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第4章【水曜の湖畔《時雨》】
この世のコトワリ
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私は上手く要点をまとめるのが苦手なのはご存じの通りだとは思うが、恋は突拍子もないことを言われても頭の回転が物凄く速い上に瞬時にこちらの言いたいことを感じとり理解する……それはスゴい力の持ち主。
夢を操る枕を平気で作るような頭の構造をしてるんだから相手の考えてることをくみ取るなんて造作もないことだとは思うけど、非常に助かるよ。
けど顔色が優れずしかめっ面になるのは私がなにかマズイ事を言ったからに違いないと言うのは自身でもなんとなくわかってる。
けどね……わかった上じゃないとこう言うのは言えないし、話を進める上でなら避けては通れぬ話題となら面と面向かってさ。
「冥綾、それ本気なの?」
「あぁ、本気も本気……大正気だ。」
七曜力を使った七曜魔法とは非常に強力で使い方を少しでも間違えれば人に甚大なる影響を与えてしまう場合がある。
今回使用するのは土曜力、メインとしては土や砂に泥……それから物の大きさや重さ、重力……などのものを操れ、本題として人の大きさを縮小化させ丘でも広々とスキーを楽しむという荒業をしたいと恋に相談するもの。
恋は金曜力を主に使うがなぜ関係あるのかと言うと【この世のコトワリ】と呼ばれるものに干渉し、ルールそのものをねじ曲げる事を可能としてしまうからだ。
つまりは彼女は七刻のルールを改竄して好き勝手にカスタマイズでき、その気になれば結愛を差し置いて乗っとることも……出来なくはないがね。
「土曜力で生き物の大きさを変えることは不可能よ!! ダメよそんなこと。」
「その不可能を干渉して必要なときだけ可能に書き換えて欲しいんだ。 た……頼む!! 時雨の発展には恋の力無くしては無理なんだよ。」
このとき私は誰かのためでもない、正真正銘私のためだけに結愛と呼ばれる超大きなプライドを投げうって土下座をお見舞いしてやった。
これ以上の誠意があるものか、恋は唖然と見下ろしてくれてたに違いないさ。
どれだけ長い時間……雪に頭を付けていたんだろうって。
ふっと、声をかけられた……それも呆れられたような言いようで。
「や、止めてよね……私自身なのにそういうのとか見たくないわ。」
確かにプライド投げ捨てて土下座なんてしたら同じ結愛として呆れられるのも当たり前かもしれない、けど私も頭が悪いから本気でものを頼むとなると最終手段はソレしか思い付かない。
私にとっては仕方ないのかもしれないけど、彼女はそう思ってなかったんだろうね。
「確かに無理難題かもしれない、けどね……同じ存在のよしみならなおさら手伝ってあげないと申し訳立たないってねっ!!」
ビシィッとポーズをとっては彼女なりの表現で励ましてくれたのかもしれない。
あぁ、こう思えばやっぱりみんな根本は同じ【結愛】なんだなぁって考えるといつぞやのようにらしくもなく私はフフっと微笑む。
そうさ、悩むことはあれどプライド捨てずにズカズカ突き進むのが私達ってものだろう!?
「と言うわけで【この世のコトワリ】をいじくるために帰るとするわ。 あ、そうそう……終わったら連絡入れるからアドレス教えてよ。」
端末のアドレスを互いに交換するとフッと言われたこともない疑問をぶつけられた。
「そう言えば冥綾って名字は? 名前の設定したいのに名前だけじゃ変な感じ。」
「私に名字は無いな……そう言う恋だって名字が【石蕗】って書いて【つわぶき】だから1発で変換ささんなくてさぁ。」
ちなみに私は冥綾だが結愛と呼ばれても反応する。
それが本名なのだから仕方ないとしてもやっぱり10人も【若松 結愛】という存在がいると、呼んだときに誰を呼んだのかを区別するために独自で名前を付けたのが始まり。
みんな名字も独自で付けたけどやっぱり私もあった方がいいのかな……と、そんなことを思いながらもアドレスの交換に成功し電話帳にまた1つ名前が刻まれた……。
夢を操る枕を平気で作るような頭の構造をしてるんだから相手の考えてることをくみ取るなんて造作もないことだとは思うけど、非常に助かるよ。
けど顔色が優れずしかめっ面になるのは私がなにかマズイ事を言ったからに違いないと言うのは自身でもなんとなくわかってる。
けどね……わかった上じゃないとこう言うのは言えないし、話を進める上でなら避けては通れぬ話題となら面と面向かってさ。
「冥綾、それ本気なの?」
「あぁ、本気も本気……大正気だ。」
七曜力を使った七曜魔法とは非常に強力で使い方を少しでも間違えれば人に甚大なる影響を与えてしまう場合がある。
今回使用するのは土曜力、メインとしては土や砂に泥……それから物の大きさや重さ、重力……などのものを操れ、本題として人の大きさを縮小化させ丘でも広々とスキーを楽しむという荒業をしたいと恋に相談するもの。
恋は金曜力を主に使うがなぜ関係あるのかと言うと【この世のコトワリ】と呼ばれるものに干渉し、ルールそのものをねじ曲げる事を可能としてしまうからだ。
つまりは彼女は七刻のルールを改竄して好き勝手にカスタマイズでき、その気になれば結愛を差し置いて乗っとることも……出来なくはないがね。
「土曜力で生き物の大きさを変えることは不可能よ!! ダメよそんなこと。」
「その不可能を干渉して必要なときだけ可能に書き換えて欲しいんだ。 た……頼む!! 時雨の発展には恋の力無くしては無理なんだよ。」
このとき私は誰かのためでもない、正真正銘私のためだけに結愛と呼ばれる超大きなプライドを投げうって土下座をお見舞いしてやった。
これ以上の誠意があるものか、恋は唖然と見下ろしてくれてたに違いないさ。
どれだけ長い時間……雪に頭を付けていたんだろうって。
ふっと、声をかけられた……それも呆れられたような言いようで。
「や、止めてよね……私自身なのにそういうのとか見たくないわ。」
確かにプライド投げ捨てて土下座なんてしたら同じ結愛として呆れられるのも当たり前かもしれない、けど私も頭が悪いから本気でものを頼むとなると最終手段はソレしか思い付かない。
私にとっては仕方ないのかもしれないけど、彼女はそう思ってなかったんだろうね。
「確かに無理難題かもしれない、けどね……同じ存在のよしみならなおさら手伝ってあげないと申し訳立たないってねっ!!」
ビシィッとポーズをとっては彼女なりの表現で励ましてくれたのかもしれない。
あぁ、こう思えばやっぱりみんな根本は同じ【結愛】なんだなぁって考えるといつぞやのようにらしくもなく私はフフっと微笑む。
そうさ、悩むことはあれどプライド捨てずにズカズカ突き進むのが私達ってものだろう!?
「と言うわけで【この世のコトワリ】をいじくるために帰るとするわ。 あ、そうそう……終わったら連絡入れるからアドレス教えてよ。」
端末のアドレスを互いに交換するとフッと言われたこともない疑問をぶつけられた。
「そう言えば冥綾って名字は? 名前の設定したいのに名前だけじゃ変な感じ。」
「私に名字は無いな……そう言う恋だって名字が【石蕗】って書いて【つわぶき】だから1発で変換ささんなくてさぁ。」
ちなみに私は冥綾だが結愛と呼ばれても反応する。
それが本名なのだから仕方ないとしてもやっぱり10人も【若松 結愛】という存在がいると、呼んだときに誰を呼んだのかを区別するために独自で名前を付けたのが始まり。
みんな名字も独自で付けたけどやっぱり私もあった方がいいのかな……と、そんなことを思いながらもアドレスの交換に成功し電話帳にまた1つ名前が刻まれた……。
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