遠空に駈ける女神の浮浪録・神様project2

青衣

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第一章・臼箕電工

食材探し

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   ――とあるスーパーにて。

   臼箕電工から車で十数分のところにある大きなスーパーマーケットの駐車場には見慣れた車が駐車されて居るのだが、中には眠っている少女が一人と、車の後ろの荷台を開けては食材を詰めている男一人。
   何を思っているのか、バタンと荷台を閉じる際に眠ってる少女を見つめてはひそかに微笑んで運転席へと乗り込む。

 「自炊なんていつぶりだろうな。 まあ、作るのは俺じゃないがお手伝いくらいはさせてもらうとするかな。」

   少女こと、浅葱を起こすまいと行きの方とはとうって変わってふんわりとした優しいアクセルで車は動き出す。
   静かに走る車はまた、ゆっくりながらも都心部を離れては森の中に吸い込まれて行く。
   
 「今買ってきた食材は適当だったからなぁ、まあ……カレールーや人参、ジャガイモに肉もついでに買ったし、カレーになることは間違いはなさそうだが。」

   計画なしなのか計画あって買ったのかわからないが、適当に買ってもカレーなどの食材はバッチリ無意識に買っておいたようだが、これを見たら浅葱はカレー以外に何を作るつもりだったのかと興味深くも思えてくるが、今は手作りのカレーが食べたいと、やはりこうなってしまった。

   カレーは料理でも基本の物であり、作り手によってはルーは同じでもなぜか味も様々になるのだとか。
   浅葱はどんなカレーにしてくれるのか楽しみだと思い、アクセルを全開にして早く帰宅したい気持ちを押し殺しつつも、ゆっくりと焦らず車は家へと着々と向かう。














   ――森の中の揃物商店にて。

   帰る頃には陽は傾いている頃で、斜めから差し込む夕日が眩しいのか、優しいけど鋭い浅葱は目を覚ました。

 「あれ、わ……私は、えーと?」

   思い出そうにもボヤけた何かが思考を遮っては、うまく思い出すことができない。
   思い出したいけどどうにもならず頭をポリポリと掻いていたとき、揃物がばつの悪い表情でひと言浴びせた。

 「思い出してもろくな頃がないからな、別に気にする必要もないぞ。」

 「そうなのかな? ……あっ、食材!」

   そう言われて思い出すのをやめるのだが、食材を荷台から下ろしている揃物を見るなり、先程までの眠そうな表情に光が宿ったように見えた。
   それほどいいものは入っていないがズッシリと重みのある袋をぶら下げ、浅葱はニッコリ。

 「腕を振るいますかねー!」

 「そりゃ楽しみだな。」

   揃物は家の鍵を取り出すして鍵穴に差し、解錠をするとやはり古臭い建物の中身があらわになる。
   ホコリっぽいけどモダンな家に、ただいまの声が夕日と共にこだました。
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