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第8話 ー魔道学院実地訓練課程ー 〜淫耐テストは通過儀礼〜
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淫魔寮の食堂にて、レイジは目の前の推薦状を睨んでいた。
『次回任務候補:魔道学院 実地訓練課程(性的耐性および対魔力行動訓練)』
その文字列を五回は読み返したが、どこにも冗談や比喩の余地はなかった。
「いやいや……なんで“性的耐性”って文字が任務に入ってんだよ……」
頭を抱えるレイジの前に、湯気の立つスープ皿をぽんと置いたのはリリアだった。
「おめでとう、レイジ。これで名実ともに“性耐候補生”の仲間入りね」
「いや、誇らしげに言うなよ。お前のせいでこうなった気しかしないんだけど」
「そうかしら? あの任務で見せた耐久力、評価されて当然よ。バジリスクの発情波を浴びて耐え抜いた男なんて、普通いないわ」
そのセリフを聞いた周囲の淫魔寮生たちが「きゃー!」「あれほんとだったんだ!」とざわめく。レイジはスープ皿で顔を覆った。
そんなこんなで数日後、レイジは魔道都南区にある『アモラス魔道学院』へと足を踏み入れた。
この学院は王立直属の教育機関でありながら、その課程の中に“性にまつわる魔力訓練”を導入している特殊な場所だった。国の公式文書上では「身体精神耐性の向上」や「魔力循環の訓練」と記されているが、実際のところは淫魔系職種を志望する者たちの登竜門のような位置づけである。
巨大なアーチ状の門をくぐると、校庭には多数の学生たちが制服姿で行進していた。男女比は明らかに女性が多く、そのどれもが豊満かつ自信に満ちた肉体を揺らしながら歩いていた。
「もう帰っていいか……?」
呟くレイジに、背後からリリアが声をかけた。
「ダメよ。これは必要な試練なの。性魔導師として、ランクアップしたいんでしょ?」
「俺はそんな肩書き望んでない!」
渋るレイジを無理やり学院内へ押し込むと、案内役の教師らしき女性が現れた。肩までの銀髪に知性を感じさせる眼鏡をかけた女性で、名札には『講師:シエナ・ヴァルキリア』と書かれていた。
「ようこそ、アモラス魔道学院へ。あなたが推薦状の対象者ですね。テストは三段階、すべて実地形式です。なお、抵抗は“評価の対象”になります」
「強制かよ!!」
こうして、魔道学院での訓練が始まった。
第一段階は“精神耐性測定”。装置によって一定の淫気波を脳に流し、その影響を計測するというもの。
レイジは透明な円形カプセルの中に通され、耳に特殊なイヤーパッドを装着された。スピーカーからは女の吐息混じりの声、ささやき、淫語が脳内をくすぐるように流れ込んでくる。
「ふぁ……やめろ……脳がむずがゆい……」
この間、視界には艶めいたイメージ映像が流れ続け、画面に映る女性たちがしなやかに微笑み、レイジを見下ろしてくる。全方向から浴びせられる誘惑と淫語のシャワーに、レイジの理性は次第に削られていった。
『現在状態:精神耐性70%→52%→44%……』
「くそ……スライムのときよりえげつねぇ……」
だが、レイジは耐え抜いた。
第二段階、“対接触刺激訓練”。これは要するに、肉体的な誘惑に耐えるテストである。
レイジは上半身裸で椅子に座らされ、目隠しをされる。視界を奪われた状態で、どこからか優しい手が忍び寄り、肩を撫で、耳元をくすぐるような吐息が吹きかけられる。
「……誰だ!? どっから触って……」
くすくすと女性の笑い声。
「これはあくまで“テスト”よ。スキル発動を防ぐために、魔力も抑制中。逃げられないわ」
首筋から腰、太ももへと移動する指の感触は、確実にレイジの集中を削っていく。
『状態:性感反応値 上昇中』
「こっちの数値化やめてくれ……!」
第三段階、“対魔力誘惑戦シミュレーション”。これは、指定された相手と模擬戦闘を行いながら、その中で誘惑や精神干渉を交えた魔法攻撃に対抗する訓練である。
相手は学院の上級生、フェリシア・ブラッドローズ。血のような赤髪と、ヴィーナス像を思わせるプロポーションの持ち主だった。
「ふふ、君が例の“耐久スライム君”ね。ちょっと期待してるわ」
「やめてくれ、その呼び名は……」
模擬戦場に立ったフェリシアは、両手に螺旋状の魔力をまとわせる。
「私の“魔力快感波”、耐えられるかしら?」
フェリシアの指先から放たれた魔弾が、レイジに命中すると、全身を駆け抜けるような微電流と快感が走った。
「くっ……! こ、この感覚、麻痺と……快楽の……同時……っ!」
だが、ここで得意の“精神抵抗”スキルが自動発動。ギリギリで立ち上がり、逆にフェリシアの隙を突いて防御結界を展開する。
「やるじゃない……でも、これでどう?」
フェリシアは上着のボタンを一つ外し、柔らかな胸元に自らの魔力を集中させる。その蠱惑的な動きそのものが、魔力となって押し寄せてくるのだ。
「裸になるだけが誘惑じゃないのよ。動き、表情、匂い……そういうの全部、私の武器」
魔力と肉体の融合たる戦術に、レイジの体は再び痺れたが──
「……っ! 馬鹿にすんなよ、俺の耐久舐めるなっ!」
彼は気合とともに最後の防壁を展開し、フェリシアの波状攻撃を受け流した。
戦闘終了後、判定は──引き分け。
「まさか互角とは……面白いわ、レイジ君。次は私の部屋で……再試験しない?」
「それ、ぜってー本番やる気だろ!?」
こうして、魔道学院での実地訓練課程は無事終了。
レイジのステータスには新たに“精神耐性+1”“接触抵抗Lv1”が加わり、性魔導師としてまた一歩進化したのだった──。
だが次なる任務は、さらに理不尽かつ刺激的なものだった。
『次回任務:セクシーサキュバス領の和平交渉使節団同行』
レイジの試練は、終わらない。
『次回任務候補:魔道学院 実地訓練課程(性的耐性および対魔力行動訓練)』
その文字列を五回は読み返したが、どこにも冗談や比喩の余地はなかった。
「いやいや……なんで“性的耐性”って文字が任務に入ってんだよ……」
頭を抱えるレイジの前に、湯気の立つスープ皿をぽんと置いたのはリリアだった。
「おめでとう、レイジ。これで名実ともに“性耐候補生”の仲間入りね」
「いや、誇らしげに言うなよ。お前のせいでこうなった気しかしないんだけど」
「そうかしら? あの任務で見せた耐久力、評価されて当然よ。バジリスクの発情波を浴びて耐え抜いた男なんて、普通いないわ」
そのセリフを聞いた周囲の淫魔寮生たちが「きゃー!」「あれほんとだったんだ!」とざわめく。レイジはスープ皿で顔を覆った。
そんなこんなで数日後、レイジは魔道都南区にある『アモラス魔道学院』へと足を踏み入れた。
この学院は王立直属の教育機関でありながら、その課程の中に“性にまつわる魔力訓練”を導入している特殊な場所だった。国の公式文書上では「身体精神耐性の向上」や「魔力循環の訓練」と記されているが、実際のところは淫魔系職種を志望する者たちの登竜門のような位置づけである。
巨大なアーチ状の門をくぐると、校庭には多数の学生たちが制服姿で行進していた。男女比は明らかに女性が多く、そのどれもが豊満かつ自信に満ちた肉体を揺らしながら歩いていた。
「もう帰っていいか……?」
呟くレイジに、背後からリリアが声をかけた。
「ダメよ。これは必要な試練なの。性魔導師として、ランクアップしたいんでしょ?」
「俺はそんな肩書き望んでない!」
渋るレイジを無理やり学院内へ押し込むと、案内役の教師らしき女性が現れた。肩までの銀髪に知性を感じさせる眼鏡をかけた女性で、名札には『講師:シエナ・ヴァルキリア』と書かれていた。
「ようこそ、アモラス魔道学院へ。あなたが推薦状の対象者ですね。テストは三段階、すべて実地形式です。なお、抵抗は“評価の対象”になります」
「強制かよ!!」
こうして、魔道学院での訓練が始まった。
第一段階は“精神耐性測定”。装置によって一定の淫気波を脳に流し、その影響を計測するというもの。
レイジは透明な円形カプセルの中に通され、耳に特殊なイヤーパッドを装着された。スピーカーからは女の吐息混じりの声、ささやき、淫語が脳内をくすぐるように流れ込んでくる。
「ふぁ……やめろ……脳がむずがゆい……」
この間、視界には艶めいたイメージ映像が流れ続け、画面に映る女性たちがしなやかに微笑み、レイジを見下ろしてくる。全方向から浴びせられる誘惑と淫語のシャワーに、レイジの理性は次第に削られていった。
『現在状態:精神耐性70%→52%→44%……』
「くそ……スライムのときよりえげつねぇ……」
だが、レイジは耐え抜いた。
第二段階、“対接触刺激訓練”。これは要するに、肉体的な誘惑に耐えるテストである。
レイジは上半身裸で椅子に座らされ、目隠しをされる。視界を奪われた状態で、どこからか優しい手が忍び寄り、肩を撫で、耳元をくすぐるような吐息が吹きかけられる。
「……誰だ!? どっから触って……」
くすくすと女性の笑い声。
「これはあくまで“テスト”よ。スキル発動を防ぐために、魔力も抑制中。逃げられないわ」
首筋から腰、太ももへと移動する指の感触は、確実にレイジの集中を削っていく。
『状態:性感反応値 上昇中』
「こっちの数値化やめてくれ……!」
第三段階、“対魔力誘惑戦シミュレーション”。これは、指定された相手と模擬戦闘を行いながら、その中で誘惑や精神干渉を交えた魔法攻撃に対抗する訓練である。
相手は学院の上級生、フェリシア・ブラッドローズ。血のような赤髪と、ヴィーナス像を思わせるプロポーションの持ち主だった。
「ふふ、君が例の“耐久スライム君”ね。ちょっと期待してるわ」
「やめてくれ、その呼び名は……」
模擬戦場に立ったフェリシアは、両手に螺旋状の魔力をまとわせる。
「私の“魔力快感波”、耐えられるかしら?」
フェリシアの指先から放たれた魔弾が、レイジに命中すると、全身を駆け抜けるような微電流と快感が走った。
「くっ……! こ、この感覚、麻痺と……快楽の……同時……っ!」
だが、ここで得意の“精神抵抗”スキルが自動発動。ギリギリで立ち上がり、逆にフェリシアの隙を突いて防御結界を展開する。
「やるじゃない……でも、これでどう?」
フェリシアは上着のボタンを一つ外し、柔らかな胸元に自らの魔力を集中させる。その蠱惑的な動きそのものが、魔力となって押し寄せてくるのだ。
「裸になるだけが誘惑じゃないのよ。動き、表情、匂い……そういうの全部、私の武器」
魔力と肉体の融合たる戦術に、レイジの体は再び痺れたが──
「……っ! 馬鹿にすんなよ、俺の耐久舐めるなっ!」
彼は気合とともに最後の防壁を展開し、フェリシアの波状攻撃を受け流した。
戦闘終了後、判定は──引き分け。
「まさか互角とは……面白いわ、レイジ君。次は私の部屋で……再試験しない?」
「それ、ぜってー本番やる気だろ!?」
こうして、魔道学院での実地訓練課程は無事終了。
レイジのステータスには新たに“精神耐性+1”“接触抵抗Lv1”が加わり、性魔導師としてまた一歩進化したのだった──。
だが次なる任務は、さらに理不尽かつ刺激的なものだった。
『次回任務:セクシーサキュバス領の和平交渉使節団同行』
レイジの試練は、終わらない。
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