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17 過去の置き土産(暁視点)
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初めて雪兎の両親に会った時、父親の方に見覚えがあるような気がした。気がしただけで、本当に会っているとかいうのではなくて。
雪兎と同じ独特の髪色と瞳の色。何より、雪兎は父親を写し取った容姿だった。母親は逆に可愛らしいと表現した方がいい。ふんわりとした雰囲気。
「話は聞いているよ。お盆休みまで間があるから、二人でこの辺りを散策するといい」
俺達が住んでいる場所から、あらゆる公共機関を駆使し、雪兎の父親が住む街まで来るのに六時間程かかる。それでも雪兎の母親は通ってくるのだから、凄いなぁ、と思う。
「お父様は会いに来いとおっしゃってるの?」
ん? 何か違和感を感じたんだけど。
「正月には会いに行かないからね。彼処の正月は息が詰まるしね」
「仕方ないでしょう。草壁家は財閥ですもの。引っ切り無しに挨拶に来られる方がいらっしゃるし、それが必要なことでもあるのだから」
「仕事をするようになって、理由もよく分かるけどね。正月くらい、静かに過ごしたいしね」
何だろう? この違和感。
「雪兎。違和感を感じるんだけど?」
「なに?」
「草壁財閥って?」
「お父さんの実家」
「はい?!」
じゃあ、雪兎のお父さんって、婿養子なの?!
「お母さんは何処かのご令嬢なの?」
「違うよ。草壁家の使用人の娘」
ちょっと待って。草壁の名前に聞き覚えがあるんだよね。メディアからじゃなくて、別口から。誰だっけ? 多分、俺には関わりないって、真面目に聞いてなかったんだと思うんだ。
「あっ!」
「どうしたの?」
「思い出した。ひい婆さんが確か、草壁の人間だった」
「え? どういうこと?」
「秋保と氷室で確か、草壁家の双子を其々、娶ったって。工藤さんが」
まだ、健在だとか。長生きだよね。会ったことはないし、会うこともないと思うんだけど。
「それは薫子と櫻子だよ」
雪兎のお父さんとお母さんがいつの間にか、俺達の会話を聞いていたみたいだ。
「確か、そんな名前」
名前が古風だって思ったんだ。
「秋保……、そうか、君は年齢的に一番下だね。氷室の息子さんかな?」
「そうです」
「じゃあ、櫻子さんだね」
もしかしなくても、うちの事情を知ってるの?
「こんなこともあるんだね」
おっとり、な感じ。嫌な感じではないんだけどね。
「どういうことかしら?」
「僕の親戚、になるんだね。まあ、今の社長の代になって、疎遠、って言うか、巻き添え食いそうだったから関わり合わないようになったんだよ。何かあった時に困るからって、僕達兄弟には事情を教えてね。参ったな」
もしかしなくても、迷惑になってたりする? 俺の存在自体がまあ、迷惑の塊なんだけど。
「君も実家に一緒に行ってもらうことになるよ。どうせ、雪兎は離れなさそうだしね。それに、父さんは雪兎に甘いから」
実家って……。どうしよう。兄さんが聞いたら、いくら鉄の心臓を持ってるあの人でも卒倒するかもしれない。どうしてピンポイントでヒットするの?! でも、雪兎とは離れたくないしね。腹くくるしかないのかな?
雪兎と同じ独特の髪色と瞳の色。何より、雪兎は父親を写し取った容姿だった。母親は逆に可愛らしいと表現した方がいい。ふんわりとした雰囲気。
「話は聞いているよ。お盆休みまで間があるから、二人でこの辺りを散策するといい」
俺達が住んでいる場所から、あらゆる公共機関を駆使し、雪兎の父親が住む街まで来るのに六時間程かかる。それでも雪兎の母親は通ってくるのだから、凄いなぁ、と思う。
「お父様は会いに来いとおっしゃってるの?」
ん? 何か違和感を感じたんだけど。
「正月には会いに行かないからね。彼処の正月は息が詰まるしね」
「仕方ないでしょう。草壁家は財閥ですもの。引っ切り無しに挨拶に来られる方がいらっしゃるし、それが必要なことでもあるのだから」
「仕事をするようになって、理由もよく分かるけどね。正月くらい、静かに過ごしたいしね」
何だろう? この違和感。
「雪兎。違和感を感じるんだけど?」
「なに?」
「草壁財閥って?」
「お父さんの実家」
「はい?!」
じゃあ、雪兎のお父さんって、婿養子なの?!
「お母さんは何処かのご令嬢なの?」
「違うよ。草壁家の使用人の娘」
ちょっと待って。草壁の名前に聞き覚えがあるんだよね。メディアからじゃなくて、別口から。誰だっけ? 多分、俺には関わりないって、真面目に聞いてなかったんだと思うんだ。
「あっ!」
「どうしたの?」
「思い出した。ひい婆さんが確か、草壁の人間だった」
「え? どういうこと?」
「秋保と氷室で確か、草壁家の双子を其々、娶ったって。工藤さんが」
まだ、健在だとか。長生きだよね。会ったことはないし、会うこともないと思うんだけど。
「それは薫子と櫻子だよ」
雪兎のお父さんとお母さんがいつの間にか、俺達の会話を聞いていたみたいだ。
「確か、そんな名前」
名前が古風だって思ったんだ。
「秋保……、そうか、君は年齢的に一番下だね。氷室の息子さんかな?」
「そうです」
「じゃあ、櫻子さんだね」
もしかしなくても、うちの事情を知ってるの?
「こんなこともあるんだね」
おっとり、な感じ。嫌な感じではないんだけどね。
「どういうことかしら?」
「僕の親戚、になるんだね。まあ、今の社長の代になって、疎遠、って言うか、巻き添え食いそうだったから関わり合わないようになったんだよ。何かあった時に困るからって、僕達兄弟には事情を教えてね。参ったな」
もしかしなくても、迷惑になってたりする? 俺の存在自体がまあ、迷惑の塊なんだけど。
「君も実家に一緒に行ってもらうことになるよ。どうせ、雪兎は離れなさそうだしね。それに、父さんは雪兎に甘いから」
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