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第一章・臼箕電工
ぐるぐるしている
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――もう止まらないようだ。
森を抜けてしまえば整備された道路に出くわし、ガタゴトと揺れる心配もなくなれば到着するまでの間は少しは安眠できそうだと瞳を閉じたのだが、現実はどうにも恐ろしい。
普通の道路になったとたん、体にGを感じはじめてきた。
「よっし、他の車も居ないし飛ばすかぁ。」
「ちょっ、なぁ!?」
時速百キロ程度は出てるだろうか、いくら直進で車がないと言えども危なっかしくて怖い。
「大丈夫、まだ二回しか事故って無いから。」
「一回でもだめぇええっ!!」
彼女の悲鳴と車の走る音は広い平原をどこまでも突き進む。
到着する頃にはたぶん体力はないだろうが、それでもお構いなしの揃物だった。
――体をユサユサと。
どれ程の時間が経過していたのか、気を失っていてよくわからなかったが、車のディスプレイに表示されてる時計を見ると十一時半。
家を出てから四時間程度だが、森抜けて平原に出るまでの一時間を差し引いても三時間は気を失っていたのがわかるが、命があって良かったとホッとする。
「そら、着いたぜ。 おっと、大丈夫か?」
「大丈夫に見える?」
半場苦笑いの浅葱だが、こんな荒々しい運転もキライじゃないのかもしれない。
現実ではやろうとする人なんて居ないし、ゲームでもこんなリアルな体験は感じられないからだ。
「まっ、良いんだけどね。」
「すまんな、つい……テンション上がって飛ばしちまった。」
一応自覚して謝ってくれるなら、事故を起こさなければ許してはやると呆れた表情を見せつけるも車を降りる。
多少三半規管がやられてフラッとするけど、楽しみがあるならどうってことない。
目の前の大きな会社を見上げてはその大きさに感心するばかり。
「すごい大きいわ!」
「まあ、中には一人しか居ないけどな。」
何百人も入れそうな大きな会社をたった一人で運営してるようだ。
「えぇ……。」
さすがの常識はずれな運営に、【大丈夫なのか、これ】という疑問を持ちつつ、正面玄関の入り口側にグルッと回り込む。
「アイツに会うのは久々だからな、お菓子の詰め合わせでもあげれば満足だろうな。」
山吹色の箱菓子を抱えては正面玄関の自動ドアを潜るのだが、その箱を見て【いつの時代のワイロなのだ】と、ツッコミを抑え切れない浅葱は、右手を抑えつつ揃物の後について行くのでした。
森を抜けてしまえば整備された道路に出くわし、ガタゴトと揺れる心配もなくなれば到着するまでの間は少しは安眠できそうだと瞳を閉じたのだが、現実はどうにも恐ろしい。
普通の道路になったとたん、体にGを感じはじめてきた。
「よっし、他の車も居ないし飛ばすかぁ。」
「ちょっ、なぁ!?」
時速百キロ程度は出てるだろうか、いくら直進で車がないと言えども危なっかしくて怖い。
「大丈夫、まだ二回しか事故って無いから。」
「一回でもだめぇええっ!!」
彼女の悲鳴と車の走る音は広い平原をどこまでも突き進む。
到着する頃にはたぶん体力はないだろうが、それでもお構いなしの揃物だった。
――体をユサユサと。
どれ程の時間が経過していたのか、気を失っていてよくわからなかったが、車のディスプレイに表示されてる時計を見ると十一時半。
家を出てから四時間程度だが、森抜けて平原に出るまでの一時間を差し引いても三時間は気を失っていたのがわかるが、命があって良かったとホッとする。
「そら、着いたぜ。 おっと、大丈夫か?」
「大丈夫に見える?」
半場苦笑いの浅葱だが、こんな荒々しい運転もキライじゃないのかもしれない。
現実ではやろうとする人なんて居ないし、ゲームでもこんなリアルな体験は感じられないからだ。
「まっ、良いんだけどね。」
「すまんな、つい……テンション上がって飛ばしちまった。」
一応自覚して謝ってくれるなら、事故を起こさなければ許してはやると呆れた表情を見せつけるも車を降りる。
多少三半規管がやられてフラッとするけど、楽しみがあるならどうってことない。
目の前の大きな会社を見上げてはその大きさに感心するばかり。
「すごい大きいわ!」
「まあ、中には一人しか居ないけどな。」
何百人も入れそうな大きな会社をたった一人で運営してるようだ。
「えぇ……。」
さすがの常識はずれな運営に、【大丈夫なのか、これ】という疑問を持ちつつ、正面玄関の入り口側にグルッと回り込む。
「アイツに会うのは久々だからな、お菓子の詰め合わせでもあげれば満足だろうな。」
山吹色の箱菓子を抱えては正面玄関の自動ドアを潜るのだが、その箱を見て【いつの時代のワイロなのだ】と、ツッコミを抑え切れない浅葱は、右手を抑えつつ揃物の後について行くのでした。
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