置き去りの恋

善奈美

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22 強風注意報?(貴羅視点)

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 まさか、こんなことになろうとは。暁から言われてすぐ、工藤さんに連絡を取った。勿論、事実関係を確認するためだ。響くように返ってきた答えに脱力した。本当に水面下で暁が言ったように話が進んでいたことに。
 
 紫綺に話を聞くと、今は草壁家とは疎遠になっているという。紫綺に言わせると、それも理解出来ると言っていた。草壁家は能力重視で、いくら血筋でも使えなければ切り捨てるらしい。一方、秋保と氷室は血筋重視。結果として会社が傾く結果となっている。
 
 今日は日曜日で響也とユキはうちに泊まったし、忍も紫綺の部屋に泊まった。結果、朝食担当は俺になる。文句はないんだけどね。うちで食べるには狭いから、店に食事の用意をした。
 
「フワフワ」
 
 そう言いながら、嬉しそうにオムレツを頬張ってるのはユキ。卵だけは沢山あるからね。
 
「どうやったらこうなるんだ?」
 
 不思議そうに口に運ぶのは紫綺。最近、料理にも挑戦中らしい。
 
「一応、プロだからね」
「それは疑ってないが。同じ卵が何故こうなる?」
 
 うん、疑問を持つってことは進歩するってことだよね。今度、ご馳走してもらおう。久しく、自分以外の料理食べてないし。
 
「ユキ、爺さんってどんな感じの人だよ」
 
 響也が疑問を口にした。まあ、本来なら関係ないからね。
 
「面白いよ。飽きない人だし。でもね。気に入られたら大変だと思うよ。楽しいことが大好きだし。人を驚かせるのも好きだし。大叔母さんがね。もっと面白いかも」
 
 首を傾げながら、ユキがそんなことを言った。
 
「面白いってなんだよ」
「キョウがよく知ってることだよ。あの年の人は何て呼ばれるんだろう?」
 
 ん? ユキの言ってることがおかしいって感じるんだけど。
 
「よく知ってるって、わけ分かんねぇよ」
「美和さんとクウちゃんと一緒。今でも女子高生みたいにキャッキャッしてるって、おじいちゃんが言ってたよ」
 
 みんなが固まったよね。連れて来ようとしてる理由が分かったわ。
 
「腐ってるのかよ!」
「うん。筋金入り。あ、でも安心して。大叔母さんだけだよ。詩月伯母さんは普通だし、従兄弟たちもごくごく当たり前の感覚の持ち主だから」
 
 でも、偏見はないから安心して、って。そこに安心する要素がね。あ……、響也が固まってるわ。ショックが大きいんだろうな。分かるけどね。
 
「……如何してそんなのばっかり集まってくんだよ!」
「仕方ないよ。キョウは引き寄せる体質なんだから」
「だぁ! そんなの嬉しくねぇよ!」
 
 まあ、良いことにしようか。今更だし。手放す気ないし。
 
「何時頃来るんだ?」
 
 紫綺と忍は案外冷静だね。
 
「昼前には来るみたい。そうそう、聖月伯父さんが連れて来るって言ってたから。貴羅さんに挨拶したいって」
 
 草壁家の次期当主が偵察に来るわけね。来たところで、何一つ出てきやしないと思うけど。覚悟はしておいたほうが良いかな。いろんな意味でね。
 
 
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