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episode 29
3
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一気に険悪な雰囲気へと変わる。
掴まれて皺になった自分のシャツを上から見下ろし、不愉快そうに顏を歪めた。
「上田君。私はねぇ、計画通りにいかないこと。乱れた事。そういったものが大嫌いなんですよ」
そんなことは言われなくても、あんたを見れば直ぐにわかると言いたいのをぐっと我慢する。
「せっかく、面白い映像を見せてあげたというのに。私はね。この建物にいるモノなら、セキュリティシステムが作動しなくたって、この指一つで何とでも出来るんですよ。例えば、そうですね。この部分分かりますか?」
彼が指差す部分は、E階段と書かれている。
第六ゲートから入って一つ目の角を曲がり、真っ直ぐ行った先のT字を左に曲がって直ぐの場所。
「俺が上ってきた階段……」
「正解。ここには今、誰がいる?」
三十五階に赤い点と青い点。
地下から一階に向かって移動している光の点は青い点を先頭に白い点が多い。
あれは岡島さんがまだ実験台にされていないと島民を引き連れて外へ誘導しているものだ。
「じいちゃんとH‐B。それに実験台にされる前の人達が解放され、逃げ出すところですよね」
「その通り。マザーコンピューターの侵入者防御セキュリティが停止されていても、この装置は災害時やバイオハザードがあった場合、私だけが扱える緊急措置の為の機械でしてね。実験台の脱走を防ぐのにも役に立つんですよ。特に、大量の場合は尚更ね」
黒い笑みが浮かび上がった。
「やめろっ!」
彼の右手首を捻り上げるが、空いた左手がパネルにタッチする。
真っ赤なライトで埋め尽くされる非常階段。
点滅する細かい光の点。
「な……んだこれ……」
一階部分に到着した青い点と複数の白い点。
それらが、その場から一向に動かず、どんどん下の階から白い点が一階部分と、地下一階と一階とを結ぶ途中の踊り場付近から一階までの階段に増えていく。
「防火シャッターを閉めたのだから、E階段から出ることは出来ません。そして、面白いのがここから……」
白い点がどんどん薄くなっていき、ポツポツと消えていく。
三十五階部分の青い点も薄くなっていく。
「なっ! どうなってんだよぉ!」
再び掴みかかろうとする俺を避けた挙句、足を引っ掛けて転ばされた。
普段の俺なら絶対にしない失態。
カッとなった分、冷静さを欠いたが為に隙をつかれた。
床に這いつくばり上を見上げると、そこには口端を上げる所長の姿。
その顏は悪魔そのものである。
多くの人の命をボタン一つで消すだなんて人間のすることじゃない。
画面で見れば、確かに、ただ光の点が消えていくだけだ。
ゲーム感覚で、リアリティの欠片も無いと思う。
だが、現実に人が死んでいっているということは、彼が俺に掲げるタブレットが映し出している。
苦しみ悶える人々。
白目を剥き、喉を掻き毟りながら手を真っ赤に染めて、口から泡を吹いて倒れていく人々。
これだって、小さな画面の中での出来事。
実際にその現場で目にしていない分、音も臭いもなく、生々しさがないだけマシなのかもしれない。
でも、この映像に映っていないだけで、俺の祖父も同じ目に遭っているんだ。
そう思ったら居てもたっても居られず、即座に立ち上がり、さっき彼が触れた、パネルのB階段と書かれた場所に浮かび上がるOFFという文字を何度も何度もタッチするが、そこに点滅する点はどんどん消えていく。
「嘘だろ? 何で反応しねぇんだよ!」
バンッと激しくパネルを叩くが壊れるどころか、びくともしない。
その間にも、タブレットの惨たらしい映像は止まらない。
一階部分の白い点は、ほぼ壊滅。
岡島さんを示す点も、もう薄らとしか見えない。
とうとう赤い点までもが徐々に薄くなっていっていた。
「あんた……自分でけしかけた『特別』なH‐Bまで殺す気か?」
喉を震わせ、思った以上に低い声が出た。
怒りと悲しみを含ませている俺の様子が、お気に召したのか、彼は上機嫌で答えた。
「殺す気も何も。これは全て『実験』です」
「はぁ?」
多くの人が目の前ではないとはいえ、殺されたという事実。
そして、祖父も岡島さんも瀕死な状態だというのに、それを『実験』という言葉で片付ける所長に怒りがマックスになる。
苦痛に顰める俺の顏を、さも愉快だというような笑みを浮かべながら、凄惨な状況を映し出しているタブレットの画面を近づけてくる。
彼の顏が人間ではなく、不気味な怪物のように醜く歪んで見え、ずっと握りしめていた拳銃を彼の額に向けて構えた。
「とっとと、防火扉を開けろぉっ!」
こちらが本気だというのを見せる為に、一度だけ天井に向けて発砲する。
銃声が鳴り響く。
銃弾は天井を貫き、小さな穴を開けただけだが、彼の顏色がその一瞬で変わった。
流石に、自分の命は惜しいのかと思い、今度は再び彼の額に銃口を向けたのだが、彼の顏は真っ青に血の気がなくなり、天井に開いた穴を見つめていた。
「君は……なんてことを……」
ここは最上階。
上には何もない筈。
天井に穴を開けたことで、そんなにも怯えた顏をするのは異様だが、彼は完璧主義者の潔癖症。
自分の大事な部屋を壊された事が許せないのだと理解した。
他人にとってはどうでもいいことでも、自分の中のルールでは絶対許せない事が誰しもある。
そう思い、彼の様子を気にせず、まずはB階段の件を先に解決させようと、彼に詰め寄った。
俺の決断が遅かったが為に多くの命が失われた。
それでもまだ生きている人がいる。
かなり薄くなったが、祖父も岡島さんもまだ生体反応がある。
今すぐに彼に防火扉を開けさせるか、B階段に仕掛けられた何か。
多くの人間を同時に死に至らしめるものと言えば、毒ガスくらいしか思いつかないが、所長が作動させた殺傷能力のある何かを止めさせる事が先決である。
「所長。命が惜しければ、さっさとB階段を解放してください!」
至近距離で銃口を人に向けるというのが、こんなにも怖いものだというのが、実際に経験してみて分かる。
本来ならば、こんなことしなくても、同じ人間同士、言葉があるのだから、話し合えばすむこと。
しかし、一秒でも早く何とかしないと、どんどん人が死んでいく切迫した状態では、もう脅す他方法がない。
やむをえず、このような行動を取ったものの、人には分からないだろうが、小刻みに手元が震えているのを感じていた。
「君は、何てことをしてくれるんだぁっ!」
髪の毛を振り乱し、目を血走らせた所長が、突如として飛び掛かって来た。
「うわっ!」
彼の手に捕まらないよう、咄嗟に後ろに飛ぶ。
リキんで引き金を引かないよう、慌てて銃口を上に向けると、それを見た彼は、目を大きく見開き叫んだ。
「貴様ぁっ! そんな危ない物も、振り回すんじゃないっ!」
ドスの利いた声。
この部屋に俺が踏み込んだ時点から、所長に向けていた銃口。
その時には、冷静沈着に俺の行動パターンや思考を読み、心を乱すことは無かったというのに、天井を撃ちぬいてからというもの、彼の言動はおかしくなる一方。
彼は一直線に上げている右手に向かって突進してくる。
それをヒラリとかわして、横っ腹に軽く蹴りをお見舞いした。
前のめりになり、バランスを崩して一歩、二歩、三歩とつんのめりながら、応接セットの背もたれにしがみつくようにして倒れ込むと、盛大に咳込む。
苦しさで顏を真っ赤にし、怒りと狂気に満ちた目は、俺の姿を探し睨みつけると、急に俺から視線を外してパネル画面を見つめ、ニタリと笑った。
パネルに背を向け、部屋の角の位置にいた俺は、首を横に向け、彼の視線を追う。
真っ赤な光に染まるB階段。
濃い赤い小さな染みのような点は薄く点滅している。
白い光はもう見当たらない。
青い光は――――
青い光も消えていた。
掴まれて皺になった自分のシャツを上から見下ろし、不愉快そうに顏を歪めた。
「上田君。私はねぇ、計画通りにいかないこと。乱れた事。そういったものが大嫌いなんですよ」
そんなことは言われなくても、あんたを見れば直ぐにわかると言いたいのをぐっと我慢する。
「せっかく、面白い映像を見せてあげたというのに。私はね。この建物にいるモノなら、セキュリティシステムが作動しなくたって、この指一つで何とでも出来るんですよ。例えば、そうですね。この部分分かりますか?」
彼が指差す部分は、E階段と書かれている。
第六ゲートから入って一つ目の角を曲がり、真っ直ぐ行った先のT字を左に曲がって直ぐの場所。
「俺が上ってきた階段……」
「正解。ここには今、誰がいる?」
三十五階に赤い点と青い点。
地下から一階に向かって移動している光の点は青い点を先頭に白い点が多い。
あれは岡島さんがまだ実験台にされていないと島民を引き連れて外へ誘導しているものだ。
「じいちゃんとH‐B。それに実験台にされる前の人達が解放され、逃げ出すところですよね」
「その通り。マザーコンピューターの侵入者防御セキュリティが停止されていても、この装置は災害時やバイオハザードがあった場合、私だけが扱える緊急措置の為の機械でしてね。実験台の脱走を防ぐのにも役に立つんですよ。特に、大量の場合は尚更ね」
黒い笑みが浮かび上がった。
「やめろっ!」
彼の右手首を捻り上げるが、空いた左手がパネルにタッチする。
真っ赤なライトで埋め尽くされる非常階段。
点滅する細かい光の点。
「な……んだこれ……」
一階部分に到着した青い点と複数の白い点。
それらが、その場から一向に動かず、どんどん下の階から白い点が一階部分と、地下一階と一階とを結ぶ途中の踊り場付近から一階までの階段に増えていく。
「防火シャッターを閉めたのだから、E階段から出ることは出来ません。そして、面白いのがここから……」
白い点がどんどん薄くなっていき、ポツポツと消えていく。
三十五階部分の青い点も薄くなっていく。
「なっ! どうなってんだよぉ!」
再び掴みかかろうとする俺を避けた挙句、足を引っ掛けて転ばされた。
普段の俺なら絶対にしない失態。
カッとなった分、冷静さを欠いたが為に隙をつかれた。
床に這いつくばり上を見上げると、そこには口端を上げる所長の姿。
その顏は悪魔そのものである。
多くの人の命をボタン一つで消すだなんて人間のすることじゃない。
画面で見れば、確かに、ただ光の点が消えていくだけだ。
ゲーム感覚で、リアリティの欠片も無いと思う。
だが、現実に人が死んでいっているということは、彼が俺に掲げるタブレットが映し出している。
苦しみ悶える人々。
白目を剥き、喉を掻き毟りながら手を真っ赤に染めて、口から泡を吹いて倒れていく人々。
これだって、小さな画面の中での出来事。
実際にその現場で目にしていない分、音も臭いもなく、生々しさがないだけマシなのかもしれない。
でも、この映像に映っていないだけで、俺の祖父も同じ目に遭っているんだ。
そう思ったら居てもたっても居られず、即座に立ち上がり、さっき彼が触れた、パネルのB階段と書かれた場所に浮かび上がるOFFという文字を何度も何度もタッチするが、そこに点滅する点はどんどん消えていく。
「嘘だろ? 何で反応しねぇんだよ!」
バンッと激しくパネルを叩くが壊れるどころか、びくともしない。
その間にも、タブレットの惨たらしい映像は止まらない。
一階部分の白い点は、ほぼ壊滅。
岡島さんを示す点も、もう薄らとしか見えない。
とうとう赤い点までもが徐々に薄くなっていっていた。
「あんた……自分でけしかけた『特別』なH‐Bまで殺す気か?」
喉を震わせ、思った以上に低い声が出た。
怒りと悲しみを含ませている俺の様子が、お気に召したのか、彼は上機嫌で答えた。
「殺す気も何も。これは全て『実験』です」
「はぁ?」
多くの人が目の前ではないとはいえ、殺されたという事実。
そして、祖父も岡島さんも瀕死な状態だというのに、それを『実験』という言葉で片付ける所長に怒りがマックスになる。
苦痛に顰める俺の顏を、さも愉快だというような笑みを浮かべながら、凄惨な状況を映し出しているタブレットの画面を近づけてくる。
彼の顏が人間ではなく、不気味な怪物のように醜く歪んで見え、ずっと握りしめていた拳銃を彼の額に向けて構えた。
「とっとと、防火扉を開けろぉっ!」
こちらが本気だというのを見せる為に、一度だけ天井に向けて発砲する。
銃声が鳴り響く。
銃弾は天井を貫き、小さな穴を開けただけだが、彼の顏色がその一瞬で変わった。
流石に、自分の命は惜しいのかと思い、今度は再び彼の額に銃口を向けたのだが、彼の顏は真っ青に血の気がなくなり、天井に開いた穴を見つめていた。
「君は……なんてことを……」
ここは最上階。
上には何もない筈。
天井に穴を開けたことで、そんなにも怯えた顏をするのは異様だが、彼は完璧主義者の潔癖症。
自分の大事な部屋を壊された事が許せないのだと理解した。
他人にとってはどうでもいいことでも、自分の中のルールでは絶対許せない事が誰しもある。
そう思い、彼の様子を気にせず、まずはB階段の件を先に解決させようと、彼に詰め寄った。
俺の決断が遅かったが為に多くの命が失われた。
それでもまだ生きている人がいる。
かなり薄くなったが、祖父も岡島さんもまだ生体反応がある。
今すぐに彼に防火扉を開けさせるか、B階段に仕掛けられた何か。
多くの人間を同時に死に至らしめるものと言えば、毒ガスくらいしか思いつかないが、所長が作動させた殺傷能力のある何かを止めさせる事が先決である。
「所長。命が惜しければ、さっさとB階段を解放してください!」
至近距離で銃口を人に向けるというのが、こんなにも怖いものだというのが、実際に経験してみて分かる。
本来ならば、こんなことしなくても、同じ人間同士、言葉があるのだから、話し合えばすむこと。
しかし、一秒でも早く何とかしないと、どんどん人が死んでいく切迫した状態では、もう脅す他方法がない。
やむをえず、このような行動を取ったものの、人には分からないだろうが、小刻みに手元が震えているのを感じていた。
「君は、何てことをしてくれるんだぁっ!」
髪の毛を振り乱し、目を血走らせた所長が、突如として飛び掛かって来た。
「うわっ!」
彼の手に捕まらないよう、咄嗟に後ろに飛ぶ。
リキんで引き金を引かないよう、慌てて銃口を上に向けると、それを見た彼は、目を大きく見開き叫んだ。
「貴様ぁっ! そんな危ない物も、振り回すんじゃないっ!」
ドスの利いた声。
この部屋に俺が踏み込んだ時点から、所長に向けていた銃口。
その時には、冷静沈着に俺の行動パターンや思考を読み、心を乱すことは無かったというのに、天井を撃ちぬいてからというもの、彼の言動はおかしくなる一方。
彼は一直線に上げている右手に向かって突進してくる。
それをヒラリとかわして、横っ腹に軽く蹴りをお見舞いした。
前のめりになり、バランスを崩して一歩、二歩、三歩とつんのめりながら、応接セットの背もたれにしがみつくようにして倒れ込むと、盛大に咳込む。
苦しさで顏を真っ赤にし、怒りと狂気に満ちた目は、俺の姿を探し睨みつけると、急に俺から視線を外してパネル画面を見つめ、ニタリと笑った。
パネルに背を向け、部屋の角の位置にいた俺は、首を横に向け、彼の視線を追う。
真っ赤な光に染まるB階段。
濃い赤い小さな染みのような点は薄く点滅している。
白い光はもう見当たらない。
青い光は――――
青い光も消えていた。
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