日々是成長×神様project・ＨDリマスター

プロローグ&人物紹介？

十月一日その三

十月一日その三。
柔らかな目覚め。














   波打つ海の上にそびえる巨大な戦艦のひとつの部屋で、一人の少女が目覚めた。
   この大陸の一番南に位置する為に太陽の光がどこよりも恩恵を頂いているため、朝といえどもまぶしい朝日が彼女の顔に指し当たると目がぱっちりと開いては、体がむっくりとおきあがる。

   この日曜を司る地方、陽光地方の一番お偉い御方である日曜神こと夏原 天音なつはら あまねである。
   彼女は素敵な笑顔で人々を笑顔にするほどの持ち主で場の雰囲気をなごませてくれる。

 「えへへ、おはよう。」

   端末を起動してはSNSを使っては大切な人に朝一番のご挨拶を。
   彼のことを思うとドキドキが止まらないし、自然と笑顔がこぼれてしまうのは仕方ない。

 「今日はいっちょ遊びに行くかねぇ！」

   早速起床してはさすがは海軍かな、セーラー服を着込んでは準備は万端。
   軽く朝食を済ませるとお手製のサンドイッチをランチボックスに詰め合わせると、それを大切そうにリュックサックに入れては頷く。

   なかなかリュックサックを背負う姿は可愛らしく、朝の道行く港の人々の男を魅了してならない彼女だが、天音は彼一筋なのだからそんな視線にも目もくれず、歩き出す。
   きちんと朝の挨拶し笑顔は振り向くものの、彼に会うときの笑顔はもっと素敵なものだ。

 「今日はお昼に仕事が終わるみたいだから、お昼に合わせて着くようにしようねぇ。」

   駅に着くも朝早くなのだからこれまた昼間では何時間もあるために天音は時計を見てる内にコックリコックリと船をこぎ出す始末。
   どんなところでも眠れ決して起きることはなく、あくびの伝染力の強さは迷信以上に発揮する彼女。

 「ふわぁ……むにゃ。」

   一時間とも二時間とも時間は過ぎ去り、四時間とも経つと端末のアラームが鳴り響き、そろそろ起きる時間。
   電車の来る十分前に彼女は起き出してはスカートの裾をパンパンと払い、襟元をキッチリ正しては準備は完了。

 「あぅ……玄ちゃん、今遊びにいくからねぇ。」

   彼女の指はそう文字を綴ると送信のボタンを押す。
   一瞬にして既読のマークが付かれると共に、待ち遠しそうな返事も相手から送られてくる。
   天音にとってはそんなトークでさえも送られてくるのではなく、贈られてくるのだと実感しつつもプラットフォームに停車した電車に今脚を一歩踏み出したのだ。














日曜の港、陽光地方。
日曜神の夏原天音、遅めながら二度寝から起床！