日々是成長×神様project・ＨDリマスター

十月

十月十日

十月十日。
生まれてきてありがとう、テートアテートで内緒の事。














   神社では楽しく皆で誕生日パーティーを行っているのだが、縁側では玄弥は一人寂しくお酒とつまみを食べながら寒風に酔いしれている。

   決してパーティーの雰囲気が苦手な訳じゃないが、それに心配した天音は玄弥も一緒に楽しもうと誘い出す。

 「玄ちゃん、こんなところにいたら楽しくないよ？ 皆と一緒にお祝いしようよぉ？」

 「すまんな、今は一人になりたい。」

   玄弥は天音を見つめると、不思議そうな表情をする。

 「まぁ、確かに楽しいのは解るが……あそこにいると女性特有の香りでな。 三人までなら許せるが。」

 「そっか……、何だかごめんねぇ。 七曜神って皆女の子なのに、玄ちゃんのそういうところが理解できなくて。」

   別に天音もその理由でここに来ていることにダメとは言わない。
   
 「まぁ、皆寝静まって智美とかが夜更かしして酒飲んでる頃には戻るからよ。 心配す……おわ？」

   玄弥がもう一缶目に手を伸ばそうとしたとき、天音は縁側に座っては一緒におつまみをいただく。
   それに驚いた玄弥。

 「私も一緒にいるよ。 一人じゃ寂しい思いさせたくないから。」

   寒風に揺れる金色の髪の少女は隣に居てくれると優しげな太陽の香りで玄弥の心を癒してくれる存在。
   
 「やはり天音は優しいな。」

   玄弥は心に無いがそう言う言葉を天音に言い聞かせては落ち着かせる。

   玄弥から優しいと言われて頬を染めて照れる天音だが、七曜神は皆理解している。
   皆玄弥の事が特別だから……と。

   もちろん玄弥も誰に言うわけでもないものの、皆の気持ちは知ってるが、あえて鈍いような事で接しないと気が気じゃなくなりそうで怖いからであり、あくまでも皆を妹として扱わなくては抑えが効かなくなりそうだから。

 「さてと、ビールの飲みすぎで腹が痛いぜ……っと。」

   玄弥は立ち上がってはお腹をさすりながらヨタヨタとトイレへと向かう。

 「もう、玄ちゃんは節度を守って飲まないからお腹壊すんだよ。」

   誰もいない縁側に天音も皆のいる部屋へと戻っては楽しく誕生会の続きを始めるのだが、それを見越しては玄弥はまた縁側に座っては一人酒を堪能する。

   多少寒くても冷えたビールが美味しい今日この頃であった。














皆誕生日おめでとう。
これからもよろしく！