王子の心を溶かすのは、、?

s@y@

文字の大きさ
9 / 12

9

しおりを挟む








屋敷に戻ると、手の傷で服が汚れている事に気が付いた
傷は治癒能力ですぐ治し、お風呂に入ることにした










「ラン、貴方もお風呂に入らない?」










「主が望むのなら共に。」











ランを小さくして、一緒にお風呂に入る
なんて大きいお風呂なんだろう、、銭湯のお風呂くらい大きい
ランが犬かきをして楽しそうに泳いでいる











「ラン。今日はほんとに色々な事があったねぇ。私が魔力持ちっていうのも未だにピンとこないもの。絵本にあった魔法使いのようなものなのかな?」













「魔力持ちは大抵の物を創造出来る。故に能力を使って人助けをする者もいれば悪事に使う者もいる。主程の魔力であれば世界征服くらい出来そうだがな」











ククク。と悪戯な笑みを浮かべるラン











ランの頬を軽く引っ張りながら
「私は平凡に暮らせればいいのー」
と呟く











暫くランと雑談して、ランの毛と自分の髪の毛を能力で乾燥させ
ネグリジェに着替えベッドに潜る













「こんなフカフカなベッド初めてだー。すぐ眠れそう」











ランと共にベッドで眠りにつく











翌朝
コンコンとノックの音で目覚める











「はーい。どうぞ」










むくりと起き上がり返事をする










「失礼致します。ユキ様、朝食の準備が整いました。お着替えもお持ちしました」












メイドさん達が数人ぞろぞろと入ってきて、断る暇もなく着替えとヘアセットをされる











「うわぁ!凄い!どこかのお嬢様みたい、、」










鏡に映る自分を見て他人を見ているようだ。淡いピンクのドレスに髪はクルクルとカールをかけられている
服は自分で用意出来るのだが、私の知っている服にしか着替えられないのでこの世界のドレスを持ってきて貰えて正直助かった












「さぁ、旦那様と奥様がお待ちです。ご案内致しますね」











ランを抱っこしてメイドさんの後ろについていくと、昨日の夕食をとった部屋とは違う部屋だった












「本日の朝食は旦那様が良い天気なのでテラスで済ませたいとの事でしたのでこちらへどうぞ」












テラスへ続く扉を開けた瞬間庭園に咲く花の匂いがふわりと私を包み込んだ












「ユキ、おはよう。よく眠れたかい?」










「はい!ぐっすり眠ってしまいました。」











「ハハハ。それは良かった!」











「ユキ、これからどうする予定なの?何処へ向かうか決めていたりするのかしら」











「いえ、、とりあえず住める所を探して職も探さなきゃなぁとは考えているのですが」












「その件についてな、フェリアと昨晩話し合ったのだが。ユキ、君さえ良ければ私達の家で過ごさないか?」











「え、それはご迷惑をおかけしすぎます!」











「迷惑だなんて考えていないわ。私達には見ての通り子供がいなくてね。貴方さえ良ければ私達の娘になってくれないかしら」











「そうだ。私達は君と、ユキと家族になりたいと思ったんだ。勿論命を救われたという感謝の気持ちもあるが、君が流した涙を見て私達も君を守りたいと思ったんだ」













「か、ぞく、、?私なんかを、、家族に、、?」











「私なんか、じゃないわ。私達は今までにも子供を養子にと考えた事は何度もあったの。でも血の繋がりがない子をどうしても愛せる自信がなくて。でもユキを見て、守りたい笑顔にしてあげたいと思ったの。これがきっと愛情というものなのね」












喋りたいのに涙が止まらない
嗚咽が止まらず、俯いてしまう












2人が席をたち両側から私の手を握ってくれる










「戸惑いはあると思う。だが、君の優しい性格なら聖女として悪用しようとする者達の魔の手にもかかってしまいそうで私達は心配なのだ。」











「わ、私を、家族と呼んでくれるの、ですか?娘と、呼んで、、くれるのですか」











「あぁ。可愛い私達の娘。」









フェリアさんがハンカチで私の涙を拭い、キツく抱きしめてくれる










「ユキ、貴方は大事な家族よ。今日から私達が貴方を守るわ」










こんな暖かい言葉をかけられた事はない
家族なんていなかった
両親を亡くしてから愛情なんて貰った事は1度もなかった











「私の、お父さんとお母さんになってくれるのですかッウッウッ」











「あぁ。あぁ。私が、ユキの父となり。フェリアはユキの母だ。」









気付けばダリオスさんとフェリアさんも涙を流し私を抱き締めてくれた










「主。私の事も忘れるな!」









膝の上からぴょんぴょんジャンプするランを見て、クスクスと3人で笑い出す










「さぁ、すっかり朝食が冷めてしまった。食べる事にしよう!」











「えぇ、そうね。ほらほら。泣き止んで。可愛い顔が台無しよ」










「ふふふ、ありがとうございます。本当に。感謝してもしきれない、、」











「おや、家族になったのだから敬語なんて使わないでくれ。距離があって父は寂しいぞ」









 
「あ、え、えっと。ありがとう、お父様、お母様」












照れ臭いが、この世界ではきっとお父さんお母さんよりはお父様お母様と呼んだ方がいいだろう











「私達に、、娘が出来るなんて、、グスッ」










お母様が再び涙目になる










「フェリア、涙を拭け。家族3人初めての朝食だ!笑顔で過ごそうじゃないか!」











「えぇ、それでは頂きましょう!」











3人で食べた朝食は、涙の味もして少ししょっぱかったけど昨日の夕食よりも、もっともっと美味しかった













しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のない、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 【ご報告】 2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。 また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。 引き続きよろしくお願いいたします。

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...