冴えない俺の異世界記

どど

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 扉を開けやどりぎ亭から出てきたのは男達から助けたリオだった。

 「あっ!アルトさん達…」

 「どうしてリオがここに?というかここの店員さんだったの!?」

 「はい、私このお店は両親が経営していて、私はここで働いているんです。」

 「そうだったんだ。」

 「さっきは本当にありがとうございました。」

 「いや、当然のことをしただけだよ」

 「あの、もしお時間があれば、お食事でもしながら少し話しませんか?」

 「うん、良いけど。」

 話していると料理が運ばれて来た。出てきたのはこの世界の肉料理だ。
 食べながら色んな話をした。
 彼女は18歳で両親はオルトロスで宿屋を経営しており、普段は宿屋で働いてるらしい。

 「アルトさん達は何ランクの探索者なんですか?」

 「まだ登録して間もないからランクはアイアンだよ。」

 「僕はシルバーだね」

 「そうなんですね、ではランクアップを目指して頑張って下さいね!」

 「おう!」

 食事を済ませた後、俺達はリオの両親に挨拶をしたら空いてる部屋を助けたお礼と言い無償で貸してくれた。

ーー

 俺達はしばらく薬草採取のクエストを午前中に達成しながら午後は訓練所で槍の練習を始めた。
 最初は慣れなかったが、何度も繰り返していくうちに少しずつ上手くなっていった。
 因みに槍の先生はディアンだったり探索者ギルドの講師にお金を払って教えて貰っている。
 ディアンに異界の力を貰ったからか俺には神聖力の適性が他よりも高いみたいで神聖力を槍に流す練習を繰り返した。
 そんなある日、冒険者のランクが上がっていることに気がついた。
 アイアンからブロンズになると所謂初級ダンジョンに挑めるようになった。
 ブロンズ級になった俺はルベルトと一緒にダンジョンに挑むことにした。

 「いよいよダンジョンに挑戦するのか」

 「緊張してるのアルト?」

 「そうかもな」

 モンスターと初めて会うから心のどこかで緊張している。
 ダンジョンの入り口は街外れにある洞窟の中にあった。
 入口前は探索者で賑やかになっている。
 いざ中に入ってみるとダンジョンの中は薄暗く、ところどころ壁や床が崩れている。

 「このダンジョンはどんな特徴があるの?」

 「ここはアンデッド系の魔物が多く出現するよ」

 ダンジョンを進んで行くとスケルトンに遭遇した。

 「よしっ!いくぞ!!」

 まずは先制攻撃としてルベルトがスキルを放つ。

 『ライトニング』

 雷属性の初級魔法を繰り出せば、直撃を受けたスケルトンは粉々になって崩れ落ちた。
 続けて俺が攻撃を仕掛ける。
 2人で買いに行った槍に神聖力を流していく。すると、淡い光を放ち始めた。
 そのまま一気に距離を詰めると槍を一閃させる。
 スケルトンの身体はバラバラになり消滅した。

 「おぉー1発か、練習したかいがあったな」
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