイに広がってスーッとする。
だが勘違いはするな、眠気はこんなもんじゃ全然飛ばない。
それにしても玄弥よ、私が運転手じゃなくて良かったな、今ごろしてたら皆お陀仏……海にドボーンっ、というか無免許はダメだからね。
「そう言えばよぉ、聖奈っていつ休んでるんだろうなぁ? 休日って聞いたことないぞ?」
そんな話題を私に振られても困る、知ってたら苦労しないってば……。
聖奈は玄弥のように仕事をしているわけではないが常に民のことを考えているとなると相当ブラックで辛い想いを抱え続けて今まで生活してきたに違いない。
眠って意識を手放しているとき以外に彼女に安らぎというのは無かったんだろうな、今まで想像を絶するほど辛かったんだろう?
それも今日である程度は緩和されるんだから、あともう少し頑張ってくれ……。
私は聖奈の頭を撫でる。
相変わらず羨ましい髪質しているよ……不規則な生活してるわりにはこういうところがしっかりしてる。
「んなことよりもまずは昼は何を食おうか? 聖奈が喜びそうなものは当然寿司だよな、ずっと前に調べておいてたんだぜ。!! よっし、今日は俺のオゴリだから遠慮せずたくさん食えよな。」
マジで!?
寿司は私の大好物で、こうなれば肉よりも優先度が高くなるってのが本性だ。
聖奈のためとはいえ寿司となると私にとってもごほうびに等しい。
……でも玄弥、本当に後悔しないんだろうね?
こうなった私は止められないよ、大トロからサーモンにホタテと好きなものを好きなだけ食いつくしてやる。
玄弥の財布が軽くなったって知ったことか、言い出しっぺが悪……うぉっ!?
「ひゃあっ!?」
うぐっ!!
興奮しすぎて動いたら聖奈の頭がズレて私の太ももに落っこちてきた……これは痛い、痛いですなぁ。
数秒後、聖奈が頭をさすっては何が起きたのかさっぱりという表情で私を見上げるも……困った、私はこういうのに弱いんだ。
萌えでドキッとしたのかそれにたまらず頭をナデナデしてあげたさ。
でもそんなことをされると当然固まる彼女だが、フリーズした状態の聖奈が私の太ももに膝枕状態で乗っかってるのを察したのにはそう時間はかからなかったらしいけど、やはり罰の悪そうな表情……他人の太ももにこうにも頭を乗せるなんて彼女の性格では到底考えられたものじゃないらしく、相当な無礼な行為をしていると自覚をしていながらも頭をナデナデされていることに困惑している。
いい、私が許してるんだ……しっかり太ももを味わえ。
寿司の前の哨戒戦なんだぞこれは。
「め、冥綾様ぁ~。」
聖奈は安心したようにまた瞳を閉じるを再び寝息をたてるのにそう時間はかかるはずもなく、寝たのを確認すると私も頭が自由になったお陰で太ももは圧迫されるが睡眠には支障はないからこれでようやく車の揺れを体感しながら居眠りすることができる。
陽光に到着するまでは多目に見積もっても30分はあるから今はしばしの夢心地を。
夢と女神をのせて車は走る……。
車の揺れは揺りかごと言うべきか、安眠をもたらしてくれる……その気持ちはわからなくもない。
私も本音は非常に眠いのだが寝たら寝たらで聖奈の頭を支えてあげられない可能性があるからなぁ、どうにもこの眠気は堪える。
眠気覚ましのタブレットをポケットからとり出し1粒口に放り投げると、爽やかなミントがイッパイに広がってスーッとする。
だが勘違いはするな、眠気はこんなもんじゃ全然飛ばない。
それにしても玄弥よ、私が運転手じゃなくて良かったな、今ごろしてたら皆お陀仏……海にドボーンっ、というか無免許はダメだからね。
「そう言えばよぉ、聖奈っていつ休んでるんだろうなぁ? 休日って聞いたことないぞ?」
そんな話題を私に振られても困る、知ってたら苦労しないってば……。
聖奈は玄弥のように仕事をしているわけではないが常に民のことを考えているとなると相当ブラックで辛い想いを抱え続けて今まで生活してきたに違いない。
眠って意識を手放しているとき以外に彼女に安らぎというのは無かったんだろうな、今まで想像を絶するほど辛かったんだろう?
それも今日である程度は緩和されるんだから、あともう少し頑張ってくれ……。
私は聖奈の頭を撫でる。
相変わらず羨ましい髪質しているよ……不規則な生活してるわりにはこういうところがしっかりしてる。
「んなことよりもまずは昼は何を食おうか? 聖奈が喜びそうなものは当然寿司だよな、ずっと前に調べておいてたんだぜ。!! よっし、今日は俺のオゴリだから遠慮せずたくさん食えよな。」
マジで!?
寿司は私の大好物で、こうなれば肉よりも優先度が高くなるってのが本性だ。
聖奈のためとはいえ寿司となると私にとってもごほうびに等しい。
……でも玄弥、本当に後悔しないんだろうね?
こうなった私は止められないよ、大トロからサーモンにホタテと好きなものを好きなだけ食いつくしてやる。
玄弥の財布が軽くなったって知ったことか、言い出しっぺが悪……うぉっ!?
「ひゃあっ!?」
うぐっ!!
興奮しすぎて動いたら聖奈の頭がズレて私の太ももに落っこちてきた……これは痛い、痛いですなぁ。
数秒後、聖奈が頭をさすっては何が起きたのかさっぱりという表情で私を見上げるも……困った、私はこういうのに弱いんだ。
萌えでドキッとしたのかそれにたまらず頭をナデナデしてあげたさ。
でもそんなことをされると当然固まる彼女だが、フリーズした状態の聖奈が私の太ももに膝枕状態で乗っかってるのを察したのにはそう時間はかからなかったらしいけど、やはり罰の悪そうな表情……他人の太ももにこうにも頭を乗せるなんて彼女の性格では到底考えられたものじゃないらしく、相当な無礼な行為をしていると自覚をしていながらも頭をナデナデされていることに困惑している。
いい、私が許してるんだ……しっかり太ももを味わえ。
寿司の前の哨戒戦なんだぞこれは。
「め、冥綾様ぁ~。」
聖奈は安心したようにまた瞳を閉じるを再び寝息をたてるのにそう時間はかかるはずもなく、寝たのを確認すると私も頭が自由になったお陰で太ももは圧迫されるが睡眠には支障はないからこれでようやく車の揺れを体感しながら居眠りすることができる。
陽光に到着するまでは多目に見積もっても30分はあるから今はしばしの夢心地を。
夢と女神をのせて車は走る……。
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