日々是成長×神様project・ＨDリマスター

十月

十月三日

十月三日。
灼熱の地獄を見せてあげる。














   燎煉地方の火山には燎煉火力発電所が存在しており、溶岩のエネルギーを利用して発電したり、掘っては鉄鉱石やレアメタルに宝石などの採取をして稼いでいる。
   そこのリーダーの智美は絶対暴君であることには変わりはない。

 「ふふっ、サボらず骨身が焦げるまで働きなさい！ 【火曜魔法・ブレイズウィップ】よ！」

   さすがは火を司る女神様と言えようか。
   七曜魔法の内の火曜魔法を操っては、炎のしなる鞭を作り出しては陽炎が揺らめいた瞬間、空気を切り裂きながら鈍い音が人間の生身にぶつかる。

   お仕置きを受けたものは尻を押さえては渋々と、また坑道を掘り進んでトロッコで決まった分量の爆薬をセットする。
   しばらくすると地鳴りと共にトンネルの奥から黒煙は昇ってくる。

 「よし。」

   智美の満足そうな表情だがその作業着をクイクイと引っ張っては見上げる少女が一人。
   桃子である。

 「智美……、相変わらずやり過ぎよ……。 怪我をして業務に支障が出たら元も子も無いもの……。」

   普段は紫色の桃子の髪の毛も燎煉の火山の奥地に来てしまえばその地方の特性に侵食される。
   桃子の髪の毛は智美と同じ紅色に染まり、瞳は相変わらずハイライトが存在しないもののマゼンタ色。
   今のやり方にあきれを感じるも、智美のやり方に深くは首を突っ込む事は例え親友であったとしても、桃子は岩動の長であるため燎煉の事情に口出し出来ても何一つ変わりはしない。

 「ふふっ、燎煉の民はそこまでヤワじゃないわよ。」

 「そう……。 でも、誰だって痛いのは嫌よ……。」

   確かにお仕置きを受けたなら働きに報いは受けなくてはいけないかも知れないが、ふてくされて生産性が落ちては意味はない。
   けど、治安は悪いここの仕方ないやり方であるも、何だかんだ言っておきながら智美にお仕置きを受けるとこは忠誠を誓う意味でもあるがゆえに、従業員達の一種の儀式のようなもの。

 「まぁ、私も適度にストレスを発散しないとね。」

   智美は結愛の体の攻撃的な性格の具現であるために、誰かにいぢめを施さなくては気が済まない。
   それは彼女なりの愛情である。

   他人が嫌がるような事や本当に悲痛なこと、リンチしたり等の【いじめ】はせず、されても嫌な思いをしない【いぢめ】を彼女は好むし、その辺の限度はわきまえる。

 「はぁー、スッキリしたわ。」

   久々のいぢめでスッキリした智美の表情は清々しいものであり、再び坑道内の見張りのために歩き回る。
   そんな智美と居て、楽しいと思える桃子も微笑んでは遅れを取らないように可愛らしい小走りでその背について行くのであった。














火山を支配する暴君の女神。
だからこそカリスマがある、カリスマガール。