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第4章【水曜の湖畔《時雨》】
世界は広けれど狭く感じる時もある
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まだ陽は傾いていると言うのに時雨の町並みを散策している私に疑問を抱いているのかい?
確かにサボる……兼業見守りは私の専売特許とはいったけどさ、仕事しろって言うつもりだろうがあくまで砦を作るのが私に課せられたミッション。
ならばそれを終わらせあとはもう今はやることがないと恵麻に言われたならそこで終わり。
仮にも恵麻とは対等の存在であろうが私が従業員となれば従うことしか出来ないし、無いと言うのなら実質今日のぶんは終わりと言っても過言じゃない。
結愛も軍曹もその言葉を聞くや否やで蜘蛛の子を散らしたように解散し、瞬時に休日モードに切り替えては町並みを探検と称して夕暮れまでには恵麻の家に帰ることを前提にお出掛け。
智美に関しては貴重な働き手なのだから返すわけにも行かないらしく、引き続き重機など使ってリフトの支柱を建てるためにいろいろやってくれてる。
それに智美だってあれくらいで満足する訳じゃない、とことん働いて汗水垂らした方が好きって言ってたし……まぁ、ワーカホリックになりすぎない程度に頑張ってくれ。
「ふぅー、とは言ってもなぁ……私自身のやるべき事はあるからなぁ。」
コンビニで温かな缶コーヒーとサンドイッチを購入してはパソコンで何をすべきか纏めたファイルを見つめつつ、今できそうな事や優先順位の高いものを見比べては軽くため息。
極寒の私の吐息は驚くほど白くて……缶コーヒーでさえも店内のイートインで飲まなきゃ、吹き付けた息でカチカチに凍りつかないほど。
結構これには後悔しちゃって、何で店内で食べなかったんだろうって。
だって寒さを感じないからこう言うちょっとしたことが仇となるんだものなぁ。
店員に苦笑いされながらも同じものをまた購入しては椅子に座り、再びため息。
何でって……ただでさえ割高なコンビニな上にここは時雨、このダブルコンボはかなり財布に大打撃を与え缶コーヒーとサンドイッチだけでも1000円は吹き飛ぶのは当たり前。
それを2回もだ、貴重なお小遣いが既に100円玉以下の価値の小銭でジャラジャラでしかないならひもじいと言うべき。
「さてと、鳥居を使って恋のいる愛染の街まで行って……それから1つやるべき事を終わらせなきゃ。 その前に端末のバッテリーが心配だな。」
端末に充電器を差し込みイートインの机のコンセントに接続し、満タンになるまでは少し休憩と軽く居眠りを……。
別に寝てたって客も店員も咎めないし、元よりこんな物価の高いコンビニでわざわざ買いに来るなんて相当急ぎでモノが必要になった人くらいしか来ない。
つまりは寝ててもいい。
あとは本来暖房器具なんて必要ないはずの時雨と言えど、食べ物から飲み物にまでさすがに魔法の効果は発揮しない。
だから何も対応しなきゃ店内は寒いままで全て冷凍食品みたいになるから、必然的に暖房がついていてかなり温かい室内は寝るのに快適で眠りにつくまではそう時間はかからないだろう……。
軽くあくびをしてはソッと目を閉じた。
私の端末がフルチャージをお知らせするアラームが目を覚まさせてくれた。
過充電を防ぐために搭載された機能でしょっちゅう解除し忘れると夜中に鳴らして不機嫌になるが、こう言った使い道で心地よく起きれたのはなんだか嬉しく感じる。
「よく寝た、何時かな……ふむ、昼の12時。」
超高速充電器は残り20%からでもものの1時間あればご覧の通り復活ッ!!
あまり時間に余裕のない人でもおすすめ、ちょっとお値段は張るがイイモノばかりの愛染クリエイト社製のは頼もしいなぁ。
そう思いながらも立ってコンビニから撤退しようと思ったとき、トイレから出てきた恋と遭遇した。
「あっ、起きたのね? と言うか危なー……。 ちょっと離席しても起きないでしょって思ってもこれだからタイミングって見図られてるような気がして不思議よね。」
「いや、私は別に恋から逃げようとしてたわけじゃなくて……と言うか居たのか。」
恋は金曜の都市……愛染の長で私と同一人物でありながら他人、要するに結愛の感情の1人。
あまり素直になれないヤツだけど頭の良さと堅さは一級品。
けどちょうど良い、わざわざ鳥居で移動と捜す手間も省けたし……あっちから来てくれるなら好都合、こう言うの【ネギが鴨を背負ってくる】って言うんだっけか?
でも何で時雨に居るのって思ってたけど、よく考えれば軍曹の枕の1件も考えれば遭遇も何ら不思議じゃないような気もするが……おっと缶コーヒーをおごって貰った、これはラッキーだな。
「なんかお話がありそうって話してるわね? 帰るついでにコンビニ寄ったのは良いけど冥綾と久々に会えたし、お互い利害の一致ってヤツよね!!」
素直になれないと言うのはほぼ大半の人とあとは不特定多数に関してだが、私にとってはそう言うのは無く気軽に話しかけてくれる可愛いヤツ。
じゃ、長話は女であろうが私は好まないから手短に行くとするかねぇ。
確かにサボる……兼業見守りは私の専売特許とはいったけどさ、仕事しろって言うつもりだろうがあくまで砦を作るのが私に課せられたミッション。
ならばそれを終わらせあとはもう今はやることがないと恵麻に言われたならそこで終わり。
仮にも恵麻とは対等の存在であろうが私が従業員となれば従うことしか出来ないし、無いと言うのなら実質今日のぶんは終わりと言っても過言じゃない。
結愛も軍曹もその言葉を聞くや否やで蜘蛛の子を散らしたように解散し、瞬時に休日モードに切り替えては町並みを探検と称して夕暮れまでには恵麻の家に帰ることを前提にお出掛け。
智美に関しては貴重な働き手なのだから返すわけにも行かないらしく、引き続き重機など使ってリフトの支柱を建てるためにいろいろやってくれてる。
それに智美だってあれくらいで満足する訳じゃない、とことん働いて汗水垂らした方が好きって言ってたし……まぁ、ワーカホリックになりすぎない程度に頑張ってくれ。
「ふぅー、とは言ってもなぁ……私自身のやるべき事はあるからなぁ。」
コンビニで温かな缶コーヒーとサンドイッチを購入してはパソコンで何をすべきか纏めたファイルを見つめつつ、今できそうな事や優先順位の高いものを見比べては軽くため息。
極寒の私の吐息は驚くほど白くて……缶コーヒーでさえも店内のイートインで飲まなきゃ、吹き付けた息でカチカチに凍りつかないほど。
結構これには後悔しちゃって、何で店内で食べなかったんだろうって。
だって寒さを感じないからこう言うちょっとしたことが仇となるんだものなぁ。
店員に苦笑いされながらも同じものをまた購入しては椅子に座り、再びため息。
何でって……ただでさえ割高なコンビニな上にここは時雨、このダブルコンボはかなり財布に大打撃を与え缶コーヒーとサンドイッチだけでも1000円は吹き飛ぶのは当たり前。
それを2回もだ、貴重なお小遣いが既に100円玉以下の価値の小銭でジャラジャラでしかないならひもじいと言うべき。
「さてと、鳥居を使って恋のいる愛染の街まで行って……それから1つやるべき事を終わらせなきゃ。 その前に端末のバッテリーが心配だな。」
端末に充電器を差し込みイートインの机のコンセントに接続し、満タンになるまでは少し休憩と軽く居眠りを……。
別に寝てたって客も店員も咎めないし、元よりこんな物価の高いコンビニでわざわざ買いに来るなんて相当急ぎでモノが必要になった人くらいしか来ない。
つまりは寝ててもいい。
あとは本来暖房器具なんて必要ないはずの時雨と言えど、食べ物から飲み物にまでさすがに魔法の効果は発揮しない。
だから何も対応しなきゃ店内は寒いままで全て冷凍食品みたいになるから、必然的に暖房がついていてかなり温かい室内は寝るのに快適で眠りにつくまではそう時間はかからないだろう……。
軽くあくびをしてはソッと目を閉じた。
私の端末がフルチャージをお知らせするアラームが目を覚まさせてくれた。
過充電を防ぐために搭載された機能でしょっちゅう解除し忘れると夜中に鳴らして不機嫌になるが、こう言った使い道で心地よく起きれたのはなんだか嬉しく感じる。
「よく寝た、何時かな……ふむ、昼の12時。」
超高速充電器は残り20%からでもものの1時間あればご覧の通り復活ッ!!
あまり時間に余裕のない人でもおすすめ、ちょっとお値段は張るがイイモノばかりの愛染クリエイト社製のは頼もしいなぁ。
そう思いながらも立ってコンビニから撤退しようと思ったとき、トイレから出てきた恋と遭遇した。
「あっ、起きたのね? と言うか危なー……。 ちょっと離席しても起きないでしょって思ってもこれだからタイミングって見図られてるような気がして不思議よね。」
「いや、私は別に恋から逃げようとしてたわけじゃなくて……と言うか居たのか。」
恋は金曜の都市……愛染の長で私と同一人物でありながら他人、要するに結愛の感情の1人。
あまり素直になれないヤツだけど頭の良さと堅さは一級品。
けどちょうど良い、わざわざ鳥居で移動と捜す手間も省けたし……あっちから来てくれるなら好都合、こう言うの【ネギが鴨を背負ってくる】って言うんだっけか?
でも何で時雨に居るのって思ってたけど、よく考えれば軍曹の枕の1件も考えれば遭遇も何ら不思議じゃないような気もするが……おっと缶コーヒーをおごって貰った、これはラッキーだな。
「なんかお話がありそうって話してるわね? 帰るついでにコンビニ寄ったのは良いけど冥綾と久々に会えたし、お互い利害の一致ってヤツよね!!」
素直になれないと言うのはほぼ大半の人とあとは不特定多数に関してだが、私にとってはそう言うのは無く気軽に話しかけてくれる可愛いヤツ。
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