13 / 20
第一章・臼箕電工
機械はびこる
しおりを挟む
――正面玄関を抜ける。
眼前にはフロントらしきものが存在するが、パソコンに写し出されたバーチャルなお姉さんが案内をしているようだ。
辺りを見渡すとパソコンが何台もあって、一人一人違うバーチャルな人達がディスプレイの中ではせっせこせっせこ働いている。
慣れない光景からか浅葱は不気味に思ってしまうのも無理はない。
浅葱が生前生きてた時代にはそんな技術などなかったからだ。
「えぇ、なにこれ……全部機械が処理してるから、人間の従業員は居ないの?」
生身の体を持つのは今のところここでは揃物と浅葱、そしてここの社長だけだろう。
「不気味に思えても慣れだよ、慣れ。」
怖がっている浅葱はスルーしては、揃物は壁に添えつけられているディスプレイに暗証番号を入力すると、ボタンのないエレベーターが開きだす。
浅葱は何やら不思議に思う。
「このエレベーターはボタンないの?」
上に行くボタンも下に行くためのボタンもない、ただのドアだけのエレベーターがあればそれは不思議に思うのも無理はないだろう。
揃物は笑いながら説明してくれた。
「ハッハッハ、ここの社長は用心深いからな! 特定のヤツにしか会えないようにパスワードを設けてるのさ。」
「ま、まあ勝手に社長の部屋に入られても困るよね。」
浅葱は開いたエレベーターに乗り込むとその豪華さについうっとりしている。
モダンな内装のエレベーターは建築がわからない浅葱だって口を半開きにさせて魅了させてしまうほどのレベルで、最早魔法の要領に近い。
エレベーターはゆっくりと閉じては昇始める。
階層のボタンも何もなければ、社長の部屋に行くのだとわかっていても道なる場所に誘われるようで少し怖かった。
――一分ほどして。
空を見上げたときのあの高さは忘れもしないほど。
最上階だというならば、ここは推定百メートルはあるだろうと浅葱は考えながらエレベーターを降りた。
しばらく歩いてふと思うのだがこんなに高いところなら景色を見たいものだと思うが、不気味なほどに薄暗い廊下には窓ひとつないようだが、その廊下はすぐに社長室に直面する。
黒樫の木材で作られた物々しい雰囲気の扉を前に揃物は天井の角を見上げて独り言を呟く。
「善人ぉ、監視カメラで見てんだろ?」
【「さぁな」】
扉の奥から男の声が響いてるも、見えてるなら素直に見てると言えば良いのに遠回しに言うのに滑稽に思いちょっと笑ってしまう浅葱だが、揃物は問答無用で扉のノブに手をかけた。
パチッと響く静電気を物とせず揃物はその扉を今、ゆっくりと。
眼前にはフロントらしきものが存在するが、パソコンに写し出されたバーチャルなお姉さんが案内をしているようだ。
辺りを見渡すとパソコンが何台もあって、一人一人違うバーチャルな人達がディスプレイの中ではせっせこせっせこ働いている。
慣れない光景からか浅葱は不気味に思ってしまうのも無理はない。
浅葱が生前生きてた時代にはそんな技術などなかったからだ。
「えぇ、なにこれ……全部機械が処理してるから、人間の従業員は居ないの?」
生身の体を持つのは今のところここでは揃物と浅葱、そしてここの社長だけだろう。
「不気味に思えても慣れだよ、慣れ。」
怖がっている浅葱はスルーしては、揃物は壁に添えつけられているディスプレイに暗証番号を入力すると、ボタンのないエレベーターが開きだす。
浅葱は何やら不思議に思う。
「このエレベーターはボタンないの?」
上に行くボタンも下に行くためのボタンもない、ただのドアだけのエレベーターがあればそれは不思議に思うのも無理はないだろう。
揃物は笑いながら説明してくれた。
「ハッハッハ、ここの社長は用心深いからな! 特定のヤツにしか会えないようにパスワードを設けてるのさ。」
「ま、まあ勝手に社長の部屋に入られても困るよね。」
浅葱は開いたエレベーターに乗り込むとその豪華さについうっとりしている。
モダンな内装のエレベーターは建築がわからない浅葱だって口を半開きにさせて魅了させてしまうほどのレベルで、最早魔法の要領に近い。
エレベーターはゆっくりと閉じては昇始める。
階層のボタンも何もなければ、社長の部屋に行くのだとわかっていても道なる場所に誘われるようで少し怖かった。
――一分ほどして。
空を見上げたときのあの高さは忘れもしないほど。
最上階だというならば、ここは推定百メートルはあるだろうと浅葱は考えながらエレベーターを降りた。
しばらく歩いてふと思うのだがこんなに高いところなら景色を見たいものだと思うが、不気味なほどに薄暗い廊下には窓ひとつないようだが、その廊下はすぐに社長室に直面する。
黒樫の木材で作られた物々しい雰囲気の扉を前に揃物は天井の角を見上げて独り言を呟く。
「善人ぉ、監視カメラで見てんだろ?」
【「さぁな」】
扉の奥から男の声が響いてるも、見えてるなら素直に見てると言えば良いのに遠回しに言うのに滑稽に思いちょっと笑ってしまう浅葱だが、揃物は問答無用で扉のノブに手をかけた。
パチッと響く静電気を物とせず揃物はその扉を今、ゆっくりと。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる