多分、愛じゃない

ゆきの(リンドウ)

文字の大きさ
100 / 102
番外編:多分、もう愛だった

(5)-1

しおりを挟む
「ユウリと付き合ったときから、もうユウリだけなんだけどな?俺は」
「奏…」
「触ってくれる?俺はユウリに触りたい」

ユウリのキスが唇に降ってくる。柔らかくて暖かい、優しいキスだ。

「んッ、はぁ、ふぅッ…」

キスが深くなる。舌が恐る恐る奏の口の中を弄る。

「ユウリ、もっとしていいから」

辿々しい愛撫につい、我慢できずに言うと、ユウリの舌が上顎を辿った。歯列を優しく、しっかりと。

「はぁ、ッ、ユウリ」
「奏ッ…いや、だった?」

気持ち良くて目が蕩けそうになる。きっとユウリから見てもトロンとして見えるだろう。なのに、まだ自分を気遣う言葉を言うなんて。

もっと俺だけになってほしい。気遣う余裕なんかないくらいに、俺に夢中になってほしい。

「ユウリってバカなの?」
「え?どうだろ」
「俺がユウリにされて嫌なことなんてあるわけないだろ?わかれよ、いい加減」
「奏…」
「好きだよ、ユウリ。だから、我慢しないで抱いてくれ。今すぐに」

キスが降りる。ユウリの舌が縦横無尽に奏の中を弄る。互いの唾液が交じる音が、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。

食べられるようなキスが首筋へと降りていく。強く音を立てて吸われる。

「ユウリ、今」
「奏は僕のものだよ。いいよね?」

瞬間、体の内側からゾクゾクしたものが駆け上がってきた。優しく見守るようなユウリの視線ではない、支配するような視線。なのに、怖くなかった。むしろ、もっとその目で見てほしくなる。

ああ、嬉しい。ユウリの中は今、奏だけだ。

ユウリの腕を引っ張り、ベッドへ押し倒した。ユウリの首筋に顔を埋め、唇を押し当て強く吸う。

「…ついた?」
「ああ。ユウリも俺のものだ」

赤くついた跡を撫でながらそう言うと、ユウリが奏の胸に顔を埋めた。

金髪の髪が愛おしい。見える項も、睫毛も端正な頬のラインも。

堪らなくなって抱きしめた。すると、胸元が僅かに濡れていることに気が付いた。

「泣いてんの?」
「…見ないでよ」
「見たい、見せて」
「…恥ずかしいんだけど」

嫌がるユウリの頬を両手で挟む。優しい力で引き上げると、濡れた目が見えた。

「なんで泣いてんだよ」
「だって…」
「だって?」
「幸せだから。ずっと奏とこうしたかったから、夢みたいで、でも幸せなんだ」

金の睫毛から涙が滴る。自然と奏の頬にも涙が流れた。

幸せはこっちの方だ。好きで愛おしい相手と触れ合えて求め合って、互いに愛しいとその瞳から語り合うことができる。

「ユウリ、俺、もっとほしい。ユウリだけのものになりたい」
「僕も同じこと思ってたよ」

そう言うと軽く唇を触れ合わせて、ユウリが奏の昂る芯を大きな掌で包み込んだ。

「ああっ、ふぅッ」
「奏、気持ちいい?」
「うんッ、いいよッ…!」

ユウリの手が緩やかに上下に動く。先端から愛液が溢れ、いやらしい音が無音の部屋に響き渡り、羞恥を誘う。

ユウリの昂りにも手を添えた。張り詰めたそれは奏のよりも大きく、これが奏の中に入るかと想像するだけで興奮に震える。

向かい合って握り合う。ユウリと肌を重ね合うのは久しぶりで、なのにピースがハマったかのように馴染む。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

ひとりも、ふたりも

鈴川真白
BL
ひとりで落ち着く時間も、ふたりでいる楽しい時間も両方ほしい 1人を謳歌するマイペース × 1人になりたいエセ陽キャ

消えることのない残像

万里
BL
最愛の兄・大貴の結婚式。高校生の志貴は、兄への想いが「家族愛」ではなく「恋」であったと、失恋と同時に自覚する。血の繋がりという境界線、そして「弟」という役割に縛られ、志貴は想いを封印して祝福の仮面を被る。 しかし数年後、大貴の息子が成長し、かつての兄と瓜二つの姿となったとき、止まっていた志貴の時間は歪な形で動き出す。 志貴(しき):兄・大貴に長年片思いしているが、告げることなく距離を置いていた。 大貴(だいき):志貴の兄。10歳年上。既婚者で律樹の父。無自覚に人を惹きつける性格。志貴の想いには気づいていない。 律樹(りつき):大貴の息子。明るく素直だが、志貴に対して複雑な感情を抱く。

窓のない部屋の、陽だまりみたいな君

MisakiNonagase
BL
都心の高層ビル、その「内臓」とも言える地下一階のメール室。 そこで働く山﨑智之は、目立たず、期待されず、淡々と郵便物を捌く「透明人間」のような毎日を愛していた。自分は低スペックで、華やかな地上には居場所がない。そう、諦めていた。 ​そんな彼の静寂を破ったのは、二十二階の住人、若きエース・風巻隼人だった。 完璧なルックス、圧倒的な成果、羨望の眼差しを一身に浴びる彼が、なぜか地下のメール室に足繁く通い始める。 ​「五分だけ、ここにいさせてくれないか」 ​一通の郵便物から始まった、五分間だけの秘密の共有。 次第に剥き出しになっていく隼人の孤独と、それを無自覚に包み込んでしまう智之の温度。 住む世界が違う二人が、窓のない部屋で見つけたのは、名前のつかない「救済」だった。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

絶賛、片想い中

いいいいい
BL
受け 檜山 颯斗(ひやま はやと) 攻め 須藤 慧 (すどう けい) 大学生bl

エスポワールに行かないで

茉莉花 香乃
BL
あの人が好きだった。でも、俺は自分を守るためにあの人から離れた。でも、会いたい。 そんな俺に好意を寄せてくれる人が現れた。 「エスポワールで会いましょう」のスピンオフです。和希のお話になります。 ハッピーエンド 他サイトにも公開しています

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※表紙をAI君に描いてもらいました。(2026.2.21) ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。

処理中です...