神様project【七曜の女神と幾億の旅跡】

青衣

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第4章【水曜の湖畔《時雨》】

鉄にまみれた白銀の世界

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 雪山に似合わぬゴツい重機がズラリと並びに並び、夜朧ではあまり近くによって見ることが出来なかったためすぐ隣にこうも鎮座してるとその強大さや圧巻さにに私は言葉を失い、ただただ見上げるばかり。
 それでもだ、火山の坑道を広げたり作ったりするため燎煉も重機は存在するのだがその規模は時雨の方が大きいとは言える。
 私は燎煉の方がそういう設備に力や資金を費やすのが当たり前だと思ったから、失礼だが意外と時雨でこんな重機を普段なんのために完備してるのか疑問に思うばかりなんだ。

「きょ……今日はよろしくお願いします。」

 ボーリングマシンに乗っていた男の従業員はかなりガッチリしているが智美を見るや否や、降りる前の時からオドオドして……それでもっていて普段の彼女はメンチ切ったような表情というか圧迫感と言うか水曜の感情補正がかかっていながらも先輩面出来ないのはなんとも相手はモヤモヤしてるんだろう。
 可哀想だな、けどこれも私の1人だから許しておくれ。

「よろしく。 だが私とて燎煉を引っ張っている、それはわかるわよね? 暇じゃないの……さっさと始めましょ。」

「それでは、指定したところの除雪を始めますよ!! 除雪車の通り道には注意することです。」

 恵麻の号令とともにモンスターレベルの除雪車が大きな音をたてながらゆっくりと発車し出すが、結愛や軍曹の興奮は抑えなくてはかなりマズイ。
 もし巻き込まれたら結愛はともかくだがミンチになってこの計画自体これで打ち止め喰らったら意味をなさないことになるから、事故だけは避けたい。

「智美さんは指定した場所の雪を溶かし、その上にシートを被せてくださいね。」

「あいよ、任せておきな。 座標を確認しながら行くとするかねぇ……あとスノーモービルは借りていくわよ!!」

 恵麻から受け取った地図をスノーモービルの座席の下の格納庫にしまうと待ってましたと言わんばかりに股がっては、思いっきりエンジン蒸かして爆走と全く懲りてない。
 まあ、荒く使わないでとキッチリ叱らなかったのにも否があるが恵麻のジトーっとした表情が可愛らしくもドンマイって肩に手をポンッて置いては励ましておいた。

 これで万事オーケー、あとは私達のやるべき事……それは伝えられた限りだと除雪作業ではなく広場を作製することである。
 なんと言うかその、私はこの企画書の準主人公なのに特に際立つことすらできぬモブに最近なりつつあるんだからビッグに行きたいところなんだけどさ。



 ……じゃあ結愛は主人公だけど特に目立ってるのか?



 フッとそんなことを思うがアレはアレで例外だと思わない?
 だって何もしてなくても常に傲慢で偉そうでイヤでも目立つし、小さくてコマコマ動くし……うん、あれは悪くない。

「冥綾さんのチームはコチラのお仕事をお渡ししておきます。 パソコンにマニュアルを送信しましたから後で読んでみてくださいね、それでは!!」

 恵麻が端末を操作した数秒後、メールが届いたのだ……ってちょっと待って?
 このパソコンのメールアドレス何で知ってるのって不思議に思うが先日ちょこっと貸したときにバレたのか定かではない。
 でもそんなこと考えても仕方ないし時間だってあまりないし、こちらも作業を開始するべく広場となる場所へと移動を開始しなきゃ行けない。

 丘から見下ろす景色は素晴らしくても豆粒みたいに見えるあの浄水場からの距離を徒歩も織り混ぜて着て早々また移動となる……明日はふくらはぎが悲鳴をあげること間違いはなさそうかとタメ息が1つ私を悩ませた。
















 丘から少し歩いた場所、斜面じゃなく平地が目的地のポイントであり到着すると早速確認する。
 内容は【水曜魔法・アイスキューブ】と言う雪の1メートル立方のブロックを作り上げる水曜力の簡単的な魔法を応用して雪合戦のシンメトリー……つまりは左右対称な砦を作り上げる事。

「むむっ、雪が光輝いたんだぞ!? こ、怖いのだ!!」

「おおっふ!?」

 軍曹は突如として怒った怪現象に驚いて私に抱きついてきたが、この反応に私もビックリしてうっかり鼻血が吹き出しそうになったのをグッとこらえるも、このパソコンから感じられる反応を見る限りあらかじめ仕組まれたものなんじゃないかって推測してしまう。
 少しだけ確信があるとするなればこの手紙を既読したら発動するようにプログラムされた魔法がかけられていた……とか。



 しばらく輝いたと思ったらマニュアルに記された通りの地図が雪の上に描き出されたのに気がつく。

「結愛、あの印のとおりにアイスキューブを設置しまくるのが今回の仕事みたい。 私は私でもやっておくが、チュートリアルもかねて軍曹にもやり方を教えてあげてね。 まぁ、曜力を自力で覚醒させたなら魔法を使うことも楽勝かとは思うけど。」

「任せなさいっ!!」

 結愛を相変わらず無い胸をふん反らせては良きお姉さん役として張り切ってるのか軍曹の指導をすることを買ってくれた。
 あの2人には悪いけど私は1匹狼みたいな性格で単独でやる方が仕事ははかどるため、期待を裏切らないように黙々とアイスキューブを作ることに。

 結愛も軍曹もいたって真面目な表情。
 良いね、段々らしくなってきたじゃないか。
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