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第4章【水曜の湖畔《時雨》】
軍曹と珈琲因子【アシダカ軍曹視点】
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軍曹は来て早々こんなところでくたばっていたら申し訳が立たないんだぞ。
ぐん……いや、私がなんのためにここに来たのか、それをおめおめ忘れた訳じゃない。
結愛がくれた甘い缶コーヒーを一思いに飲み干したらなのかわからないが、たかが寒さ……そう思ったら心の底から沸々と沸き上がる興奮と熱意で今までにないほど奮い立つ。
冥綾も結愛も恵麻も医務室の窓から見える近場からであれど外での仕事を頑張っているのに軍曹はただ呑気に寝ているだけなのかッ!?
そんなの許さないんだぞ、立ち上がれ……私は誇り高きアシダカグモなんだあぁああっ!!
……暑くて熱くてたまらない、やるんだぞ……やっておにーさんにたくさん褒めてもらうんだぞ!!
私は布団をはねのけてそのままで必死に出口を求めて走った。
従業員が廊下で所狭しといるがアシダカグモの私は壁や天井だって走れる、だから早くみんなに会いたくてその一心で駆け抜けた。
驚け、畏怖しろ……たとえ忌み嫌われるクモであろうが、軍曹を敬愛してくれた恩人には命までも忠義に誓おう!!
結愛が貸してくれたダウンもコレンチコートも今や火照った身体には無意味、私は勢いよく浄水場の扉を開けてみんなが待つ外へと勢いよく……飛び出したのは良いがここで階段部分が霜で凍っているのはやめて欲しいんだぞ。
「うぁああっ!!」
軍曹はな、自分で言うのもなんだがとても脚が速いんだけど空回りしたスピードを身体まとったエネルギーはどこへ行くかと言うとだな、勢いあまりすぎてその辺の雪山に頭から放り投げられてしまった。
【ズボッ!!】
……頭から雪に突撃したのに冷たくくてもこれは心地良いと感じられるのは何でなんだぞ?
雪の中はヒンヤリしてて真っ暗な視界でありのままの感覚を感じようと……理解しようと必死になってあまり難しいことを考えるのが苦手な私だが、その瞬間脚を引っ張られて晴れて外の景色と結愛の顔を拝むことができたんだけどすごく驚かれているがどうかしたのだろうか?
ははーん、さっきまでの弱り様が嘘のように思えて仕方ないと思うかもしれないが、ニンゲンもクモも要するに心の持ちようできっとなんとかなるもんなんだと思うんだぞ。
やればできると強く願ったからなのかもしれない。
「なっ……軍曹?」
「えぇええっ、何よそれーっ!!」
「どうしちゃったんですかぁ!?」
三者三様が同じくビックリした表情だがまぁ驚くのも無理はない、軍曹はヒートアップしたから寒さなんて今はヘッチャラなんだぞ。
しかしだな、ここは胸を張って自分がもう寒さでへたばる事でみんなを心配にさせることはないと実をもって教えてあげた。
結愛はともかくだが恵麻と冥綾には、い……今は負けてるとしても無い胸を張って堂々とすればいつかはおにーさんも振り返るほどの【ないすばでー】とやらも夢ではないっ!!
まずは甘食レベルの恵麻、お前から倒す……と言うのは置いておいて、3人とも何でいつまでも驚いた表情をしてるのかわからないぞ……。
「軍曹さんが【曜力適性・水曜】を自力で覚醒させたんですか!? ……というか部外者が曜力は持つことはおろか怒りパワーの火曜力を生み出してその熱意から水曜力に変換して覚醒させるなんてメチャクチャ過ぎますよぉ。」
恵麻が何か訳の分からないことを言ってるがつまるところ軍曹はパワーアップしたと言う見立てで良いのかわからない。
「つまりはね、軍曹……アンタはこの七刻の時雨と言う極寒の地の祝福を受けて恩恵を得られたって訳。 選ばれた存在よ?」
「軍曹も髪の毛が青くなったぞ? ははは、あとで鏡でも見たら驚くだろうな!!」
むむむ、つまりは耐寒とやらが身に付いたのだな、これは便利なんだぞ。
だが自慢の茶髪が真っ青だったらおにーさんはなんと言うことやらか、よく髪の毛を風呂上がりにドライヤーや櫛でケアしてくれるときに褒めてくれるのだが、青でも果たして褒めてくれるのだろうか?
だがな、おにーさんは今は二の次であり軍曹が頑張ることが第一優先だからここは寒さに強くなったから思いっきり外で活動できる!!
となれば、今から軍曹も助太刀と行こうじゃないか。
おにーさんに軍曹の勇姿を直接見せてあげたかったのだがな、甘えちゃいけない……今はこの困難に己一人で立ち向かう時ッ!!
えい、えい、おーっ、なんだぞぉおおっ!!
ぐん……いや、私がなんのためにここに来たのか、それをおめおめ忘れた訳じゃない。
結愛がくれた甘い缶コーヒーを一思いに飲み干したらなのかわからないが、たかが寒さ……そう思ったら心の底から沸々と沸き上がる興奮と熱意で今までにないほど奮い立つ。
冥綾も結愛も恵麻も医務室の窓から見える近場からであれど外での仕事を頑張っているのに軍曹はただ呑気に寝ているだけなのかッ!?
そんなの許さないんだぞ、立ち上がれ……私は誇り高きアシダカグモなんだあぁああっ!!
……暑くて熱くてたまらない、やるんだぞ……やっておにーさんにたくさん褒めてもらうんだぞ!!
私は布団をはねのけてそのままで必死に出口を求めて走った。
従業員が廊下で所狭しといるがアシダカグモの私は壁や天井だって走れる、だから早くみんなに会いたくてその一心で駆け抜けた。
驚け、畏怖しろ……たとえ忌み嫌われるクモであろうが、軍曹を敬愛してくれた恩人には命までも忠義に誓おう!!
結愛が貸してくれたダウンもコレンチコートも今や火照った身体には無意味、私は勢いよく浄水場の扉を開けてみんなが待つ外へと勢いよく……飛び出したのは良いがここで階段部分が霜で凍っているのはやめて欲しいんだぞ。
「うぁああっ!!」
軍曹はな、自分で言うのもなんだがとても脚が速いんだけど空回りしたスピードを身体まとったエネルギーはどこへ行くかと言うとだな、勢いあまりすぎてその辺の雪山に頭から放り投げられてしまった。
【ズボッ!!】
……頭から雪に突撃したのに冷たくくてもこれは心地良いと感じられるのは何でなんだぞ?
雪の中はヒンヤリしてて真っ暗な視界でありのままの感覚を感じようと……理解しようと必死になってあまり難しいことを考えるのが苦手な私だが、その瞬間脚を引っ張られて晴れて外の景色と結愛の顔を拝むことができたんだけどすごく驚かれているがどうかしたのだろうか?
ははーん、さっきまでの弱り様が嘘のように思えて仕方ないと思うかもしれないが、ニンゲンもクモも要するに心の持ちようできっとなんとかなるもんなんだと思うんだぞ。
やればできると強く願ったからなのかもしれない。
「なっ……軍曹?」
「えぇええっ、何よそれーっ!!」
「どうしちゃったんですかぁ!?」
三者三様が同じくビックリした表情だがまぁ驚くのも無理はない、軍曹はヒートアップしたから寒さなんて今はヘッチャラなんだぞ。
しかしだな、ここは胸を張って自分がもう寒さでへたばる事でみんなを心配にさせることはないと実をもって教えてあげた。
結愛はともかくだが恵麻と冥綾には、い……今は負けてるとしても無い胸を張って堂々とすればいつかはおにーさんも振り返るほどの【ないすばでー】とやらも夢ではないっ!!
まずは甘食レベルの恵麻、お前から倒す……と言うのは置いておいて、3人とも何でいつまでも驚いた表情をしてるのかわからないぞ……。
「軍曹さんが【曜力適性・水曜】を自力で覚醒させたんですか!? ……というか部外者が曜力は持つことはおろか怒りパワーの火曜力を生み出してその熱意から水曜力に変換して覚醒させるなんてメチャクチャ過ぎますよぉ。」
恵麻が何か訳の分からないことを言ってるがつまるところ軍曹はパワーアップしたと言う見立てで良いのかわからない。
「つまりはね、軍曹……アンタはこの七刻の時雨と言う極寒の地の祝福を受けて恩恵を得られたって訳。 選ばれた存在よ?」
「軍曹も髪の毛が青くなったぞ? ははは、あとで鏡でも見たら驚くだろうな!!」
むむむ、つまりは耐寒とやらが身に付いたのだな、これは便利なんだぞ。
だが自慢の茶髪が真っ青だったらおにーさんはなんと言うことやらか、よく髪の毛を風呂上がりにドライヤーや櫛でケアしてくれるときに褒めてくれるのだが、青でも果たして褒めてくれるのだろうか?
だがな、おにーさんは今は二の次であり軍曹が頑張ることが第一優先だからここは寒さに強くなったから思いっきり外で活動できる!!
となれば、今から軍曹も助太刀と行こうじゃないか。
おにーさんに軍曹の勇姿を直接見せてあげたかったのだがな、甘えちゃいけない……今はこの困難に己一人で立ち向かう時ッ!!
えい、えい、おーっ、なんだぞぉおおっ!!
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