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しおりを挟む屋敷に戻ると、手の傷で服が汚れている事に気が付いた
傷は治癒能力ですぐ治し、お風呂に入ることにした
「ラン、貴方もお風呂に入らない?」
「主が望むのなら共に。」
ランを小さくして、一緒にお風呂に入る
なんて大きいお風呂なんだろう、、銭湯のお風呂くらい大きい
ランが犬かきをして楽しそうに泳いでいる
「ラン。今日はほんとに色々な事があったねぇ。私が魔力持ちっていうのも未だにピンとこないもの。絵本にあった魔法使いのようなものなのかな?」
「魔力持ちは大抵の物を創造出来る。故に能力を使って人助けをする者もいれば悪事に使う者もいる。主程の魔力であれば世界征服くらい出来そうだがな」
ククク。と悪戯な笑みを浮かべるラン
ランの頬を軽く引っ張りながら
「私は平凡に暮らせればいいのー」
と呟く
暫くランと雑談して、ランの毛と自分の髪の毛を能力で乾燥させ
ネグリジェに着替えベッドに潜る
「こんなフカフカなベッド初めてだー。すぐ眠れそう」
ランと共にベッドで眠りにつく
翌朝
コンコンとノックの音で目覚める
「はーい。どうぞ」
むくりと起き上がり返事をする
「失礼致します。ユキ様、朝食の準備が整いました。お着替えもお持ちしました」
メイドさん達が数人ぞろぞろと入ってきて、断る暇もなく着替えとヘアセットをされる
「うわぁ!凄い!どこかのお嬢様みたい、、」
鏡に映る自分を見て他人を見ているようだ。淡いピンクのドレスに髪はクルクルとカールをかけられている
服は自分で用意出来るのだが、私の知っている服にしか着替えられないのでこの世界のドレスを持ってきて貰えて正直助かった
「さぁ、旦那様と奥様がお待ちです。ご案内致しますね」
ランを抱っこしてメイドさんの後ろについていくと、昨日の夕食をとった部屋とは違う部屋だった
「本日の朝食は旦那様が良い天気なのでテラスで済ませたいとの事でしたのでこちらへどうぞ」
テラスへ続く扉を開けた瞬間庭園に咲く花の匂いがふわりと私を包み込んだ
「ユキ、おはよう。よく眠れたかい?」
「はい!ぐっすり眠ってしまいました。」
「ハハハ。それは良かった!」
「ユキ、これからどうする予定なの?何処へ向かうか決めていたりするのかしら」
「いえ、、とりあえず住める所を探して職も探さなきゃなぁとは考えているのですが」
「その件についてな、フェリアと昨晩話し合ったのだが。ユキ、君さえ良ければ私達の家で過ごさないか?」
「え、それはご迷惑をおかけしすぎます!」
「迷惑だなんて考えていないわ。私達には見ての通り子供がいなくてね。貴方さえ良ければ私達の娘になってくれないかしら」
「そうだ。私達は君と、ユキと家族になりたいと思ったんだ。勿論命を救われたという感謝の気持ちもあるが、君が流した涙を見て私達も君を守りたいと思ったんだ」
「か、ぞく、、?私なんかを、、家族に、、?」
「私なんか、じゃないわ。私達は今までにも子供を養子にと考えた事は何度もあったの。でも血の繋がりがない子をどうしても愛せる自信がなくて。でもユキを見て、守りたい笑顔にしてあげたいと思ったの。これがきっと愛情というものなのね」
喋りたいのに涙が止まらない
嗚咽が止まらず、俯いてしまう
2人が席をたち両側から私の手を握ってくれる
「戸惑いはあると思う。だが、君の優しい性格なら聖女として悪用しようとする者達の魔の手にもかかってしまいそうで私達は心配なのだ。」
「わ、私を、家族と呼んでくれるの、ですか?娘と、呼んで、、くれるのですか」
「あぁ。可愛い私達の娘。」
フェリアさんがハンカチで私の涙を拭い、キツく抱きしめてくれる
「ユキ、貴方は大事な家族よ。今日から私達が貴方を守るわ」
こんな暖かい言葉をかけられた事はない
家族なんていなかった
両親を亡くしてから愛情なんて貰った事は1度もなかった
「私の、お父さんとお母さんになってくれるのですかッウッウッ」
「あぁ。あぁ。私が、ユキの父となり。フェリアはユキの母だ。」
気付けばダリオスさんとフェリアさんも涙を流し私を抱き締めてくれた
「主。私の事も忘れるな!」
膝の上からぴょんぴょんジャンプするランを見て、クスクスと3人で笑い出す
「さぁ、すっかり朝食が冷めてしまった。食べる事にしよう!」
「えぇ、そうね。ほらほら。泣き止んで。可愛い顔が台無しよ」
「ふふふ、ありがとうございます。本当に。感謝してもしきれない、、」
「おや、家族になったのだから敬語なんて使わないでくれ。距離があって父は寂しいぞ」
「あ、え、えっと。ありがとう、お父様、お母様」
照れ臭いが、この世界ではきっとお父さんお母さんよりはお父様お母様と呼んだ方がいいだろう
「私達に、、娘が出来るなんて、、グスッ」
お母様が再び涙目になる
「フェリア、涙を拭け。家族3人初めての朝食だ!笑顔で過ごそうじゃないか!」
「えぇ、それでは頂きましょう!」
3人で食べた朝食は、涙の味もして少ししょっぱかったけど昨日の夕食よりも、もっともっと美味しかった
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