54 / 121
第2章【月曜の荒野《夜朧》】
1名様七刻にご案内
しおりを挟む
可愛い可愛い娘っ子を誘拐してきましたどうもいつも通りの冥綾です。
ってそうじゃない、戦力の確保をしに行ってただけだ……人聞きの悪いことを言うもんじゃないぞ。
えっ、独り言? まぁ良いじゃないか。
こういう【前フリ】って言うのはとても大切なんだぞ。
さて、くじ引きでチョイスして七刻に連れてきたのだが……とうの彼女は生まれて初めてモノを見るような子供のように大はしゃぎ、でもまぁこれもまた仕方ないのだろうな……見ていて少し微笑ましいのは気のせいじゃないだろう?
なんと言うか七刻に興味をもってもらえることが第1優先でね、好印象植え付けなきゃこの先厄介だしね。
けども異世界の存在すら知らない人間をこうも連れてきたのならばテンションが上がるなんて当たり前の反応をしてくれなきゃ連れてきた意味も失われちゃうからなんとしてもこういう有能な人材はどっぷりと漬け込んでおくのさ……ふふっ。
「ピンク色の髪の毛だ!! それって地毛なの?」
そもそも私の髪は艶々の黒色で瑞穂の世界でも一般的な色だから特に何も言われなかったが結愛の髪の毛はピンク色、ひと目見るや否や反応せざるを得ないんだろうなぁ、こんな奇抜な色は特にね。
やっぱ黒とか茶色がこの【じゃぱにぃず】と呼ばれる種族のほぼ大半を占めているからそういう質問に関しては好奇心からくるものだろうか?
見慣れている私からすればどうにもその感性というのはわからない。
「へぇー、そんなにピンクって珍しいの?」
結愛の自身の前髪を見つめながら言うも瑞穂はおろか七刻ですらピンク色は珍しいと言えるぞ?
なんたってここじゃこの髪の色は結愛だけのオンリーワンだからどこへ行っても視線の独り占めを無意識にしちゃうし、なんと言っても彼女自身がここの女神様の象徴でもあるからそれで見かけると注目の的にされやすく、昔はイヤと言うほど崇められたりしてた。
でも今じゃ特に女神様言えどもフラットに接してくれる人が大半だから私にとっては堅苦しくなくて結構結構。
「うーん珍しいって言うか、ファンタジーだよねこんなの。 ねぇねぇ、魔法とか使えるなら何かやってみてよ。」
目をキラキラを輝かせて私の方ににじり寄ってきたがあいにく魔法は使えても生命そのものを操ると言う点では生きた人間の近くで発動させるのは非常に危なっかしい。
夢を壊すようで悪いな、見せてやることは出来ないのは勘弁して欲しいが……結愛なら何か見せてくれるんじゃないかな?
「なんか見せてっ!!」
「な、なんかって……いきなり言われても無理よっ!!」
そりゃそうだろう、やろうと思ってやると大惨事になりかねないほど極めて莫大な曜力を持っているのだから狭い建物の中でやるのは危険極まる行為、かといって外でやるには動くのも億劫な気がする。
結愛1人で七刻の全員が束になってもその力を上回ることは遥かに及ばない……といえば彼女がいかにスゴいかわかるだろう?
結愛はこの事から七刻の権限を持っているため限ての属性を……例えば光を操ったり電気、炎から水に風……そして金属や土塊の七曜を自在に操れるのさ。
ただしいくら扱いに長けてるとは言え魔法を実際に見せつけるのだから、うっかり驚いた瑞穂が興味本意で結愛に触れて暴発して【死なせちゃいました】となったら冗談抜きで即アウト。
がっかりするかもしれないが我慢してもらうしか道はないのだろうな。
と言うか死なせちゃマズイのにこの仕事を仲介した主も大概だが、そう言うとくじ引きで引き当てた私を逆に攻め立ててきそうなのでこの際はツッコまないでくれないか?
くじ運が悪いと言うのが裏目に出たからやはりそれを知った上でくじ引きをさせた主が悪い、これは絶対的な心理と言うことにしておく。
「危なくないやつなら、これならどう?」
「うわっ、な……引っ張られ、ひゃあっ!!」
結愛は指をクイッと軽く壁に向けると瑞穂がコロコロと壁に向かって転がって行き、行ってらっしゃいと言わんばかりに私も手を振ってやった。
「この感覚は土曜魔法の応用で特定のターゲットの重力の方向を変更させたのか。」
「大正解ねっ!! 冥綾にもご褒美あげちゃう。」
褒められた……棒読みだがありがとう。
さてさて今の彼女の重力は壁が床と同じなのだから壁に吸い込まれるようにくっついてるのだろう、私達2人のところに来ようとも壁をよじ登る感覚だから恨めしそうに床に伏してはこちらを見てるがいやはや滑稽だわ。
というか、ちょっ……ふげっ!?
……いだぁっ!!
私はとっさの判断で受け身をしたが結愛の笑いようから察すると天井にビタンっと叩きつけられてしまったではないか、地味に背中が痛い。
それにしてもなぜ私にまでそんなデモンストレーションをするのかまったくわからないし、そんなことしなくても充分瑞穂に魔法のすごさをわかって貰えたから良いんだぞ……。
ってそうじゃない、戦力の確保をしに行ってただけだ……人聞きの悪いことを言うもんじゃないぞ。
えっ、独り言? まぁ良いじゃないか。
こういう【前フリ】って言うのはとても大切なんだぞ。
さて、くじ引きでチョイスして七刻に連れてきたのだが……とうの彼女は生まれて初めてモノを見るような子供のように大はしゃぎ、でもまぁこれもまた仕方ないのだろうな……見ていて少し微笑ましいのは気のせいじゃないだろう?
なんと言うか七刻に興味をもってもらえることが第1優先でね、好印象植え付けなきゃこの先厄介だしね。
けども異世界の存在すら知らない人間をこうも連れてきたのならばテンションが上がるなんて当たり前の反応をしてくれなきゃ連れてきた意味も失われちゃうからなんとしてもこういう有能な人材はどっぷりと漬け込んでおくのさ……ふふっ。
「ピンク色の髪の毛だ!! それって地毛なの?」
そもそも私の髪は艶々の黒色で瑞穂の世界でも一般的な色だから特に何も言われなかったが結愛の髪の毛はピンク色、ひと目見るや否や反応せざるを得ないんだろうなぁ、こんな奇抜な色は特にね。
やっぱ黒とか茶色がこの【じゃぱにぃず】と呼ばれる種族のほぼ大半を占めているからそういう質問に関しては好奇心からくるものだろうか?
見慣れている私からすればどうにもその感性というのはわからない。
「へぇー、そんなにピンクって珍しいの?」
結愛の自身の前髪を見つめながら言うも瑞穂はおろか七刻ですらピンク色は珍しいと言えるぞ?
なんたってここじゃこの髪の色は結愛だけのオンリーワンだからどこへ行っても視線の独り占めを無意識にしちゃうし、なんと言っても彼女自身がここの女神様の象徴でもあるからそれで見かけると注目の的にされやすく、昔はイヤと言うほど崇められたりしてた。
でも今じゃ特に女神様言えどもフラットに接してくれる人が大半だから私にとっては堅苦しくなくて結構結構。
「うーん珍しいって言うか、ファンタジーだよねこんなの。 ねぇねぇ、魔法とか使えるなら何かやってみてよ。」
目をキラキラを輝かせて私の方ににじり寄ってきたがあいにく魔法は使えても生命そのものを操ると言う点では生きた人間の近くで発動させるのは非常に危なっかしい。
夢を壊すようで悪いな、見せてやることは出来ないのは勘弁して欲しいが……結愛なら何か見せてくれるんじゃないかな?
「なんか見せてっ!!」
「な、なんかって……いきなり言われても無理よっ!!」
そりゃそうだろう、やろうと思ってやると大惨事になりかねないほど極めて莫大な曜力を持っているのだから狭い建物の中でやるのは危険極まる行為、かといって外でやるには動くのも億劫な気がする。
結愛1人で七刻の全員が束になってもその力を上回ることは遥かに及ばない……といえば彼女がいかにスゴいかわかるだろう?
結愛はこの事から七刻の権限を持っているため限ての属性を……例えば光を操ったり電気、炎から水に風……そして金属や土塊の七曜を自在に操れるのさ。
ただしいくら扱いに長けてるとは言え魔法を実際に見せつけるのだから、うっかり驚いた瑞穂が興味本意で結愛に触れて暴発して【死なせちゃいました】となったら冗談抜きで即アウト。
がっかりするかもしれないが我慢してもらうしか道はないのだろうな。
と言うか死なせちゃマズイのにこの仕事を仲介した主も大概だが、そう言うとくじ引きで引き当てた私を逆に攻め立ててきそうなのでこの際はツッコまないでくれないか?
くじ運が悪いと言うのが裏目に出たからやはりそれを知った上でくじ引きをさせた主が悪い、これは絶対的な心理と言うことにしておく。
「危なくないやつなら、これならどう?」
「うわっ、な……引っ張られ、ひゃあっ!!」
結愛は指をクイッと軽く壁に向けると瑞穂がコロコロと壁に向かって転がって行き、行ってらっしゃいと言わんばかりに私も手を振ってやった。
「この感覚は土曜魔法の応用で特定のターゲットの重力の方向を変更させたのか。」
「大正解ねっ!! 冥綾にもご褒美あげちゃう。」
褒められた……棒読みだがありがとう。
さてさて今の彼女の重力は壁が床と同じなのだから壁に吸い込まれるようにくっついてるのだろう、私達2人のところに来ようとも壁をよじ登る感覚だから恨めしそうに床に伏してはこちらを見てるがいやはや滑稽だわ。
というか、ちょっ……ふげっ!?
……いだぁっ!!
私はとっさの判断で受け身をしたが結愛の笑いようから察すると天井にビタンっと叩きつけられてしまったではないか、地味に背中が痛い。
それにしてもなぜ私にまでそんなデモンストレーションをするのかまったくわからないし、そんなことしなくても充分瑞穂に魔法のすごさをわかって貰えたから良いんだぞ……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる