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第4章【水曜の湖畔《時雨》】
ここで大きくなるものは
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どうしてこうなったのかボンヤリとする思考で考えた。
あのあと時雨浄水場に戻って恵麻の住む地下の家へと行こうとした時だった……確かに私にも非があると言えばそこまでで、何しろ水曜力で髪の毛からそっくり時雨の民のように変身しているし服だって規定の作業着を身にまとっているわけだから、勘違いからか仕事に手を貸して欲しいと頼まれ事で氷の運搬をちょっと……ね。
明確には私は従業員の服装をした部外者で、あいにく場内は思ったよりもずっと広いため誰が誰でどこの部署の人なんて完璧にわかるわけでもないだろう。
だからこうやって立ってるものは上司でも使えと言わんばかりに暇人は連行されるのさ。
とまぁ、任された雑用自体すぐ終わるもので良かったが、フォークリフトが動き回る室内で氷を台車に積んで冷凍庫まで運ぶのはなかなかスリルがあって楽しいと思えた私は末期だろうな。
そうそう、ターレーと呼ばれる変わった運搬車をちょこっと無理言って運転させて貰ったが無論車を運転する免許どころか特殊免許も当たり前に無い私は殺人マシンになりかけた。
とりあえずわかったことは車の免許は私には未来永劫無用なものだと理解したくらいかな……まぁ、移動が必要になれば主が大人になったら【あちら側】では移動に一役買ってくれることを祈ろう。
「はぁー、何でか余計疲れた。 着替えて休もう……。」
無償で少し働いた、もしくは徳を積んだと思えばこれくらいの労働など割り切れる。
別に賃金寄越せって言ってる訳じゃないし……そもそもお金に私は執着するほど銭ゲバでも無いので。
更衣室で着替えたのち私服になればもう誰も仕事なんて押し付けるわけでもない、フレックスタイム制みたいに仕事終わったから帰りますって雰囲気出しながら歩いてると……フッと丘の斜面が窓から再三見えた。
見えたのは良いんだけど通りすぎた脚が2歩3歩ほど戻っては再び見つめると……?
「は、はっや!?」
なんと見えたのはリフトの支柱であって、今日砦を完成させる前までは何もない雪原の更地だったのにやはり本気を出した智美のお陰なんだろうなぁって考えるとあまりの力強さに苦笑いが止まらない。
何トンものコンクリート製の支柱であろうが意図も容易く持ち上げてる彼女を想像できるってのがまずオカシイはずなのに……あれ?
……か弱い女性って何だっけ?
か弱くなくても女性だろうが男性だろうがトン単位のものは持てるわけがない……そう言う認識で間違いはないのだが智美を見れば誰しもがイメージがガラガラと音を立てて崩れるに違いない。
けどそこは力が全ての燎煉の民だから仕方ないと言えば仕方なく、懐かしいあのひ弱だった瑞穂でさえも智美に洗脳され……じゃなくて火曜力を覚醒させたお陰で500キロという規格外の重量の石材を両手で持ち上げてはドヤ顔するレベル。
「3日視線を反らさずるば刮目して見よって言うけど、半日すら目を離したらこれだものなぁ。 明日にはもうロッジとかできるんじゃない?」
実際港にお城、博物館が1からやって完成までにどれ程かかったか忘れた訳じゃないな?
七刻の建築スピードは外の世界を知る私からしてみればはっきり言って異常としか断言できない。
年単位の行程すらも魔法が使える我々にとっては造作もないこと、それはわかる。
科学と魔法は表裏一体とはよく聞くがこんなことを聞いてしまえばやはり魔法に軍配が上がると私は睨んでるが、異論があったら目安箱にでもコメントを投函しておいてくれ。
まぁ、何があっても論破しかしない……と言うか認めないがね。
やや高めな自販機で気晴らしにアイスクリームでも購入すると部屋に戻っては優雅に3時のオヤツと勤しむ私であった。
あのあと時雨浄水場に戻って恵麻の住む地下の家へと行こうとした時だった……確かに私にも非があると言えばそこまでで、何しろ水曜力で髪の毛からそっくり時雨の民のように変身しているし服だって規定の作業着を身にまとっているわけだから、勘違いからか仕事に手を貸して欲しいと頼まれ事で氷の運搬をちょっと……ね。
明確には私は従業員の服装をした部外者で、あいにく場内は思ったよりもずっと広いため誰が誰でどこの部署の人なんて完璧にわかるわけでもないだろう。
だからこうやって立ってるものは上司でも使えと言わんばかりに暇人は連行されるのさ。
とまぁ、任された雑用自体すぐ終わるもので良かったが、フォークリフトが動き回る室内で氷を台車に積んで冷凍庫まで運ぶのはなかなかスリルがあって楽しいと思えた私は末期だろうな。
そうそう、ターレーと呼ばれる変わった運搬車をちょこっと無理言って運転させて貰ったが無論車を運転する免許どころか特殊免許も当たり前に無い私は殺人マシンになりかけた。
とりあえずわかったことは車の免許は私には未来永劫無用なものだと理解したくらいかな……まぁ、移動が必要になれば主が大人になったら【あちら側】では移動に一役買ってくれることを祈ろう。
「はぁー、何でか余計疲れた。 着替えて休もう……。」
無償で少し働いた、もしくは徳を積んだと思えばこれくらいの労働など割り切れる。
別に賃金寄越せって言ってる訳じゃないし……そもそもお金に私は執着するほど銭ゲバでも無いので。
更衣室で着替えたのち私服になればもう誰も仕事なんて押し付けるわけでもない、フレックスタイム制みたいに仕事終わったから帰りますって雰囲気出しながら歩いてると……フッと丘の斜面が窓から再三見えた。
見えたのは良いんだけど通りすぎた脚が2歩3歩ほど戻っては再び見つめると……?
「は、はっや!?」
なんと見えたのはリフトの支柱であって、今日砦を完成させる前までは何もない雪原の更地だったのにやはり本気を出した智美のお陰なんだろうなぁって考えるとあまりの力強さに苦笑いが止まらない。
何トンものコンクリート製の支柱であろうが意図も容易く持ち上げてる彼女を想像できるってのがまずオカシイはずなのに……あれ?
……か弱い女性って何だっけ?
か弱くなくても女性だろうが男性だろうがトン単位のものは持てるわけがない……そう言う認識で間違いはないのだが智美を見れば誰しもがイメージがガラガラと音を立てて崩れるに違いない。
けどそこは力が全ての燎煉の民だから仕方ないと言えば仕方なく、懐かしいあのひ弱だった瑞穂でさえも智美に洗脳され……じゃなくて火曜力を覚醒させたお陰で500キロという規格外の重量の石材を両手で持ち上げてはドヤ顔するレベル。
「3日視線を反らさずるば刮目して見よって言うけど、半日すら目を離したらこれだものなぁ。 明日にはもうロッジとかできるんじゃない?」
実際港にお城、博物館が1からやって完成までにどれ程かかったか忘れた訳じゃないな?
七刻の建築スピードは外の世界を知る私からしてみればはっきり言って異常としか断言できない。
年単位の行程すらも魔法が使える我々にとっては造作もないこと、それはわかる。
科学と魔法は表裏一体とはよく聞くがこんなことを聞いてしまえばやはり魔法に軍配が上がると私は睨んでるが、異論があったら目安箱にでもコメントを投函しておいてくれ。
まぁ、何があっても論破しかしない……と言うか認めないがね。
やや高めな自販機で気晴らしにアイスクリームでも購入すると部屋に戻っては優雅に3時のオヤツと勤しむ私であった。
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