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第九章
続・魔界の生成AI ~ムーラン・ルージュと清涼殿~
しおりを挟む神楽坂で絵里と明日香をタケシに下賜した社長は、その足で壺中庵へと向かった。
淫斎は『消たマタハリの首~間諜X27号~』を書き終えたところであった。
壺中庵などと古色蒼然とした名を付けているが、ありふれたマンションの一室。
二十世紀初頭の欧州で最も名高いプロスティテュート、すなわち高級売春婦である
マタ・ハリの秘写真が壁を飾るのが淫斎の書斎らしいと言えば言えるが・・・・。
この物語の本筋ではないが、この掌編を紹介してみよう。
* * * *
マタ・ハリの本名はマルハレータ。
アムステルダムで生まれた美しい娘である。
生家の破産によりダンサーになり家計を助けていた。
ダンサーというよりはストリッパーという方が正しいだろう。
その類い稀な美貌と蠱惑的な踊りを売り物に花の都・パリに打って出る。
たちまち歓楽街第一のキャバレー、ムーラン・ルージュで人気最高の踊り子に。
聖ヨハネの首を切り取ったサロメを思わせる姿で舞台に現れ、その衣装を一枚脱ぎ
また一枚脱ぎ落し・・・オメコまで晒していくマタ・ハリを一目見ようと、
ムーラン・ルージュはパリジャンたちで立錐の余地も無かったという。
その秘部も露わなマタ・ハリの秘写真が数十枚も今に伝わっている。
撮影技術が未だ未完成の時代である。
マタ・ハリの秘写真はムーラン・ルージュでの舞姿を撮ったものではない。
照明設備の整ったスタジオでマタ・ハリはオメコまで曝した。
艶然と流し目を送るマタ・ハリの秘部をライトがクッキリ浮かび上がらせていた。
この絶世の美女と一度でもいいからオメコしたいという紳士貴顕は後を絶たない。
マタ・ハリは紳士貴顕とオメコを重ねた。
時あたかも第一次世界大戦の真っ最中。独軍と仏軍の死闘が続いていた。
しかし、赤い風車(ムーラン・ルージュ)のネオンが消えることは無かった。
マタ・ハリが、フタマタ・ハリになったのが運の尽き。
敵対する両国の大臣や将軍とオメコしていたのが発覚したのだ。
マタ・ハリは二重スパイの嫌疑をかけられ、フランス当局により銃殺される。
淫斎の書斎も飾る秘写真を残し、儚くも刑場の露と消えたのであった。
* * * *
「おや、社長。いいところに来たな。小生の方から訪ねようと思っていたのだ」
「それは良かった。どんな御用件で?」
「長年、じっくり見てみたいと思っていた、さる大名家が秘蔵している名画を、
しばらく貸してもらえることになったのじゃ。お前にも見せてやりたくてな」
「それは是非、拝ませていただかないと・・・」
淫斎が大事そうに持ちだしたのは、いかにも年代ものと思われる桐の箱。
絵巻物らしきものを取り出す。
「・・・小柴垣草紙といって、平安末期の宮中の大スキャンダルを描いたものだ」
淫斎が絵巻の最初の部分をそっと開く。
宮殿の廊下に十二単姿の美しい姫が立っていた。
その視線の先には弓を手にした凛々しい若武者の姿。
「この姫君は斎宮でな・・・・」
「・・・サイグウ?」
「伊勢神宮で天照大御神に仕える姫、皇族の処女から選ばれる・・・」
「・・・何が起こるのか想像はつきますが、男の方は?」
「宮中でも最も重要な清涼殿の警護役、この時代は武士の位は低いから廊下にさえ
上がることは厳禁なのじゃが・・・」
淫斎がゆっくり絵巻を開いていく。
淫斎が絵巻を開くごとに、決してしてはならないオメコ姿が現れていく。
斎宮が十二単を開いてオメコを見せ、若武者を誘惑する絵。
若武者が廊下の下から廊下の上の斎宮のオメコを舐める絵。
若武者が廊下の下から廊下の上の斎宮のオメコにハメる絵。
廊下に上がった若武者が斎宮に被さってオメコにハメる絵。
廊下の柱にしがみついた斎宮の足を掲げオメコにハメる絵。
後ろから若武者が斎宮にハメたままで清涼殿を這い進む絵。
斎宮が若武者の上になって口を吸いあいオメコを続ける絵。
斎宮と若武者の緒芽弧を覗きながら女官がオメコを弄る絵。
この場面と次の場面の間に詞書がついていた。
『押しはだけ奉りてけ、舌を挿し入れてねぶり回すに、つび(オメコ)はものの
心なかりければ、淫ら水のやうなるものを吐かせかけ給ひき・・・・・』
つまりは、若武者が斎宮のオメコに舌を挿し込んで舐め回すさまを、女官が盗み見
していると、斎宮がオメコから汐を噴き上げ、若武者の顔にかけた訳である。
そして・・・・・・
若武者が斎宮を膝の上に乗せ抱き締め、チンボをオメコに突っ込む絵。
最後に・・・・・・
若武者がオメコを舐め、斎宮がチンボを咥え、清涼殿を転がり回る絵。
帝と血を同じくする斎宮と、身分卑しき若武者のシックスナインで、平安王朝の
オメコ絵巻きは淫乱豪華な幕を閉じるのであった。
「いやはや、やんごとなき御方も大変なものですねえ。恐れ入りました」
「うむ。小柴垣草紙は他にも幾つかあるが、出来栄えはこれが一番じゃ・・・・
ところで社長、何用でこんなむさ苦しいところにやってきたのか?」
「老先生の『消えたマタハリの首』を拝読していて思うところがありまして」
「どんなことじゃ?」
「老先生が、戦争指導者の愚劣さに踏み込んだ!と感じ入りましてね・・・・」
冗談の多い社長が真顔になり、威儀を正した・・・・・
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