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21 嵐の到来(暁視点)
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ずっとタイミングを逃していて、やっと二人に話す機会が出来た。と言っても、この話。シィ兄が来る前のことで、雪兎にはシィ兄のことも伝えてもらってる。そして、俺の隣には雪兎。必要だからね。
「改まってどうしたの?」
兄さんが首を傾げてる。分かるけどね。何より雪兎の存在が疑問を増長してるみたいだし。
「草壁って知ってる?」
「くさかべって、日の下のじゃなくて、草の壁か?」
シィ兄が問い掛けてきた。俺と雪兎が同時に頷いた。
「んー? ひい婆さんの実家がそんな苗字だって工藤さんに聞いたよね?」
兄さんも俺と同じで関係ないと思ってた感じだ。
「それがどうしたんだ?」
「雪兎のお父さんの実家が草壁」
二人の顔が面白いことになってるね。
「実は夏休みにそのことを知ったんだけど、あの後、いろいろあったでしょう? 兄さんのことが解決したらシィ兄が飛び込んできて、忍関係でゴタゴタしてたし」
このタイミングなのは、俺達が実家の相続関係を放棄したからだ。どうも、草壁側の弁護士が工藤さんに接触していたみたいで、筒抜けになってるみたいだ。
「草壁の本家に行って来たんだ」
「どう言うことなの?」
「雪兎のお父さんに連れて行かれて、実家の相続放棄をして欲しいって言われたんだ」
雪兎と一緒にいるためには、どうしても草壁との関わりが切り離せなくなる。そして、草壁は俺達の実家のゴタゴタに巻き込まれなくない。本当の意味で関係者でなくなることが必要だと、そう言われたから。
「どうしてだ?」
「俺達三人の後見人になるためだって。雪兎がそう聞いてきた」
更に面白い顔になったね。俺も聞いたときは驚いたし。
「工藤さんとも連絡を取り合ってるみたいだよ」
「どうしてそうなってるの?!」
「おじいちゃんが暁を気に入ったみたい。それで、暁がこんなに面白いなら、貴羅さんとシィ兄も面白いだろうからって」
「後見人たって、俺と紫綺は成人してるんだけど?!」
兄さん、その辺りはよく知ってるみたいだよね。俺関係で調べたんだろうけど。
「おじいちゃんは面白いことに目がないから。多分、後見人って言うのは冗談だと思うんだけど。暁には貴羅さんがいるんだし」
雪兎は何時ものことだと言ってたけど、俺もご老人があんなにお茶目なのは初めて見た。それにあそこの親族は凄すぎる。
「それと、来年のお盆休みには是非、草壁本家に来て欲しいって言ってたよ」
雪兎が満面の笑みを浮かべた。兄二人は表情が引き攣ってる。
「本題なんだけど、雪兎のおじいさんが今週の日曜日に店に来るって。大叔母さんを連れて」
大叔母さんって、俺達のひい婆さんだから九十歳近いと思うんだけど、まだ矍鑠としてるんだって。世の中の神秘だよね。
「それは俺達に親戚付き合いをしろと?」
「そうみたいだよ。俺的には勘弁して欲しいんだけど」
あの姦しい感じが数日続いたんだ。慣れてないのと構い倒されたのとで、疲れが半端なかったし。
「拒絶は駄目なの?」
「おじいちゃんが楽しみにしてたから、押し通すと思うの」
二人が沈黙した。雪兎があまりに普通に対応するから、本当なんだって分かったんだと思うけど。兄さんが珍しく深い溜め息を吐いた。
「日曜日、休みにするから……」
やっぱり。
「それとね。キョウと春名君にも来てもらってね。おじいちゃんが二人の恋人にも会いたいって」
はあ?! 雪兎、そこまでバラしたの?! 雪兎が無邪気に言うもんだから、二人が絶句した。そうだよね。犯罪的年齢差だもんね。多分、雪兎のことだから、正直に話しちゃってると思うよ。ご愁傷様。
「改まってどうしたの?」
兄さんが首を傾げてる。分かるけどね。何より雪兎の存在が疑問を増長してるみたいだし。
「草壁って知ってる?」
「くさかべって、日の下のじゃなくて、草の壁か?」
シィ兄が問い掛けてきた。俺と雪兎が同時に頷いた。
「んー? ひい婆さんの実家がそんな苗字だって工藤さんに聞いたよね?」
兄さんも俺と同じで関係ないと思ってた感じだ。
「それがどうしたんだ?」
「雪兎のお父さんの実家が草壁」
二人の顔が面白いことになってるね。
「実は夏休みにそのことを知ったんだけど、あの後、いろいろあったでしょう? 兄さんのことが解決したらシィ兄が飛び込んできて、忍関係でゴタゴタしてたし」
このタイミングなのは、俺達が実家の相続関係を放棄したからだ。どうも、草壁側の弁護士が工藤さんに接触していたみたいで、筒抜けになってるみたいだ。
「草壁の本家に行って来たんだ」
「どう言うことなの?」
「雪兎のお父さんに連れて行かれて、実家の相続放棄をして欲しいって言われたんだ」
雪兎と一緒にいるためには、どうしても草壁との関わりが切り離せなくなる。そして、草壁は俺達の実家のゴタゴタに巻き込まれなくない。本当の意味で関係者でなくなることが必要だと、そう言われたから。
「どうしてだ?」
「俺達三人の後見人になるためだって。雪兎がそう聞いてきた」
更に面白い顔になったね。俺も聞いたときは驚いたし。
「工藤さんとも連絡を取り合ってるみたいだよ」
「どうしてそうなってるの?!」
「おじいちゃんが暁を気に入ったみたい。それで、暁がこんなに面白いなら、貴羅さんとシィ兄も面白いだろうからって」
「後見人たって、俺と紫綺は成人してるんだけど?!」
兄さん、その辺りはよく知ってるみたいだよね。俺関係で調べたんだろうけど。
「おじいちゃんは面白いことに目がないから。多分、後見人って言うのは冗談だと思うんだけど。暁には貴羅さんがいるんだし」
雪兎は何時ものことだと言ってたけど、俺もご老人があんなにお茶目なのは初めて見た。それにあそこの親族は凄すぎる。
「それと、来年のお盆休みには是非、草壁本家に来て欲しいって言ってたよ」
雪兎が満面の笑みを浮かべた。兄二人は表情が引き攣ってる。
「本題なんだけど、雪兎のおじいさんが今週の日曜日に店に来るって。大叔母さんを連れて」
大叔母さんって、俺達のひい婆さんだから九十歳近いと思うんだけど、まだ矍鑠としてるんだって。世の中の神秘だよね。
「それは俺達に親戚付き合いをしろと?」
「そうみたいだよ。俺的には勘弁して欲しいんだけど」
あの姦しい感じが数日続いたんだ。慣れてないのと構い倒されたのとで、疲れが半端なかったし。
「拒絶は駄目なの?」
「おじいちゃんが楽しみにしてたから、押し通すと思うの」
二人が沈黙した。雪兎があまりに普通に対応するから、本当なんだって分かったんだと思うけど。兄さんが珍しく深い溜め息を吐いた。
「日曜日、休みにするから……」
やっぱり。
「それとね。キョウと春名君にも来てもらってね。おじいちゃんが二人の恋人にも会いたいって」
はあ?! 雪兎、そこまでバラしたの?! 雪兎が無邪気に言うもんだから、二人が絶句した。そうだよね。犯罪的年齢差だもんね。多分、雪兎のことだから、正直に話しちゃってると思うよ。ご愁傷様。
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