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第22話 ー修行・第三段階ー ~快楽と支配の境界~
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再び王宮地下の修練室。二度目、三度目と足を踏み入れても、この場所は慣れることがない。今日は特に空気が異様だった。部屋全体が熱を帯びており、肌に触れる空気さえ生き物のように蠢いている。
影の王女が玉座に座り、片肘をついてレイジを見下ろしていた。黒のドレスは以前よりも大胆に肌を見せ、女王としての威圧感と女としての妖艶さがより強調されている。「おはよう、レイジ。準備はできている?」
「ああ……やる。」レイジは短く答えたが、その声の奥には緊張が滲んでいた。
王女は笑みを深めた。「いい返事ね。今日からは第三段階。あなたの精神だけでなく、肉体の本能も完全に解き放つわ。魔王と対峙するには、欲望すら武器に変えなければならない。」
その言葉に合わせて、左右から双姫が現れた。リュミエルは淡い青の衣装に身を包み、氷のような瞳でレイジを射抜く。「また私があなたの心を試すわ。」
カリーネは対照的に、胸元が大きく開いた艶やかな黒装束を着て、挑発的に腰をくねらせた。「ふふ、今回はもっと楽しいことになるわよ。」
「……覚悟はしてる。」レイジは深く息を吐き、台座の中央へ歩み出た。
王女は軽く指を鳴らした。床に刻まれた魔法陣が強く光り、修練室全体に重圧のような魔力が満ちる。空気が濃くなり、呼吸さえ苦しい。だが、それ以上に甘く痺れるような快感が全身を包み込み、膝が自然と揺らいだ。
「感じるでしょう?」王女が囁く。「これは魔王の支配の一端。あなたがどれだけ耐えられるか、私たちが見極める。」
リュミエルが歩み寄り、冷たい指でレイジの頬をなぞった。「抗う必要はない。……でも、屈することも許さないわ。」
カリーネは後ろから抱きつき、耳元で囁く。「今日はいっぱい可愛がってあげるから、楽しみにしてなさい。」
レイジは歯を食いしばった。(これが……第三段階……! でも、負けない。絶対に!)
王女の声が響いた。「さあ、始めましょう――快楽と支配の境界を超える修行を。」
リュミエルが前に出ると、室内の温度が一気に下がったように感じた。氷の女王とも呼ぶべき冷たい美貌が、今は一層鋭さを帯びている。
「レイジ。あなたは自分をコントロールできているつもりでいる。でもそれは幻想。」
淡々とした声に不思議な重みがある。「本当のあなたを、私が引きずり出してあげる。」
彼女がそっと両手をレイジのこめかみに当てた瞬間、冷たさが頭蓋に突き刺さり、意識が深い闇に落ちていった。
(っ……また、あの感覚……!)
次の瞬間、レイジは自分の記憶の世界にいた。血に染まった戦場、逃げるしかなかった日々、剣を握っても誰も救えなかった悔しさ。次々と過去の自分が現れては責め立ててくる。
「やめろ……!」叫んでも、声は虚空に吸い込まれるだけ。
リュミエルの声が響く。「直視しなさい。あなたは弱い。だからこそ、強さを求めるのでしょう?」
次の瞬間、情景が変わる。戦場ではなく、暗い部屋。そこには無数の女性の影が現れ、レイジを取り囲む。影は彼を誘惑し、絡みつき、支配しようとする。
「これがあなたの欲望。あなたの心は支配と服従の狭間で揺れている。」リュミエルの声がさらに深く侵入し、理性を溶かす。
「違う……俺は……!」
否定するが、体は正直に反応してしまう。心の奥底にある支配欲と快楽への渇望が、影に形を与えていた。
「あなたがそれを否定する限り、魔王には勝てない。」リュミエルが囁く。冷たい唇が幻の中でレイジの耳に触れ、強烈な電流のような快感が脳を走る。
「っ……ああ……!」思わず膝が折れそうになる。
「快楽を拒むな。支配される恐怖を恐れるな。それを受け入れ、自分のものにするの。」リュミエルの声は甘く、残酷だ。
闇が収束し、意識が現実に戻る。レイジは汗だくになって膝をつき、荒い呼吸を繰り返していた。
「まだ立てる?」リュミエルが挑発的に問いかける。
レイジは歯を食いしばり、力強く頷いた。「……当然だ。」
「いいわ。」リュミエルが微笑んだ。その瞳には、初めてわずかな満足の色が浮かんでいた。
リュミエルが後退すると、今度はカリーネが軽やかな足取りでレイジの前に立った。艶やかな黒装束が揺れ、谷間と太腿が惜しげもなく露わになる。
「お疲れさま、レイジくん。心はボロボロでしょ? じゃあ次は体の番ね。」
挑発的な笑みを浮かべ、彼の顎を指先で持ち上げた。「でも安心して。気持ちよくしてあげるから。」
そのまま彼を床に押し倒し、自分は跨るように腰を下ろす。「ほら、力抜いて。抵抗しても無駄だよ?」
レイジは反射的に手を伸ばすが、次の瞬間、足首と手首に魔力の鎖が絡みつき、完全に拘束された。
「ちょっ……!」
「ふふ、可愛い声。」カリーネは楽しそうに笑い、首筋を舌で舐める。「ねぇ、こうされるとどう感じる? 屈辱? それとも少し……気持ちいい?」
レイジは歯を食いしばり、声を出すまいとする。しかし、カリーネの指先が鎖骨から胸筋、そして下腹部へと滑り落ちると、呼吸が乱れ、思わず呻き声が漏れた。
「やっぱり、こっちのほうが正直だね。」耳元で囁かれ、ぞくりと背筋が震える。羞恥と快感がないまぜになり、意識が霞んでいく。
「ほら、もっと素直になっていいんだよ?」カリーネは腰を軽く動かし、体温を押し付けてくる。その圧倒的な支配感に、レイジの全身が熱を帯びた。
(これは……訓練だ……訓練なんだ……!)必死に理性を保とうとするが、魔力の鎖と彼女の巧妙な手つきが、その思考すら溶かしていく。
「魔王はもっと凄いわよ。私のこれなんて前菜。……でもね、あなたなら耐えられるかも。」カリーネの瞳が妖しく光る。
その言葉が、レイジの心を再び奮い立たせた。(……そうだ。俺はこんなところで屈するわけにはいかない!)
拘束されながらも、レイジは目だけでカリーネを睨み返した。「……俺は、まだ終わらない。」
「ふふっ、いい目ね。じゃあもっと楽しませてあげる。」カリーネはさらに身体を密着させ、羞恥と快楽の狭間で彼を追い詰め続けた。
カリーネがゆっくりと立ち上がり、レイジを解放した。息を荒げて膝をつく彼に、影の王女が歩み寄る。彼女の纏う漆黒のドレスはまるで夜そのもののようで、近づくたびに周囲の光を奪っていくかのようだった。
「よく耐えたわね、レイジ。」王女は微笑み、彼の顎を指先で持ち上げる。「でも――まだ深みに達していない。」
王女が額に触れると、再び意識が闇に沈んだ。
次の瞬間、漆黒の広間に立っていた。そこには前回も見た玉座がある。だが、今回は違った。玉座に座る女――魔王が、はっきりとした形でレイジの前に存在していた。
長い銀髪が波のように揺れ、紫紺の瞳がまっすぐレイジを射抜く。深紅のドレスは体の曲線を強調し、その存在感は美と恐怖が紙一重で同居している。
「また来たのね、勇者。」その声は甘く響き、抗えぬ支配が込められている。
「お前が……魔王……。」レイジは剣に手を伸ばす――が、動かない。身体は完全に支配されていた。
魔王は微笑み、玉座から立ち上がる。歩み寄るたびに床が闇に溶けていく。「まだまだ未熟ね。私の前に立つには、あなたの意志はあまりにも脆い。」
「俺は……屈しない……!」レイジは歯を食いしばるが、その声さえ震えていた。
「屈しない? ふふ……なら証明してみせて。」魔王が指先をレイジの胸に触れた瞬間、体の奥深くまで甘い熱が流れ込み、脳を焼く。
「っ……!」
「気持ちいいでしょう?」彼女の囁きが耳を侵し、理性を削っていく。「これがほんの一滴。深淵に沈めば、あなたは永遠に私のもの。」
甘美な恐怖に飲み込まれそうになりながらも、レイジは必死に意識をつなぎ止めた。(俺は……俺だ……! ここで屈したら……!)
「面白い。」魔王は妖艶に笑い、レイジの額に唇を寄せた。「もっと強くなってから来なさい。そうしたら――あなたを完全に壊してあげる。」
その囁きが最後に残り、意識が現実へと引き戻された。
修練室で目を覚ますと、王女が満足げに微笑んでいた。「あれが魔王よ。絶望を与える者であり、同時に抗えぬ快楽をもたらす存在。」
レイジは膝をついたまま、拳を握りしめた。(必ず……あいつを屈服させる!)
王女が頷く。「その決意、忘れないで。修行はまだ続く。深淵は、あなたを待っているわ。」
影の王女が玉座に座り、片肘をついてレイジを見下ろしていた。黒のドレスは以前よりも大胆に肌を見せ、女王としての威圧感と女としての妖艶さがより強調されている。「おはよう、レイジ。準備はできている?」
「ああ……やる。」レイジは短く答えたが、その声の奥には緊張が滲んでいた。
王女は笑みを深めた。「いい返事ね。今日からは第三段階。あなたの精神だけでなく、肉体の本能も完全に解き放つわ。魔王と対峙するには、欲望すら武器に変えなければならない。」
その言葉に合わせて、左右から双姫が現れた。リュミエルは淡い青の衣装に身を包み、氷のような瞳でレイジを射抜く。「また私があなたの心を試すわ。」
カリーネは対照的に、胸元が大きく開いた艶やかな黒装束を着て、挑発的に腰をくねらせた。「ふふ、今回はもっと楽しいことになるわよ。」
「……覚悟はしてる。」レイジは深く息を吐き、台座の中央へ歩み出た。
王女は軽く指を鳴らした。床に刻まれた魔法陣が強く光り、修練室全体に重圧のような魔力が満ちる。空気が濃くなり、呼吸さえ苦しい。だが、それ以上に甘く痺れるような快感が全身を包み込み、膝が自然と揺らいだ。
「感じるでしょう?」王女が囁く。「これは魔王の支配の一端。あなたがどれだけ耐えられるか、私たちが見極める。」
リュミエルが歩み寄り、冷たい指でレイジの頬をなぞった。「抗う必要はない。……でも、屈することも許さないわ。」
カリーネは後ろから抱きつき、耳元で囁く。「今日はいっぱい可愛がってあげるから、楽しみにしてなさい。」
レイジは歯を食いしばった。(これが……第三段階……! でも、負けない。絶対に!)
王女の声が響いた。「さあ、始めましょう――快楽と支配の境界を超える修行を。」
リュミエルが前に出ると、室内の温度が一気に下がったように感じた。氷の女王とも呼ぶべき冷たい美貌が、今は一層鋭さを帯びている。
「レイジ。あなたは自分をコントロールできているつもりでいる。でもそれは幻想。」
淡々とした声に不思議な重みがある。「本当のあなたを、私が引きずり出してあげる。」
彼女がそっと両手をレイジのこめかみに当てた瞬間、冷たさが頭蓋に突き刺さり、意識が深い闇に落ちていった。
(っ……また、あの感覚……!)
次の瞬間、レイジは自分の記憶の世界にいた。血に染まった戦場、逃げるしかなかった日々、剣を握っても誰も救えなかった悔しさ。次々と過去の自分が現れては責め立ててくる。
「やめろ……!」叫んでも、声は虚空に吸い込まれるだけ。
リュミエルの声が響く。「直視しなさい。あなたは弱い。だからこそ、強さを求めるのでしょう?」
次の瞬間、情景が変わる。戦場ではなく、暗い部屋。そこには無数の女性の影が現れ、レイジを取り囲む。影は彼を誘惑し、絡みつき、支配しようとする。
「これがあなたの欲望。あなたの心は支配と服従の狭間で揺れている。」リュミエルの声がさらに深く侵入し、理性を溶かす。
「違う……俺は……!」
否定するが、体は正直に反応してしまう。心の奥底にある支配欲と快楽への渇望が、影に形を与えていた。
「あなたがそれを否定する限り、魔王には勝てない。」リュミエルが囁く。冷たい唇が幻の中でレイジの耳に触れ、強烈な電流のような快感が脳を走る。
「っ……ああ……!」思わず膝が折れそうになる。
「快楽を拒むな。支配される恐怖を恐れるな。それを受け入れ、自分のものにするの。」リュミエルの声は甘く、残酷だ。
闇が収束し、意識が現実に戻る。レイジは汗だくになって膝をつき、荒い呼吸を繰り返していた。
「まだ立てる?」リュミエルが挑発的に問いかける。
レイジは歯を食いしばり、力強く頷いた。「……当然だ。」
「いいわ。」リュミエルが微笑んだ。その瞳には、初めてわずかな満足の色が浮かんでいた。
リュミエルが後退すると、今度はカリーネが軽やかな足取りでレイジの前に立った。艶やかな黒装束が揺れ、谷間と太腿が惜しげもなく露わになる。
「お疲れさま、レイジくん。心はボロボロでしょ? じゃあ次は体の番ね。」
挑発的な笑みを浮かべ、彼の顎を指先で持ち上げた。「でも安心して。気持ちよくしてあげるから。」
そのまま彼を床に押し倒し、自分は跨るように腰を下ろす。「ほら、力抜いて。抵抗しても無駄だよ?」
レイジは反射的に手を伸ばすが、次の瞬間、足首と手首に魔力の鎖が絡みつき、完全に拘束された。
「ちょっ……!」
「ふふ、可愛い声。」カリーネは楽しそうに笑い、首筋を舌で舐める。「ねぇ、こうされるとどう感じる? 屈辱? それとも少し……気持ちいい?」
レイジは歯を食いしばり、声を出すまいとする。しかし、カリーネの指先が鎖骨から胸筋、そして下腹部へと滑り落ちると、呼吸が乱れ、思わず呻き声が漏れた。
「やっぱり、こっちのほうが正直だね。」耳元で囁かれ、ぞくりと背筋が震える。羞恥と快感がないまぜになり、意識が霞んでいく。
「ほら、もっと素直になっていいんだよ?」カリーネは腰を軽く動かし、体温を押し付けてくる。その圧倒的な支配感に、レイジの全身が熱を帯びた。
(これは……訓練だ……訓練なんだ……!)必死に理性を保とうとするが、魔力の鎖と彼女の巧妙な手つきが、その思考すら溶かしていく。
「魔王はもっと凄いわよ。私のこれなんて前菜。……でもね、あなたなら耐えられるかも。」カリーネの瞳が妖しく光る。
その言葉が、レイジの心を再び奮い立たせた。(……そうだ。俺はこんなところで屈するわけにはいかない!)
拘束されながらも、レイジは目だけでカリーネを睨み返した。「……俺は、まだ終わらない。」
「ふふっ、いい目ね。じゃあもっと楽しませてあげる。」カリーネはさらに身体を密着させ、羞恥と快楽の狭間で彼を追い詰め続けた。
カリーネがゆっくりと立ち上がり、レイジを解放した。息を荒げて膝をつく彼に、影の王女が歩み寄る。彼女の纏う漆黒のドレスはまるで夜そのもののようで、近づくたびに周囲の光を奪っていくかのようだった。
「よく耐えたわね、レイジ。」王女は微笑み、彼の顎を指先で持ち上げる。「でも――まだ深みに達していない。」
王女が額に触れると、再び意識が闇に沈んだ。
次の瞬間、漆黒の広間に立っていた。そこには前回も見た玉座がある。だが、今回は違った。玉座に座る女――魔王が、はっきりとした形でレイジの前に存在していた。
長い銀髪が波のように揺れ、紫紺の瞳がまっすぐレイジを射抜く。深紅のドレスは体の曲線を強調し、その存在感は美と恐怖が紙一重で同居している。
「また来たのね、勇者。」その声は甘く響き、抗えぬ支配が込められている。
「お前が……魔王……。」レイジは剣に手を伸ばす――が、動かない。身体は完全に支配されていた。
魔王は微笑み、玉座から立ち上がる。歩み寄るたびに床が闇に溶けていく。「まだまだ未熟ね。私の前に立つには、あなたの意志はあまりにも脆い。」
「俺は……屈しない……!」レイジは歯を食いしばるが、その声さえ震えていた。
「屈しない? ふふ……なら証明してみせて。」魔王が指先をレイジの胸に触れた瞬間、体の奥深くまで甘い熱が流れ込み、脳を焼く。
「っ……!」
「気持ちいいでしょう?」彼女の囁きが耳を侵し、理性を削っていく。「これがほんの一滴。深淵に沈めば、あなたは永遠に私のもの。」
甘美な恐怖に飲み込まれそうになりながらも、レイジは必死に意識をつなぎ止めた。(俺は……俺だ……! ここで屈したら……!)
「面白い。」魔王は妖艶に笑い、レイジの額に唇を寄せた。「もっと強くなってから来なさい。そうしたら――あなたを完全に壊してあげる。」
その囁きが最後に残り、意識が現実へと引き戻された。
修練室で目を覚ますと、王女が満足げに微笑んでいた。「あれが魔王よ。絶望を与える者であり、同時に抗えぬ快楽をもたらす存在。」
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