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episode 3
3
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パソコンに向き合った洋一郎は、キーボードを叩き、俺達に見せたい映像を選択する。
唇を噛みしめている彼の表情からも、相当な覚悟を持って見なくてはならない映像だというのが伝わってくる。
おちゃらけてばかりの大介も息をのんで、じっとしていた。
「この映像。『paraíso』の新規情報として、僕が保存した物だと言うのに、これはどう見ても、全く関係のないS共和国とI国との紛争の映像だ。関係があるとすれば、国防省や軍事研究の筈」
真剣な眼差しで画面を凝視し、そして、再生ボタンを押す。
音声のない映像は、紛争の様子を淡々と流していく。
まるで、“心”のないロボットが、ただ“報告”として撮影し、提出したかのように。
画面は、空から地上へと切り替わる。
先程までの映像は、どこか“客観的”視点というべきか。
少し距離を置いた場所から撮影しているものであったが、ここからは、一気に対象物が近くなった。
どうやら、撮影者が“傍観者”ではなく“当事者”に変わったようだ。
となると……今、映し出されている映像は、S共和国かI国の兵士?
どういう事だ?
しかし、そんな俺の疑問は、次の瞬間、一気に驚愕へと変わる。
いや。
俺だけじゃない。
この映像を一緒に見ている、洋一郎と大介。
三人共に。
目の前に現れたのは、両国の兵士でも、兵器でもなかった。
ガガガガガガッと、重機の音が今にも聞こえてきそうな程、画面一杯に写しだされる、キャタピラが右から左へと、通過していく。
いきなり、視界が開けると、数メートル先にカーキ色の戦車が3台、同じ方向へ向かっている。
そして、その前後には、数台のジープが走っている。
先程のキャタピラは、戦車の物のようだ。
「日本国防軍?」
洋一郎が低く呟いた。
「え?」
「は?」
俺と大介は、思わず洋一郎の顔を見た。
その目は、未だに画面に釘付けであった。
そして、いきなり画面を指差した。
「ほら! ここ! 戦車のサイド! ここに、日の丸がペイントされているのが見えるか?」
信じられない! と言った表情で、少し、声を荒げて俺らに聞く。
他国の紛争地域に、日本政府が国防軍を派遣したというニュースなど、勿論無い。
しかし、そこには確かに、日の丸がしっかりと車体に描かれた戦車の姿が映し出されていた。
「マジかよ!」
「一体、どういう事?」
俺達が目を疑っている間にも、映像は進んで行く。
日本国防軍の戦車が砲撃を開始する。
ドーンッドーンッ! と、まるで、打ち上げ花火が目の前で上がるかのような音が、今にも聞こえてきそうだ。
カメラのピントは、戦車から、砲撃に襲われる村へと移動する。
攻撃に備えてなのか。
村は、バリケードのようなもので封鎖されていたが、石のブロックと鉄線でつくられたソレは、何発も打ち込まれた砲弾によって、あっけなく破壊され、その周辺の建物も、崩壊していた。
粗末な煉瓦作りの家は憐れに朽ち果て、剥きでた骨組の木からは真っ赤な炎が立ち上がっている。
逃げまどう人々の姿。
そして、そこに、日本国防軍のジープから数十人の兵士が降り立ち、村へと走っていく。
勿論、村の人間も、黙ってやられている訳はなく、壊れた外壁の陰からライフル銃を構えているのか、日本兵目がけて銃弾が撃ち込まれ、そして、手榴弾を投げつけられる。
「うわ!」
「なっ!」
まさか。
目の前で、実際に、日本人が撃たれるシーンを見るなんて……。
世界各国で小さな内乱から大きな紛争まで、多くの人達が戦い、負傷し、そして時には原型を留めていないくらい酷い状態の映像も、ネットで配信されているのを見たことがある。
その惨たらしい状況を目にした時も、勿論、心が痛むと同時に、どこか、好奇心とでもいうのか。
“自分には関係ない”
そう思うからこそ、興味本位で凝視していた自分がいた。
しかしだ。
今、目の当たりにしている映像は、同じ“日本人”。
そうなると、もはや他人事ではない。
手榴弾が爆発し、兵士が吹っ飛び、土煙が上がる。
銃弾の餌食となり、腕や足を負傷する者。
額を撃ち抜かれ、倒れる者。
平和ボケしていた日本人が、いきなり戦場に行ったとしても、こうなる事は明白だった筈。
なのに何故……
目を背けたくなる映像に、俺らは言葉を失い、そして、“何故”先程までは、砲弾を放っていた戦車が、一向に動かないのかすら気にも留めていなかった。
「犬死にじゃないか……」
いつの間にか拳を震わせながら俯き呟く俺は、次の瞬間、目を疑う事となる。
「ちょっ!」
「どうなってるんだ?」
二人の声に、顔を上げる。
「ッ!」
思わず手で口を押さえ、息を飲む。
そして、驚きのあまり瞳孔が開いた目が、信じられない光景を脳に焼き付かせる。
「な……んだ……アレ……」
「腕……捥げてない?」
「な……なんで、立ち上がれるんだ?」
銃弾によって、倒れていた兵士達が平然と立ち上がり、そして、走り出す。
下半身が吹き飛ばされ、ピンク色した臓物を砂と土にまみれさせながら引き摺る兵士は、戦闘用ヘルメットで表情は見えないものの、両腕を使い、痛みなど感じていないかのよう に、力強く匍匐前進を繰り返す。
ある者は、片腕が無く、血を溢れだしながら。
ある者は、そこらじゅうに銃痕をつけ、ボロボロになりながら。
目指すは“敵”とでもいう、信念からであろうか。
兎に角、全ての兵士が村に向かって進む。
「人間って……あんなになっても生きていけるもんなの?」
震える声で大介が呟く。
洋一郎も俺も、答える事が出来なかった。
“例え”奇跡的に生きていたとしても、あの怪我だ。
どう考えても、戦意喪失どころか、その場から動く事さへ叶わない筈。
いくら“信念”を持っていたとしても、自分の命と比べたら、そんな物、消え失せる。
いや、むしろ……本当に“人間”なのか?
背中に嫌な汗が流れると共に、言い知れない恐怖から寒気が襲う。
それは、その場にいた村人や敵兵の方が、痛切に感じていた事であろう。
あまりに異様な日本兵に対し、むやみやたらに銃撃を繰り返すものの、兵士達の勢いは止まらない。
そして、とうとう一人二人と村へと突入していった。
「入ったな」
ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる。
最初に切り込んだのは、勿論無傷の兵士。
カメラはズームで捉えているものの、やはり遠方の映像のせいか、画像が粗く、何をしているのか細かい部分までは分らない。
しかし、おかしい。
ライフル銃も、小銃も持っている筈なのに、それを使わず素手で応戦しているように見える。
相手は機関銃をぶっ放しているというのに、一人が蜂の巣状態で盾になりながら、もう一人が相手に襲い掛かる。
そして……
「うっ……」
大介があまりの惨状に小さな悲鳴を上げる。
洋一郎は目を大きく開き、瞳を揺らす。
それは、いきなりの出来事であった。
機関銃を撃っていた男に襲い掛かった兵士は、突然、男の顔にかぶりつき、そして、鼻を引き千切ったように見えたのだ。
それを皮切りに、逃げまどう村人たち。
狂気に満ちた日本兵は、その醜悪な姿を曝しながら、敵兵や村人に飛び掛かっていく。
いや。
あれは。
“喰らい付いて”いっていると言う方が正しいのか?
その光景をただ、茫然自失といった表情で見つめるしかなかった。
すると、突然、画面が切り替わる。
何者かが手でレンズを遮ったのであろうか?
真っ暗になったかと思うと、皺が深く刻まれた手がアップで映し出された。
「え……?」
男にしては、細くしなやかな指。
そして、皺はあれども、白い手。
この手を俺は知っている。
カメラのレンズが少し上を向いた瞬間。
ほんの、たった一瞬の出来事であった。
その手の持ち主を、カメラは捉えたかと思うと、プツンッと、そこで映像は途切れた。
「「「っ!!!」」」
俺達は、皆、あまりの衝撃に声が出なかった。
そう。
ほんの僅かではあったが、あの瞬間。
カメラが捉えた者とは、上田 龍平。
心配で心配で堪らなかった、俺のじいちゃん、その人であった。
唇を噛みしめている彼の表情からも、相当な覚悟を持って見なくてはならない映像だというのが伝わってくる。
おちゃらけてばかりの大介も息をのんで、じっとしていた。
「この映像。『paraíso』の新規情報として、僕が保存した物だと言うのに、これはどう見ても、全く関係のないS共和国とI国との紛争の映像だ。関係があるとすれば、国防省や軍事研究の筈」
真剣な眼差しで画面を凝視し、そして、再生ボタンを押す。
音声のない映像は、紛争の様子を淡々と流していく。
まるで、“心”のないロボットが、ただ“報告”として撮影し、提出したかのように。
画面は、空から地上へと切り替わる。
先程までの映像は、どこか“客観的”視点というべきか。
少し距離を置いた場所から撮影しているものであったが、ここからは、一気に対象物が近くなった。
どうやら、撮影者が“傍観者”ではなく“当事者”に変わったようだ。
となると……今、映し出されている映像は、S共和国かI国の兵士?
どういう事だ?
しかし、そんな俺の疑問は、次の瞬間、一気に驚愕へと変わる。
いや。
俺だけじゃない。
この映像を一緒に見ている、洋一郎と大介。
三人共に。
目の前に現れたのは、両国の兵士でも、兵器でもなかった。
ガガガガガガッと、重機の音が今にも聞こえてきそうな程、画面一杯に写しだされる、キャタピラが右から左へと、通過していく。
いきなり、視界が開けると、数メートル先にカーキ色の戦車が3台、同じ方向へ向かっている。
そして、その前後には、数台のジープが走っている。
先程のキャタピラは、戦車の物のようだ。
「日本国防軍?」
洋一郎が低く呟いた。
「え?」
「は?」
俺と大介は、思わず洋一郎の顔を見た。
その目は、未だに画面に釘付けであった。
そして、いきなり画面を指差した。
「ほら! ここ! 戦車のサイド! ここに、日の丸がペイントされているのが見えるか?」
信じられない! と言った表情で、少し、声を荒げて俺らに聞く。
他国の紛争地域に、日本政府が国防軍を派遣したというニュースなど、勿論無い。
しかし、そこには確かに、日の丸がしっかりと車体に描かれた戦車の姿が映し出されていた。
「マジかよ!」
「一体、どういう事?」
俺達が目を疑っている間にも、映像は進んで行く。
日本国防軍の戦車が砲撃を開始する。
ドーンッドーンッ! と、まるで、打ち上げ花火が目の前で上がるかのような音が、今にも聞こえてきそうだ。
カメラのピントは、戦車から、砲撃に襲われる村へと移動する。
攻撃に備えてなのか。
村は、バリケードのようなもので封鎖されていたが、石のブロックと鉄線でつくられたソレは、何発も打ち込まれた砲弾によって、あっけなく破壊され、その周辺の建物も、崩壊していた。
粗末な煉瓦作りの家は憐れに朽ち果て、剥きでた骨組の木からは真っ赤な炎が立ち上がっている。
逃げまどう人々の姿。
そして、そこに、日本国防軍のジープから数十人の兵士が降り立ち、村へと走っていく。
勿論、村の人間も、黙ってやられている訳はなく、壊れた外壁の陰からライフル銃を構えているのか、日本兵目がけて銃弾が撃ち込まれ、そして、手榴弾を投げつけられる。
「うわ!」
「なっ!」
まさか。
目の前で、実際に、日本人が撃たれるシーンを見るなんて……。
世界各国で小さな内乱から大きな紛争まで、多くの人達が戦い、負傷し、そして時には原型を留めていないくらい酷い状態の映像も、ネットで配信されているのを見たことがある。
その惨たらしい状況を目にした時も、勿論、心が痛むと同時に、どこか、好奇心とでもいうのか。
“自分には関係ない”
そう思うからこそ、興味本位で凝視していた自分がいた。
しかしだ。
今、目の当たりにしている映像は、同じ“日本人”。
そうなると、もはや他人事ではない。
手榴弾が爆発し、兵士が吹っ飛び、土煙が上がる。
銃弾の餌食となり、腕や足を負傷する者。
額を撃ち抜かれ、倒れる者。
平和ボケしていた日本人が、いきなり戦場に行ったとしても、こうなる事は明白だった筈。
なのに何故……
目を背けたくなる映像に、俺らは言葉を失い、そして、“何故”先程までは、砲弾を放っていた戦車が、一向に動かないのかすら気にも留めていなかった。
「犬死にじゃないか……」
いつの間にか拳を震わせながら俯き呟く俺は、次の瞬間、目を疑う事となる。
「ちょっ!」
「どうなってるんだ?」
二人の声に、顔を上げる。
「ッ!」
思わず手で口を押さえ、息を飲む。
そして、驚きのあまり瞳孔が開いた目が、信じられない光景を脳に焼き付かせる。
「な……んだ……アレ……」
「腕……捥げてない?」
「な……なんで、立ち上がれるんだ?」
銃弾によって、倒れていた兵士達が平然と立ち上がり、そして、走り出す。
下半身が吹き飛ばされ、ピンク色した臓物を砂と土にまみれさせながら引き摺る兵士は、戦闘用ヘルメットで表情は見えないものの、両腕を使い、痛みなど感じていないかのよう に、力強く匍匐前進を繰り返す。
ある者は、片腕が無く、血を溢れだしながら。
ある者は、そこらじゅうに銃痕をつけ、ボロボロになりながら。
目指すは“敵”とでもいう、信念からであろうか。
兎に角、全ての兵士が村に向かって進む。
「人間って……あんなになっても生きていけるもんなの?」
震える声で大介が呟く。
洋一郎も俺も、答える事が出来なかった。
“例え”奇跡的に生きていたとしても、あの怪我だ。
どう考えても、戦意喪失どころか、その場から動く事さへ叶わない筈。
いくら“信念”を持っていたとしても、自分の命と比べたら、そんな物、消え失せる。
いや、むしろ……本当に“人間”なのか?
背中に嫌な汗が流れると共に、言い知れない恐怖から寒気が襲う。
それは、その場にいた村人や敵兵の方が、痛切に感じていた事であろう。
あまりに異様な日本兵に対し、むやみやたらに銃撃を繰り返すものの、兵士達の勢いは止まらない。
そして、とうとう一人二人と村へと突入していった。
「入ったな」
ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる。
最初に切り込んだのは、勿論無傷の兵士。
カメラはズームで捉えているものの、やはり遠方の映像のせいか、画像が粗く、何をしているのか細かい部分までは分らない。
しかし、おかしい。
ライフル銃も、小銃も持っている筈なのに、それを使わず素手で応戦しているように見える。
相手は機関銃をぶっ放しているというのに、一人が蜂の巣状態で盾になりながら、もう一人が相手に襲い掛かる。
そして……
「うっ……」
大介があまりの惨状に小さな悲鳴を上げる。
洋一郎は目を大きく開き、瞳を揺らす。
それは、いきなりの出来事であった。
機関銃を撃っていた男に襲い掛かった兵士は、突然、男の顔にかぶりつき、そして、鼻を引き千切ったように見えたのだ。
それを皮切りに、逃げまどう村人たち。
狂気に満ちた日本兵は、その醜悪な姿を曝しながら、敵兵や村人に飛び掛かっていく。
いや。
あれは。
“喰らい付いて”いっていると言う方が正しいのか?
その光景をただ、茫然自失といった表情で見つめるしかなかった。
すると、突然、画面が切り替わる。
何者かが手でレンズを遮ったのであろうか?
真っ暗になったかと思うと、皺が深く刻まれた手がアップで映し出された。
「え……?」
男にしては、細くしなやかな指。
そして、皺はあれども、白い手。
この手を俺は知っている。
カメラのレンズが少し上を向いた瞬間。
ほんの、たった一瞬の出来事であった。
その手の持ち主を、カメラは捉えたかと思うと、プツンッと、そこで映像は途切れた。
「「「っ!!!」」」
俺達は、皆、あまりの衝撃に声が出なかった。
そう。
ほんの僅かではあったが、あの瞬間。
カメラが捉えた者とは、上田 龍平。
心配で心配で堪らなかった、俺のじいちゃん、その人であった。
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