オーバードライブ ・エロス〜性技カンストの俺が魔王をイカせるまで帰れない世界〜

ぽせいどん

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第13話 ー王宮決闘会ー ~艶闘の渦に呑まれて~

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 淫魔王宮の夜は、昼とは異なる顔を見せる。広間の天井から吊るされた巨大なシャンデリアが虹色の光を放ち、壁面に並ぶ彫像が生きているかのように見える。淫魔族の決闘会は、単なる武の競い合いではない。肉体と精神、官能と魔術、あらゆる要素を総動員した“艶闘”だ。敗者は恥と快楽を同時に刻まれ、勝者は権力と支配をその場で手にする。

 レイジは決闘会の控室で、額に汗を滲ませていた。

 『任務:淫魔王宮決闘会の陪席および試練参加』

「試練参加って何だよ……俺、ただの冒険者だぞ……!」

 リリアが呆れ顔で肩をすくめた。

「もう諦めなさいよ。あんた、前回の訓練で“面白い男”って思われたのよ。あの双姫と親衛隊の前で耐えたんだから当然でしょ。」

「耐えたっていうか、ギリギリ気絶しなかっただけだろ!」

 そうぼやきながらも、レイジは装備を確認する。王宮側が用意した戦闘服は、軽装の魔力繊維の服。だがそのデザインは肩や胸元が大きく露出し、まるで舞台衣装のようだった。

(いやこれ……完全に観客ウケ狙いじゃねぇか……)

 そうして迎えた本番。決闘場は巨大な円形闘技場で、観客席には淫魔族の貴族や王宮関係者がずらりと並んでいる。視線ひとつとっても、圧がすごい。双姫はそれぞれ玉座のような席に座り、開会の宣言を待っていた。

 司式官が立ち上がり、場に響く声で告げる。

「これより、淫魔王宮決闘会を始める! 本会の趣旨は、王宮の新体制を支える実力者の選抜と、来賓の試練である!」

 ざわめきが広がる中、リュミエルが立ち上がった。

「レイジ。あなたには“外の者”として、我らの基準を知ってもらう必要がある。試練は三段階。耐え抜けば、王宮の名誉客人として認められるわ。」

「耐え抜けなかったら?」

「その時は……愉しませてもらうだけ。」

 次女カリーネが妖艶に笑い、指を鳴らす。闘技場の床が開き、複数の試練用フィールドが浮かび上がった。空間ごとに異なる魔術的結界が張られており、それぞれが異なる“淫魔の試練”を意味している。

 第一試練──精神干渉迷宮。

 レイジが足を踏み入れた途端、視界が歪み、甘い香りが肺を満たした。幻影の中で、リュミエルとカリーネが彼を呼ぶ。二人が左右から囁き、唇が触れそうな距離で誘惑する。

(くっ……これ、精神攻撃か……! ここで飲まれたら終わりだ……!)

 魔道学院で得た精神耐性を総動員し、理性を保ちながら進む。汗が頬を伝い、心拍数が跳ね上がる。だが彼は、辛うじて出口の光を掴んだ。

 第二試練──接触感覚戦。

 円形の台座に立たされたレイジの周囲を、親衛隊の四人が取り囲む。触れられていないのに、指先が肌を這うような感覚が走る。空気ごと魔力で操る“非接触責め”だった。

「ほら、力を抜いて。楽になればいいの。」

 囁きとともに魔力が腰から背中、首筋へと移動し、レイジの体を痺れさせる。

(これ……戦闘というより、拷問に近い……!)

 耐久限界ギリギリで防御魔力を発動し、快感の奔流を押し返した瞬間、試練の幕が下りた。

 第三試練──艶闘の場。

 中央の舞台で待っていたのは、双姫だった。二人が同時に結界の中へ入り、レイジに向かって微笑む。

「さあ、ここからは本当の戦いよ。」

 魔力が弾け、結界内は紅と黒の光に染まる。二人の動きは優雅で、しかし一切の容赦がなかった。甘い言葉、鋭い視線、肌が触れるか触れないかの距離で繰り出される精神干渉。レイジは必死に受け流すが、一撃ごとに理性が削れていく。

 観客席からざわめきと歓声が上がる中、レイジは歯を食いしばり、立ち続けた。

「……まだ……終わってねぇ!」

 防御と反撃の魔力を重ね、ついに双姫の干渉を中和することに成功した。

 司式官が宣言する。

「試練、達成!」

 場が沸き立つ。双姫も口元に笑みを浮かべ、同時に言った。

「やっぱり面白いわね、あなた。」

「次は……もっと深いところまで付き合ってもらうわ。」

 その瞬間、レイジは悟った。王宮決闘会は終わったが、ここからが本当の試練の始まりだということを──。
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