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第2章【月曜の荒野《夜朧》】
青空に月を浮かべて
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いったいどれ程経過したのだろうか……。
頭がボーッとしてうまく思考が働かないけどよく考えれば20分くらいだろう……とてもよく眠れたようだが、ずっと聖奈の頭を乗せていたのだから太ももがビリビリと痺れて立とうに立つことがままならない。
外を見るとすっかり陽光の海の見える駐車場、良いタイミングで起きた……いや、痺れてるんだから悪いタイミングか。
さてここで問題だ、玄弥は木曜属性だから植物や風を操れる、私は本来曜日としては外れて存在しないが一応冥曜属性の死者の魂……じゃあ月曜を司るのは何かと言うとなーんだ?
正解は電気や雷の類。
私の太ももの痺れの理由もわかるだろう?
……何? ただ単に血流の流れが悪くなって痺れてるだけにすぎない?
私はねぇ、察して横やりの茶々を入れる人は嫌いなんだ……人の揚げ足を取るようなヤツは嫌われるからわかってても言っちゃダメなんだからな。
おっと?
「よーし、着いたぜ?」
玄弥が扉を開けてくれたが、降りたいのは山々なんだけど脚が痺れすぎて動かんなぁ、いかんせん困った……。
それに私としては聖奈は未だに眠っててこの寝顔を起こして崩すのは勿体なくて起こすのをためらってしまいそうだし。
「おーい、聖奈。 起きろ……着いたぜ。」
「ん……んぅ。」
聖奈が目覚めたその瞬間だ……頭頂部に突き抜ける落雷のような衝撃が私の身体を貫いた。
スクナミコにアホ毛を引き抜かれそうになったときの痛みとはまた違う痛みが。
「うぎゃあぁああっ!?」
普段はアホ毛は7の数字の形として形成されいろんな形に変形するのだがこういう場合はどうなるかと言うと、こうなるッ!!
ピーンッと1本立ちするのさ。
何が起きたのかと言うと聖奈は身体を起き上がらせようと左手て支えたのだが、不運にも支えの土台が私の太ももであり強く押したため痺れるようなビリビリが突き抜けたってわけ。
スゴく痺れてる私の太ももの太ももによる……とにかく太ももがぁああっ!!
「きゃあぁっ!?」
「うぉおぉっ!?」
すまない、我慢できなかった。
悲鳴をあげてしまい聖奈も玄弥もビックリ仰天の表情だが、私は悪くない……押した聖奈が、いや……聖奈だって悪くない。
寝起きで思考があやふやだった……そうなのだろう?
「め、冥綾様!?」
「どうしたんだぜ!?」
そりゃ心配されるわ。
ビリビリする太もも押さえて悶絶する私を見て二人は大慌てだが……ははは、こんな滑稽な光景はあまり見られたものじゃないな。
「あ、脚が痺れて動けない……先に行ってて。 私は……私は後で行く。」
非常に申し訳ないが楽しい思い出を壊したくない。
なぁに、すぐに合流できるから私に構わず……ひゃわあぁああっ!?
「俺は皆で行かなきゃ嫌だぜ。」
いつも突拍子のないことを平然としてくれる、全く脳の処理に追い付かぬ行動をいつも玄弥は……。
燎煉での出来事をついつい思い出してしまう、こんなときに限ってアレを思い出すのは仕方ないが……あの時は全速力で滑空しながらだったからあまり良い想いでじゃないがね。
でも今は時間もある、玄弥は私を【お姫様だっこ】した状態でゆっくりと歩き出す。
「げ、玄弥……は、恥ずかしいよぉ。 お……下ろして。」
「嫌だぜ。」
そうだよな、誰一人として置いていきたくないってのが心情なんだもの。
私だって足手まといの人を見ても手を差しのべる、それは変わらないんだ。
玄弥も私も……聖奈も皆同じだもの、玄弥が【嫌だぜ】なんて言う返答にビックリする私もどうにかしてた。
今だけは恥ずかしくても良いかな、今はこの腕の特等席に抱かれてさ……どこにでも連れてってくれ。
いっそのこと澄み渡るあの海の地平線まで一緒に二人で……なんて事は隣の聖奈が許してくれそうにないからこれ以上の発言は控えておく。
さて、これから先寿司屋に向かうんだろう?
しっかり私を運んでくれたまえ、頼んだぞ玄弥。
頭がボーッとしてうまく思考が働かないけどよく考えれば20分くらいだろう……とてもよく眠れたようだが、ずっと聖奈の頭を乗せていたのだから太ももがビリビリと痺れて立とうに立つことがままならない。
外を見るとすっかり陽光の海の見える駐車場、良いタイミングで起きた……いや、痺れてるんだから悪いタイミングか。
さてここで問題だ、玄弥は木曜属性だから植物や風を操れる、私は本来曜日としては外れて存在しないが一応冥曜属性の死者の魂……じゃあ月曜を司るのは何かと言うとなーんだ?
正解は電気や雷の類。
私の太ももの痺れの理由もわかるだろう?
……何? ただ単に血流の流れが悪くなって痺れてるだけにすぎない?
私はねぇ、察して横やりの茶々を入れる人は嫌いなんだ……人の揚げ足を取るようなヤツは嫌われるからわかってても言っちゃダメなんだからな。
おっと?
「よーし、着いたぜ?」
玄弥が扉を開けてくれたが、降りたいのは山々なんだけど脚が痺れすぎて動かんなぁ、いかんせん困った……。
それに私としては聖奈は未だに眠っててこの寝顔を起こして崩すのは勿体なくて起こすのをためらってしまいそうだし。
「おーい、聖奈。 起きろ……着いたぜ。」
「ん……んぅ。」
聖奈が目覚めたその瞬間だ……頭頂部に突き抜ける落雷のような衝撃が私の身体を貫いた。
スクナミコにアホ毛を引き抜かれそうになったときの痛みとはまた違う痛みが。
「うぎゃあぁああっ!?」
普段はアホ毛は7の数字の形として形成されいろんな形に変形するのだがこういう場合はどうなるかと言うと、こうなるッ!!
ピーンッと1本立ちするのさ。
何が起きたのかと言うと聖奈は身体を起き上がらせようと左手て支えたのだが、不運にも支えの土台が私の太ももであり強く押したため痺れるようなビリビリが突き抜けたってわけ。
スゴく痺れてる私の太ももの太ももによる……とにかく太ももがぁああっ!!
「きゃあぁっ!?」
「うぉおぉっ!?」
すまない、我慢できなかった。
悲鳴をあげてしまい聖奈も玄弥もビックリ仰天の表情だが、私は悪くない……押した聖奈が、いや……聖奈だって悪くない。
寝起きで思考があやふやだった……そうなのだろう?
「め、冥綾様!?」
「どうしたんだぜ!?」
そりゃ心配されるわ。
ビリビリする太もも押さえて悶絶する私を見て二人は大慌てだが……ははは、こんな滑稽な光景はあまり見られたものじゃないな。
「あ、脚が痺れて動けない……先に行ってて。 私は……私は後で行く。」
非常に申し訳ないが楽しい思い出を壊したくない。
なぁに、すぐに合流できるから私に構わず……ひゃわあぁああっ!?
「俺は皆で行かなきゃ嫌だぜ。」
いつも突拍子のないことを平然としてくれる、全く脳の処理に追い付かぬ行動をいつも玄弥は……。
燎煉での出来事をついつい思い出してしまう、こんなときに限ってアレを思い出すのは仕方ないが……あの時は全速力で滑空しながらだったからあまり良い想いでじゃないがね。
でも今は時間もある、玄弥は私を【お姫様だっこ】した状態でゆっくりと歩き出す。
「げ、玄弥……は、恥ずかしいよぉ。 お……下ろして。」
「嫌だぜ。」
そうだよな、誰一人として置いていきたくないってのが心情なんだもの。
私だって足手まといの人を見ても手を差しのべる、それは変わらないんだ。
玄弥も私も……聖奈も皆同じだもの、玄弥が【嫌だぜ】なんて言う返答にビックリする私もどうにかしてた。
今だけは恥ずかしくても良いかな、今はこの腕の特等席に抱かれてさ……どこにでも連れてってくれ。
いっそのこと澄み渡るあの海の地平線まで一緒に二人で……なんて事は隣の聖奈が許してくれそうにないからこれ以上の発言は控えておく。
さて、これから先寿司屋に向かうんだろう?
しっかり私を運んでくれたまえ、頼んだぞ玄弥。
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