置き去りの恋

善奈美

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02 ピアス01♦︎00(暁視点)

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■貴羅×響也、オモイが溢れてくる終了後、暁が目撃した響也の左耳に関するお話です。



 キョウを見て直ぐに気が付いた。左耳によく見たことのある石のピアス。どうして、簡単に見えたかといえば、キョウに問題がある。何故なら、ピンで髪を留めているから。
 
「ピアス開けたの?」
 
 キッと睨み付けてきた。俺、何もしてないんだけど。
 
「マーキングされたんだよ! いきなり、バチンだ!」
 
 ああ、兄さんの仕業ね。で、どうして髪をピンで留めてるのかな? しかも、可愛い花柄のヤツ。
 
「どうして髪なんて留めてるの? しかも、そんな可愛らしいヤツ」
「好きでしてるんじゃねぇ! うち帰ったら、お袋に留められたんだよ!」
 
 よくよく話を聞いたら、ピアス自体は怒られなかったらしい。キョウの姉も開けてんだって。ただ、開けた時期が夏だから、髪で密閉していたら蒸れるだろうって。つまり、キョウを心配してのことらしい。でも、何で花柄?
 
「普通のピン留めあるんだよ。でもさ、何故かこれ付けられて、可愛いとか……。息子に言うかよ」
 
 確かに無駄に似合ってるね。あ、雪兎も似合うかも。今度、使ってみよう。
 
「兄さん、本当にキョウを気に入ってるんだね。そのピアス。欲しがってる女の人、たくさんいたの知ってるから」
 
 プラチナのブルーダイヤのピアス。俺も実物は宝飾店のショーウィンドウくらいでしか見たことなかったし。それ付けてる兄さんって、ある意味凄いよね。理由が使ってても濁らないから。で、普通のダイヤじゃなくてブルーダイヤなのは青い石が好きだから。単純発想。
 
「そうなのか?」
「天然のものってあんまり売ってない筈だよ。人工的に青くしたのは売ってるけどね。女の人って、好きでしょう。宝石」
 
 キョウの眉間に皺寄った。
 
「だから姉貴が煩かったのかよ」
「欲しがったの?」
 
 首を横に振ったね。別の意味で煩かったの? 理由は?
 
「やっぱり、年上の働いてる男。プレゼントの質が違う。詳しく教えろって! まだ、やってねぇって!」
「……やってないの?」
 
 あら。意外。絶対、完食されたと思ってた。
 
「抱き枕にされただけ」
 
 更に意外。本当に気に入ったんだ。まあ、キョウの感じだと、手を出すのも大変そう。
 
「あのさ。本人にはっきり訊けなかったんだけどよ。このピアス、高いんだろう?」
「詳しくは分からないよ。でも、多分だけど、三桁」
「三桁!?」
「落とさないようにね」
「ゼロが六の三桁?」
「そう。安い車なら買えると思うけど」
 
 顔が青冷めてる。分からなくないけどね。
 
「かえ……」
「外したら怒られるんじゃないの?」
 
 付けたのは兄さんなんだろうし。キョウ、あの人の金銭感覚、常人と違うから覚悟が必要。早く慣れてね。
 
 
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