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しおりを挟む情報を集めると言っても何からすればいいかな?
とりあえずはこの神殿から出るのが最優先事項だけど、 出口はあるのか? そう思いながら周りを見渡しても神殿内の何処かに繋がっていそうな扉もない。
すると突然、
「おい、貴様らどうやってここに来たのだ?」
後ろを振り向くと、そこには白装束を着ていてフードを被っている小柄な人物がいた。
「誰だ!?」
「私はイルフィナ。貴様らが今いるこの場所の管理をしているものだ」
「管理?どういうことだ?」
「ここは私が管理している神殿だ。そこに無断で侵入したんだ。それなりの覚悟は出来ているんだろうな?」
そういうとイルファナは手に持っている剣を抜き構える。
「ちょ!ちょっと待って!俺達ここに飛ばされて来ただけだって!」
慌ててディアンに助けを求める。
ディアンは顎に手を当てて考え事をしていたようだがすぐに俺の方を向いてくれた。
助けてくれるのか!? と思ったのも束の間、ディアンはイルファナに向かって歩いて行く。
えっ? 俺が困惑している間にディアンはイルファナと会話を始めてしまった。
なんでこんな時にコミュニケーション能力発揮してんだよ! なんて思っているとディアンとイルファナの話が終わってしまった。
終わったってことは交渉成立したってことだよな? 俺はディアンとイルファナの話の内容を聞くべく2人の方へ近づいていく。
ていうかイルファナは神聖力持ちなのか。
「ディアンどうなった?」
「あぁ問題ない。この神殿の出口まで案内してもらう事になった」
「よかった。これで出れるんだな」
「ただ2つ条件がある」
「条件?」
「まず1つ目だが、私が指示を出した時以外は勝手に動かない事」
「うん。それは大丈夫」
「2つ目は私たちの行動を誰にも言わないこと」
「それも大丈夫」
俺が返事を返すとディアンは満足げにうなずき、イルファナに話しかけた。
「それじゃあ早速案内を頼めるか?」
「こちらだ着いてこい」
イルファナは歩き出したのでその後についていく。
神殿内は薄暗く、壁や床は大理石の様な素材でできていて所々崩れていたりもする。
しばらく歩くと奥の方に光が見えてきた。
「あの光が出口なのか?」
「そうだ。さっさと来い」
光の先にあったのはまた別の神殿だった。
さっきまでの古びた神殿とは違い綺麗な作りになっていて、柱などは金色に輝いていた。
「イルファナここは?」
「ここはアルトルティエの創造主である神が祀られている場所だ。アルトルティエには4つの国があってそれぞれ特徴がある。まずここが商業の国オルトロスだ。」
「なるほど。じゃあ次の国は?」
「次は魔法国家ミレニア。ここには魔導師が多く住んでいる。3つ目は軍事国家ガルムだ。ここでは獣人や亜人族が暮らしている。」
「最後の場所は?」
「最後は農業都市アグリス。ここは人間しか住んでいない。」
「そしてそれらの中央にあるのが世界樹ユグドラシルだ」
「世界樹?どんなものなんだ?」
「世界樹は世界の中心にあり、世界を支える木と言われている。世界樹は世界中から魔力を吸い上げており、そのおかげでこの世界の生命を維持しているのだ。そして世界樹を護るのがエルフ族だ」
「イルファナはどこに住んでるんだ?」
「私はこう見えてエルフなのでな世界樹の近くにある世界樹の加護を受けた里に住んでいる」
「そうなのか。まずはどこで情報を集めようか?」
するとディアンが口を開く。
ディアンの話では、神器は神器を持っている者にしか反応しないらしい。
だから神器の情報を集めるなら神器を探している神器使いを見つけて聞くしかないらしい。
「なら人が多そうな商業の国オルトロスに向かうおうか」
「そうだな。あとお前のいた世界にもあったと思うがアヴァロンの構成員にも気をつけろよ」
「わかったよ」
「では私からは以上。」
「イルファナありがとう」
「礼はいい、オルトロスへはこの道をずーっと進めば着く。早く行け」
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