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第12話 ー淫魔王宮・合同訓練ー ~教官は受難のはじまり~
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夜明けの淫魔王宮は、いつにも増してざわめいていた。艶闘の結果、双姫による共同統治が決まったことで、王宮内外は安堵と混乱の入り交じった空気に包まれている。淫魔族の臣下たちは、新たな主君の姿を一目見ようと広場に集まり、華やかな香の煙が朝の空気に混じっていた。
そんな中、レイジは朝から胃の痛みを覚えていた。
『任務:淫魔王宮・合同訓練講師派遣──対象:双姫+親衛隊』
「……講師ってなんだよ。俺、教えられることなんてねぇぞ……」
そうぼやきながらも、リリアに引っ張られるまま訓練場へと向かう。そこは大理石の床が広がる広大なホールで、壁には妖艶な彫像が並び、香炉からは甘く刺激的な香が漂っていた。見るからに“戦闘と官能の融合”を目的とした場であることがわかる。
そこに待ち構えていたのは、双姫と、その親衛隊十名。彼女たちはただの護衛ではない。魔術と体術を極めた淫魔族の精鋭であり、肉体そのものが武器のような存在感を放っていた。全員が黒や紅の布を最低限だけ身にまとい、戦闘と誘惑の両方に適応した装いをしている。
「おはよう、ラグ教官。」
リュミエル姫が涼しい顔で微笑む。その隣で、カリーネ姫が無邪気に手を振る。
「今日からは“先生”って呼ばなきゃね♪」
「やめろ……嫌な予感しかしねぇ……」
初日のメニューは“魔力干渉耐性の強化”。本来なら精神集中の訓練だが、淫魔流のやり方は違った。
「では、実演ね。」
リュミエルが手をかざすと、訓練場全体が妖しい光に包まれた。空間全体に微細な快感波が散布され、参加者の理性をじわじわ削っていく。足元の床からも魔力が伝わり、立っているだけで体が火照る。
「これが私たちの“通常戦場”。耐えられなければ死ぬ。」
カリーネが続けて、レイジに腰をくねらせながら近づく。
「ねぇ、教官。どうやって耐えればいいのか、体で教えてよ?」
挑発するような視線に、親衛隊の面々までがくすくす笑いながら近づいてくる。彼女たちが放つ魔力はまるで触手のようにレイジの体にまとわりつき、擬似的な接触感覚を与えてくる。
(おいおい、これ、全員で俺を実験台にしてんじゃねぇか!?)
訓練は過激さを増し、双姫と親衛隊が交互にレイジに干渉し、その耐久力を測るという名目の“総攻撃”が始まった。触れられていないのに、背中を撫でられているような錯覚。耳元で囁く声が脳髄を揺らし、足腰に力が入らなくなっていく。
「ほら、もっと集中しなきゃ。耐えられない?」
「先生って案外、顔に出るんだね♡」
挑発と干渉が重なり、視界が白む。だが、レイジは魔道学院で得た精神耐性をフル稼働させ、必死で耐え抜いた。
「……っ、まだだ! 俺は……教官だろ……!」
気迫で押し返したレイジに、親衛隊の一人が小声で囁いた。
「この男……面白い。」
その瞬間、場の空気が変わった。訓練はただの模擬戦から、“彼を試す選別の場”へと変貌していったのだ。親衛隊の表情が一様に鋭くなり、本気の魔力干渉を解き放ち始める。
「ほぉ、ここまで耐えるとは思わなかったわ。」
リュミエルが腕を組み、感心したように呟く。
カリーネは満面の笑みを浮かべてレイジの頬を指でなぞる。
「次はもっとすごいの、教えてあげるね。」
訓練後、双姫がレイジに告げた。
「あなた、ただの教官じゃ終わらないわね。次は……“王宮決闘会”に参加してもらうわ。」
「は!? なんで俺が!?」
レイジの受難は、新たな舞台──淫魔王宮の権力闘争へと続く。
そんな中、レイジは朝から胃の痛みを覚えていた。
『任務:淫魔王宮・合同訓練講師派遣──対象:双姫+親衛隊』
「……講師ってなんだよ。俺、教えられることなんてねぇぞ……」
そうぼやきながらも、リリアに引っ張られるまま訓練場へと向かう。そこは大理石の床が広がる広大なホールで、壁には妖艶な彫像が並び、香炉からは甘く刺激的な香が漂っていた。見るからに“戦闘と官能の融合”を目的とした場であることがわかる。
そこに待ち構えていたのは、双姫と、その親衛隊十名。彼女たちはただの護衛ではない。魔術と体術を極めた淫魔族の精鋭であり、肉体そのものが武器のような存在感を放っていた。全員が黒や紅の布を最低限だけ身にまとい、戦闘と誘惑の両方に適応した装いをしている。
「おはよう、ラグ教官。」
リュミエル姫が涼しい顔で微笑む。その隣で、カリーネ姫が無邪気に手を振る。
「今日からは“先生”って呼ばなきゃね♪」
「やめろ……嫌な予感しかしねぇ……」
初日のメニューは“魔力干渉耐性の強化”。本来なら精神集中の訓練だが、淫魔流のやり方は違った。
「では、実演ね。」
リュミエルが手をかざすと、訓練場全体が妖しい光に包まれた。空間全体に微細な快感波が散布され、参加者の理性をじわじわ削っていく。足元の床からも魔力が伝わり、立っているだけで体が火照る。
「これが私たちの“通常戦場”。耐えられなければ死ぬ。」
カリーネが続けて、レイジに腰をくねらせながら近づく。
「ねぇ、教官。どうやって耐えればいいのか、体で教えてよ?」
挑発するような視線に、親衛隊の面々までがくすくす笑いながら近づいてくる。彼女たちが放つ魔力はまるで触手のようにレイジの体にまとわりつき、擬似的な接触感覚を与えてくる。
(おいおい、これ、全員で俺を実験台にしてんじゃねぇか!?)
訓練は過激さを増し、双姫と親衛隊が交互にレイジに干渉し、その耐久力を測るという名目の“総攻撃”が始まった。触れられていないのに、背中を撫でられているような錯覚。耳元で囁く声が脳髄を揺らし、足腰に力が入らなくなっていく。
「ほら、もっと集中しなきゃ。耐えられない?」
「先生って案外、顔に出るんだね♡」
挑発と干渉が重なり、視界が白む。だが、レイジは魔道学院で得た精神耐性をフル稼働させ、必死で耐え抜いた。
「……っ、まだだ! 俺は……教官だろ……!」
気迫で押し返したレイジに、親衛隊の一人が小声で囁いた。
「この男……面白い。」
その瞬間、場の空気が変わった。訓練はただの模擬戦から、“彼を試す選別の場”へと変貌していったのだ。親衛隊の表情が一様に鋭くなり、本気の魔力干渉を解き放ち始める。
「ほぉ、ここまで耐えるとは思わなかったわ。」
リュミエルが腕を組み、感心したように呟く。
カリーネは満面の笑みを浮かべてレイジの頬を指でなぞる。
「次はもっとすごいの、教えてあげるね。」
訓練後、双姫がレイジに告げた。
「あなた、ただの教官じゃ終わらないわね。次は……“王宮決闘会”に参加してもらうわ。」
「は!? なんで俺が!?」
レイジの受難は、新たな舞台──淫魔王宮の権力闘争へと続く。
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