置き去りの恋

善奈美

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暁×雪兎編

06 危険人物(響也視点)

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 アカに連れてこられたのは、お洒落なカフェ風のレストランだった。扉にはcloseと表示されてる。昼前だし、まだ、開いてないんじゃねぇの。
 
 躊躇いない感じで扉開けるし、いいのかよ。
 
「おかえり。遅かったな」
「……」
 
 店内から掛けられた声は、受け入れる挨拶。此処、アカの知り合いの店なのか。
 
「何かあった?」
 
 アカの頭が頷いたように見えた。ユキを気遣うように店内に招き入れてもらって、改めて店内を視界に入れた。決して広くない店内。でもさ、居心地良さそう。
 
「……彼奴等か?」
 
 アカは無言で頷いてて、ユキの腕を取った。当然ユキは体を震わせた。仕方ない。危ない目にあったんだからさ。アカも気にしてないのか、すっと腕を離した。
 
「そのままだったら、帰れないよ服、貸すから」
 
 ユキの瞳は不安だって訴えて、俺を見たけどさ、でも、アカにユキを託した。確かに、あのまま帰ったら、ある意味、姉貴とお袋の餌食だよ。
 
 二人をただ見送って、俺、これからどうしろって言うんだよ。
 
「君は暁の友達?」
 
 いきなり声掛けられて、神経が逆立った。
 
「警戒しなくても大丈夫だよ。とって喰いやしない」
 
 いや、見た感じ穏やかだけどさ、この人、多分、アカ以上に怖えよ。直感だけどな。
 
「何時も暁がお世話になってるね。俺はあの子の兄で貴羅だよ」
 
 人当たり良く話しかけてくっけど、さっきの連中知ってるってことは、あれだろう。若い時、やんちゃした感じなんだろう。マジ勘弁。
 
「うん。その警戒心。君は響也君かな。で、暁と一緒に上に行ったのは雪兎君だね」
 
 なんか、怖え。マジ怖え。背中、ザワザワする。なんだよこれ。クスッと笑われて、更に鳥肌立ったよ!
 
「凄いね。わかるんだ。俺の本性」
 
 分かるなんてもんじゃねぇよ。此奴、野獣だ。善良そうに見えて、絶対、危険人物だ。関わっちゃ、駄目な感じだよ!
 
「うん。でも、暁の大事な人には何もしないから、とりあえず、座ってよ」
 
 勧められたのは、カウンター席。ゾワゾワが収まらないけどさ、突っ立ってるのも莫迦みたいだし、素直に座った。すぐ出されたのは、コーヒーとケーキ。店やってるくらいだし、毒はないよな?
 
「凄い警戒心。面白いね、君」
 
 ジットリ、背中を汗が流れるよ。しかも、自然に、本能がやばいって言ってるし。うう、帰りてぇ。
 
「暁は、俺のせいで、あんなになっちゃったんだよね」
 
 言われた言葉に、思わず顔上げた。穏やかに微笑んでるんだけど、瞳の中が、傷付いてる。そんな感じかしたんだ。
 
「うん。暁が懐いたわけがわかった。納得だよ」
 
 何を言われたのか、俺、分からなかった。
 
 
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