置き去りの恋

善奈美

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暁×雪兎編

19 艶※(雪兎視点)

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 体内に侵入してきた異物感。痛みはなかったんだけど、座薬を刺した時のような感じが、不快だった。でも、前を刺激されて、頭に霞がかかっていて、暁が何かを探すように、少しずつ奥に向かって進んでくる。
 
 さっき、一人にされた時は凄く不安で、今までが夢だと勘違いしたんだ。熱が……、一瞬で冷めた気がした。でも、それは違っていて、僕を労わるためだった。
 
 でもね、不安だったんだけど、暁の姿にちょっと笑っちゃったんだ。だって、裸で、反応させたまま歩き回るって、普通しないでしょう? しかも、バスタオルを敷くとか。僕、終わった後にシーツを取り替えるは聞いたけど、最初に対応するのは聞いてなかった。
 
「……ひぃうっ」
 
 体が自然と逃げを打ちそうになった。暁の長い指が何かに触れた。触れた瞬間、体が自然に反応した。僕の意思じゃない。暁はその反応に勘付いたように、そこばかり、試すように触れてくる。
 
「……あ、や……、そこ、イヤっ!」
 
 触れてくる度、熱が籠もる。どんなに息をしても追いつかない。何に触れたのかは分かる。分かりたくなくても、しっかり、頭は認識してる。前立腺、普通にマッサージとかもあるって、これは、美和さんが嬉々として教えてくれたから。
 
 キョウとは絶対にありえなかったし、こんな感情を抱くなんて、あの時は考えたこともなかったから。あり得ないで片付けていた。頭が感覚に負けてる。そう思った。
 
「雪兎、凄く艶っぽい」
 
 いきなり耳元に降ってきた声。僕は脚を開いた状態で暁に解されていたから、気が付かなかった。指は僕のそこを解してるのに、僕自身に絡みついていた手が解かれてた。その事に、全く、気が付かなかった。それくらい、強烈な感覚なんだ。
 
 耳元にあった唇。それが首筋に降りてきた。舐められて、吸い付かれて、素直に体が跳ねた。暁から放たれている気配が、僕なんかよりずっと色っぽくて、艶っぽいと思う。初めてだって言うけど、初めてで、こんなに躊躇いなく出来るものなの?!
 
「や……ぁ、そこ……ばっかり、いじらっ……」
「ん……、それは無理かな。ここ触ると、雪兎の中がヤバイくらい熱くなって、柔らかくなって、俺の指に吸い付いてくるし」
 
 やっぱり、暁は言葉で攻めて来てる! 恥ずかしいことばっかり言ってくる……。僕も中の指をしゃぶってる感覚はあったりするんだけど。無意識だから!
 
「分かる? もう、三本も飲み込んでるの。指を開いたら、空気が入ってくる感覚があるでしょう?」
 
 そう言われて、いきなり、アナルを広げられた。中より冷たい空気が入り込んでくる。痛くはないけど、そこがジンワリ重たい感じになっていて、麻痺してるかのように、暁の動きに喜んでる。
 
「雪兎、凄い。ヤバイくらい」
「……もっ、やだっ! 僕……ばっかり!」
 
 一際、強く前立腺を刺激された。体が跳ねて、思いっきり仰け反った。暁に胸を見せ付けるような形になって、色付いてるそこに吸い付かれた。
 
「あ……、ぁんっ……、ふぅっ!……」
 
 声、抑えられない。後ろが、ジンジンして、体の奥が焦れてる。足りないって、もっと、奥に欲しいって。おかしいと思うのに、僕の思考なんて無視して、体が勝手に暴走を始めてる。
 
「雪兎、挿れたい」
 
 胸を愛撫していた暁が、欲情を宿した視線を僕に向けた。切羽詰まったように眉を寄せて、艶を含んだ声音が、僕の脳を侵していく。僕も、もう、限界。奥が疼いて、仕方がないの。
 
「雪兎を感じたい」
 
 溜め息の様に、吐き出された声。掠れていて、凄く色を含んでいる。僕の体を高めていた動きが全て停止してる。ジッと見つめられて、視線が僕を愛撫してる。その視線だけで、体の中に熱が溜まる。僕は、こくり、と唾液を飲み込んだ。
 
「……、僕も欲しい」
 
 恥ずかしいけど、自分の右手を暁の指を受け入れている場所に伸ばした。指先に触れたのは暁の指の根元。そして、広げられるだけ広げられた僕の肉襞。
 
「ここに……頂戴。暁の……熱くて……硬くて……大きいもの……」
 
 凄く恥ずかしかった。でも、それ以上に暁が欲しかった。離れて行ってしまうと、あの時抱いた絶望と恐怖に比べたら、恥ずかしさなんて大したことじゃない。
 
「計算じゃないところが、本当にタチが悪い」
 
 ズルリと抜けて行く感覚が、肌を粟立たせた。体内から消えていった圧迫感が寂しいと、そこが訴えているようにヒクヒク疼いているのが分かる。
 
「僕に……暁の全部、頂戴……」
 
 言った瞬間、性急な唇が僕の唇を塞いだ。激しく絡まり合う舌に、次に来るであろう衝撃を期待するように、体内が激しく疼いたことが分かった。
 
 
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