女殺し油煙の地獄(二十五周年カップ参加作品のハードコア版)

中井春一郎

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終章

女殺し油煙の地獄 ~連合艦隊とおいらん~

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   ♬ 入りくる 黒船 スッポン スッポン~


         ♬ 大砲(オオヅツ)小砲(コヅツ)を鳴らしたもんだい~


               ♬ 丸山 ぶうら、ぶら~


 北条冴子主演・国際共同製作『嵐の幕末性交外交』のオープニングシーンはすでに

撮影が始まっていた。

 ポルノとはいえ国際共同製作。

 長崎のグラバー邸とその庭園で一大ロケーションが敢行されたのだ。

 性交外交の舞台は幕末の長崎。

 純日本美人だけではなく、オランダ商館員の落とし種、金髪で青い眼の姐さんや、

清国密貿易船で売り飛ばされてきた中国娘など、この地でしか手に入らない花魁で、

円山遊郭は江戸の吉原を遥かに凌ぐ賑わいを見せていた。

 時あたかもイギリス・フランス・ロシア、そしてアメリカ軍が長州藩を砲撃する、

まさに前夜である。

 英・仏・蘭・米、四か国連合艦隊の緊急入港でひときわ活況を呈していた。

 いずれ劣らぬ美貌の遊女の群れが英・仏・蘭・米の将兵を迎え撃つ。


       寄ってらっしゃい兄さん!

             カムカム、エブリバディ!

                      ニィ~ハァオ~!

 
 いつしか桜吹雪もはらはらと、円山遊女が群れ集まってくる。

 「プリイ~ズ!プリイ~ズ!ファック、ミー!!ファック、ミー!!」

 異人の兵隊さんも鉄砲投げ捨て、濡れ魔羅ひっさげ駄々走る。

 「オウ~!キレイ、ゲイシャガール、ネエ~!!」

 屋敷のなかでも、廊下の隅でも、果てはお庭の木陰でも・・・・

 あちらで一組、

 「ファック、ミ~!スッポン!!」

 こちらで二組、

 「スポスポ、スッポン!ファック、ミ~!ファック、ミ~!!」

 大砲、小砲を打ち鳴らしての大乱交。


 しかし、冴子が演じるのは日本一とその名も高き花魁太夫。

 降るアメリカに袖は濡らさじと見栄を切ったのだが・・・・

 幕府御老中様、海軍奉行様、長崎港警護役の佐賀・鍋島藩と福岡・黒田藩、両藩の

お殿様がうち揃っての平身低頭。

 日本国を救うため、遂に袖を濡らすことになったのだ。

         *     *     *      *

 闇の中から艶っぽい三味線の音が聞こえてきた。

 行灯がひとつ、またひとつと灯っていく。

 花魁太夫の唄う声がしだいに近づいてくる。


    ♪ 逢うて別れて 別れて逢うて 千切れ千切れの雲みればあ~

        (色鮮やかな花魁衣装が、はらり一枚・・・)

    ♪ 恋しゆかしの一声は わたしゃ松虫 主はまたあ~

        (またはらり、にまい 、さんまいと・・・)

    ♪ 空吹く風の呑気さよ~ 男ごころはむごたらしい~

         (仄かに赤い、薄物いちまいに・・・)

    ♪ 憎くうう~ なるほど 憎くいぞええ~



 かくして、オープニングシーンは幕を閉じていく。

 撮影現場を湯けむりの里の離れ座敷へと移し、冴子演じる日本の名花・花魁太夫の

マダム・バタフライが、英・仏・露・蘭・米の連合艦隊の、各国将軍四人と、一人で

相まみえる血戦の舞台にのぼっていくのである。



      
























 




 

 


 

   
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