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十月

十月二十八日

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十月二十八日。
時は時として交わる。














   常夏は永遠に続くなら浜辺には連日のように飽きもなくお客さんはズラリと見えており、割合からすれば七割が陽光の民の金髪でごった返し、残りの二割は陽光と親愛関係を結ぶ風見の民の緑髪。
   残りの一割は他の地方の赤、青だの茶色と様々なモノである。

   仕事の暇さえあれば玄弥も浜辺でビーチバレーに勤しんだりはするのだが、いささか今は様子がおかしいのだ。
   どう言うことかと言うも、小さな幼女をマジマジと見つめてはロリコンのようなごとく金髪の小さな陽光の幼女を一メートルともない近距離で眺めている。
   眺めている……と言うよりは、厳密にはメンチを飛ばしているのかもしれない。

 「……。」

   見られている金髪の幼女は、陽光の民特有の青い瞳で玄弥を見つめているも、その表情と来ると陽光の民には感じられない視線である。
   本来陽光の民は陽気で脳内がお花畑に近いような連中ばかりだが、彼女は玄弥と遭遇してからはなに一言喋っていないのだ。
   それにこんな至近距離だと言うのに、何を言うまでもなく青い瞳は玄弥の赤い瞳に視線を突き刺している。

 「お嬢ちゃん、一人は危ないぜ? お名前は? お父さんとお母さんは?」

   玄弥はアウト寄りなアウトな発言を浴びせると、彼女は口を開いた。

 「ひな、お父さんは目の前……、お母さんは相変わらず船で寝てると思うから知らない。」

   玄弥は目の前にいると言うので辺りを見渡しては保護者らしき人を探すも、こうも金髪だらけだと検討すらつかないものだ。

 「おーいっ、だれかこの子の父親は知りませんかぁっ!?」

   陽光において玄弥の名前を知らないものは居ないため、こういう情報網はすぐに見つかるだろうと思っていたのだが……。

 「お父さん……ついにボケた。」

   幼女、もとい雛は呆れた表情でため息を漏らす。
   理解に苦しむのは玄弥の方であった。

 「お父さん? 俺が? まてまて、俺はまだ未婚だぞ。」

   玄弥は首をかしげるも雛はにっこり笑ってはクスクスと微笑しており、それは天音を彷彿させるような笑顔であった。
   となると母親は誰か言わずもがな、因子を色濃く継いでる訳である。

 「たまには時間を遡るのも悪くはないわね、帰ろうかしら? お父さんをからかえた。」

 「一本とられたな、雛もあっちの天音によろしく頼むぞ。」

   玄弥は雛の頭をポンと撫でるとそのままうっすらと透過しては消えて、光の粒子が空へと舞い上がる。
   誰にも知られることのない未来の七曜神の笑い声は、玄弥の頭の中にかすかに響いた。














二代目の日曜神の雛はあまり両親を色濃く継いでない?
でも、やっぱりどこか似てるんです……家族ですから。
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