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・・・・・数時間後。
「ある程度予想はしていたがまさか、こんな結果になろうとは予想もできなんだ」
「・・だね。私が二日酔いじゃなくても結果はどうなってたか・・・」
今年も夜烏のメンバーが上位陣に羅列されると会場の全員が思っていた、だが、それに反して無名の男女が準決勝の舞台まで登り詰めていた。
準決勝の相手は速水リョウVSセイラン。帝霊山VS夜烏のメンバーの1人だった。
「まさか、転移者同士の戦いになるなんてなぁ」
「同胞同士、手加減なしでいきましょう」
舞台に上がったリョウとセイランはそれだけ言葉を交わすと戦闘態勢に入る。
戦闘開始の鐘が鳴り響くと、両者動き出す。
リョウの能力は加速。自分、又は目に見える無機物や生物に加速を付与させることができる。開始の鐘と同時に、自身に加速を付与してセイランとの距離を一気に詰める。
一方、セイランの能力は神の寵愛。自他共に癒す力を有している。更には、自身の幸運値を最大まで引き上げ、物理的な攻撃を防ぐバリアを張る。
リョウはバリアが展開される前に突撃するがセイランに難なく躱され投げ飛ばされる。
「リョウさん、神々の恩恵にばかり頼るようでは私には勝てませんよ?」
「お前、女のくせに強ぇな。やりがいがあるってもんだ!」
「あら、今時男だ女だなんて、些末な事ですよ?この程度なら私の力を使わずともあなたを完封してみせます」
「あぁそうかよ!」
投げ飛ばされた位置からすぐに距離を詰め、そのままの勢いで膝蹴りを繰り出すが、またも投げ飛ばされる。
「感情のままの雑な突進ですね」
「まだまだぁぁ!」
「次は、ないですよ」
投げた先に距離を詰めていたのはセイランの方だった。着地する前に回し蹴りを繰り出す。
「ガッ・・・‼︎」
闘技場の壁に激突し、背中を強打する。
「・・・女だからですか?私が女だから本気を出さないんですか?」
「・・・本気を出していないのはあんたも同じだろ?互いに探り合いはやめようや」
「・・・・いいでしょう。私が本気を出さないとあなたが本気になれないのなら、私は全力を持って戦わせて頂きます」
スキル発動。神の寵愛を発動すると、セイランの周りに神々しいオーラが纏い付く。
「・・・これは・・・俺もやべぇかもな。加速限界突破、もってくれよ俺の体」
リョウの体から蒸気が発せられ、皮膚が赤黒く変色する。
「・・・まるで獣ね」
「・・・さぁお前のバリアと俺の体、どちらが壊れるか勝負といこうか‼︎」
立ち止まっていたリョウは瞬きする間に距離を詰めていた。走り去った後には衝撃波が発生し、舞台を破壊していた。
「速度=力!」
光速に届くほどの一撃、しかしセイランの展開しているバリアによって、それは阻まれた。
「なんと凄まじい一撃。並の人間なら塵も残さず消滅していたでしょう」
「・・・つまり、あんたは並じゃないって事だ」
連打連打連打と拳でバリアを殴り続けるが一向に割れる気配はない。だが、セイランもまたリョウを目で捉えることはできなかった。
(攻撃されているのは分かる。でも、どこから?)
「なんて硬いんだお前のバリアは」
「あなたこそ、速すぎですよ」
暫くの攻防が続くと、リョウのスピードが次第に遅くなっていく。セイランはそれを見逃さなかった。顔面に向けられた拳を掴み、空高く投げ飛ばした。
「どうやら、我慢対決は私の勝ちみたいですね!」
着地地点に構えるセイランは勝利を確信し、笑みを浮かべる。セイランの大振りの一撃が顔面に直撃する。その寸前、自身が落ちていく速度を加速させる。
「・・・これを待ってたんだ」
リョウは光速に届くほどの一撃を放ち、セイランを吹き飛ばす。更には吹き飛ぶ速度を加速させ、壁に衝突した時のダメージを倍加させる。
「・・・くっ、私を守って!」
すかさず後方にバリアを展開する。しかし、その衝撃までは吸収できずにダメージを負った。セイランは視界がぼやけ、次第に意識を手放してしまった。
「最後の最後じゃないと、あんたに隙は生まれない。あんたの耐久力を信じたからこそ、耐久戦で隙を作ったんだ」
かろうじて保っていたリョウの意識も、勝利の安堵とともに失っていった。
・・・・・数時間後。
「ある程度予想はしていたがまさか、こんな結果になろうとは予想もできなんだ」
「・・だね。私が二日酔いじゃなくても結果はどうなってたか・・・」
今年も夜烏のメンバーが上位陣に羅列されると会場の全員が思っていた、だが、それに反して無名の男女が準決勝の舞台まで登り詰めていた。
準決勝の相手は速水リョウVSセイラン。帝霊山VS夜烏のメンバーの1人だった。
「まさか、転移者同士の戦いになるなんてなぁ」
「同胞同士、手加減なしでいきましょう」
舞台に上がったリョウとセイランはそれだけ言葉を交わすと戦闘態勢に入る。
戦闘開始の鐘が鳴り響くと、両者動き出す。
リョウの能力は加速。自分、又は目に見える無機物や生物に加速を付与させることができる。開始の鐘と同時に、自身に加速を付与してセイランとの距離を一気に詰める。
一方、セイランの能力は神の寵愛。自他共に癒す力を有している。更には、自身の幸運値を最大まで引き上げ、物理的な攻撃を防ぐバリアを張る。
リョウはバリアが展開される前に突撃するがセイランに難なく躱され投げ飛ばされる。
「リョウさん、神々の恩恵にばかり頼るようでは私には勝てませんよ?」
「お前、女のくせに強ぇな。やりがいがあるってもんだ!」
「あら、今時男だ女だなんて、些末な事ですよ?この程度なら私の力を使わずともあなたを完封してみせます」
「あぁそうかよ!」
投げ飛ばされた位置からすぐに距離を詰め、そのままの勢いで膝蹴りを繰り出すが、またも投げ飛ばされる。
「感情のままの雑な突進ですね」
「まだまだぁぁ!」
「次は、ないですよ」
投げた先に距離を詰めていたのはセイランの方だった。着地する前に回し蹴りを繰り出す。
「ガッ・・・‼︎」
闘技場の壁に激突し、背中を強打する。
「・・・女だからですか?私が女だから本気を出さないんですか?」
「・・・本気を出していないのはあんたも同じだろ?互いに探り合いはやめようや」
「・・・・いいでしょう。私が本気を出さないとあなたが本気になれないのなら、私は全力を持って戦わせて頂きます」
スキル発動。神の寵愛を発動すると、セイランの周りに神々しいオーラが纏い付く。
「・・・これは・・・俺もやべぇかもな。加速限界突破、もってくれよ俺の体」
リョウの体から蒸気が発せられ、皮膚が赤黒く変色する。
「・・・まるで獣ね」
「・・・さぁお前のバリアと俺の体、どちらが壊れるか勝負といこうか‼︎」
立ち止まっていたリョウは瞬きする間に距離を詰めていた。走り去った後には衝撃波が発生し、舞台を破壊していた。
「速度=力!」
光速に届くほどの一撃、しかしセイランの展開しているバリアによって、それは阻まれた。
「なんと凄まじい一撃。並の人間なら塵も残さず消滅していたでしょう」
「・・・つまり、あんたは並じゃないって事だ」
連打連打連打と拳でバリアを殴り続けるが一向に割れる気配はない。だが、セイランもまたリョウを目で捉えることはできなかった。
(攻撃されているのは分かる。でも、どこから?)
「なんて硬いんだお前のバリアは」
「あなたこそ、速すぎですよ」
暫くの攻防が続くと、リョウのスピードが次第に遅くなっていく。セイランはそれを見逃さなかった。顔面に向けられた拳を掴み、空高く投げ飛ばした。
「どうやら、我慢対決は私の勝ちみたいですね!」
着地地点に構えるセイランは勝利を確信し、笑みを浮かべる。セイランの大振りの一撃が顔面に直撃する。その寸前、自身が落ちていく速度を加速させる。
「・・・これを待ってたんだ」
リョウは光速に届くほどの一撃を放ち、セイランを吹き飛ばす。更には吹き飛ぶ速度を加速させ、壁に衝突した時のダメージを倍加させる。
「・・・くっ、私を守って!」
すかさず後方にバリアを展開する。しかし、その衝撃までは吸収できずにダメージを負った。セイランは視界がぼやけ、次第に意識を手放してしまった。
「最後の最後じゃないと、あんたに隙は生まれない。あんたの耐久力を信じたからこそ、耐久戦で隙を作ったんだ」
かろうじて保っていたリョウの意識も、勝利の安堵とともに失っていった。
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