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第二章 魔神ルシフェル ≪永遠のロマンス≫
【Side】 主神 ~神様は殺意が芽生えそう~
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「脈絡がなさすぎる!」
ケラケラ笑い転げたエリスが、心底、愉しそうに私を見た。
「やだ、何言ってるのよ、乙女ゲームに脈絡が必要? デゼルはグノースで悪い男達にマワされるというシナリオなんだから、マワされるのよ」
デゼルはエリスの言い分を真に受けて、グノースのならず者達の討伐をしておかなかったことを後悔していたけど。
いやいやいや。
==============================
≪ システムエラー ≫
災禍の女神エリスのハッキングにより、目標が変更されました。
【目標】 グノース郊外
==============================
何これ。
こんなのがありなら、もう何でもありじゃん。
この邪神ゲー、無理ゲーすぎる。
何だかんだ言って、マルスなんてデゼルを可愛がってるから、エリスを止めようと無理をして、あわや、滅ぼされるところだったんだよ。
「ルシフェルは放っておいていいわけ? マジで瀕死のはずだけど?」
「どうかしら。『主神は絶対に私を滅ぼさない』って、ルシフェル、豪語してたわよ?」
「滅ぼしてはいないよッ!」
エリスが肩をすくめた。
「そんなの、放っておかないと怒られちゃう。主神につけられた傷の痛みなんて、ルシフェルには快感なんだから」
「ゾっとするから、そういうこと言うのやめて!!」
ルシフェルときたら攻撃に呪いを混ぜてくるから、すぐには癒せないんだよ。
私だって傷が痛むんだよ。
だけど、呪いごと七割は返したから、ルシフェルの方が深手のはずだ。はずなんだけど。
快感ってナニ。
確かに、ルシフェルの闘い方はおかしかった。
七割返されるとわかってて、なんで、攻撃してくるわけ。
「主神こそ、ルシフェルが本当に瀕死なら、この機会に滅ぼしたらどうなのよ?」
「別にッ……! 滅ぼす必要はないからッ!」
「へぇ、マルスがあぁんな目に遭わされて、デゼルがこぉんな目に遭わされてるのに、滅ぼす必要はないんだ」
へぇえ~、へぇえ~って、エリスうるさい!
「あらあら、可哀相に。デゼルったらあんなに泣き叫んで。今、どんな気持ちかしら。――ねぇ? 嬉しそうよね? とっても、気持ちよさそう。デゼルの魂の慟哭が心地よいわ、死にたい、死にたいって、主神に助けを求めてる。ねぇ、主神。今、どんな気持ち?」
まずい、殺意が芽生えそう。
神様、客神を滅ぼしそう。
「やだ、主神ったらすっごく怖い目よ? ルシフェルをその目で睨んであげてよ、そうしたら、喜ぶのに」
「黙れ、エリス」
ニヤっと笑ったエリスが伸びをした。
「そ~ね! あたしの持ち時間はたったの十三日間だもの。こんなところで主神をからかってる場合じゃなかったわ。デゼルをもっと、念入りに、苛めてきて ア・ゲ・ル♪」
「待っ……」
いったい、ルシフェルとエリスは何が楽しいんだ! 理解不能なんだよ!!
「――主神」
ぐったりしたマルスが声をかけてきた。
「ルシフェル様を滅ぼせないんなら、意地を張るのはやめたらどうなんですか。さすがに、ここまでされて『滅ぼす必要はない』じゃ、たまらんのですが」
「マルス、危なかったもんね。それでも、デゼルを助けてあげられてたら、まだ、よかったけど。さすがに虚しいよね、ぼくたち、痛い目に遭っただけでさァ。ぼく、泣きそうだから忘却しようかな~」
「……」
あわやのマルスを庇って、レーテーも結構、重症なんだ。
なんだか、神様も泣きそうなんだけど。
「死にたい、死にたいって、デゼルの魂の悲鳴が聞こえてかなしい……ぼく、助けてあげられるのに……ぼくなら、サイファとガゼルを闇主から解放してあげられるのに、どうして、そうしたらいけないんだっけ? あ~…涙出てきた……」
「……」
『神様、サイファとガゼルを助けて、助けて』って、デゼルの凄まじい思念波に、その力を持ってる私とレーテーが直撃されてる状態なんだよ。
そりゃ、ルシフェルなんて心の底から大嫌いなんだけど。
……滅ぼすのは…… …… ………
ケラケラ笑い転げたエリスが、心底、愉しそうに私を見た。
「やだ、何言ってるのよ、乙女ゲームに脈絡が必要? デゼルはグノースで悪い男達にマワされるというシナリオなんだから、マワされるのよ」
デゼルはエリスの言い分を真に受けて、グノースのならず者達の討伐をしておかなかったことを後悔していたけど。
いやいやいや。
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≪ システムエラー ≫
災禍の女神エリスのハッキングにより、目標が変更されました。
【目標】 グノース郊外
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何これ。
こんなのがありなら、もう何でもありじゃん。
この邪神ゲー、無理ゲーすぎる。
何だかんだ言って、マルスなんてデゼルを可愛がってるから、エリスを止めようと無理をして、あわや、滅ぼされるところだったんだよ。
「ルシフェルは放っておいていいわけ? マジで瀕死のはずだけど?」
「どうかしら。『主神は絶対に私を滅ぼさない』って、ルシフェル、豪語してたわよ?」
「滅ぼしてはいないよッ!」
エリスが肩をすくめた。
「そんなの、放っておかないと怒られちゃう。主神につけられた傷の痛みなんて、ルシフェルには快感なんだから」
「ゾっとするから、そういうこと言うのやめて!!」
ルシフェルときたら攻撃に呪いを混ぜてくるから、すぐには癒せないんだよ。
私だって傷が痛むんだよ。
だけど、呪いごと七割は返したから、ルシフェルの方が深手のはずだ。はずなんだけど。
快感ってナニ。
確かに、ルシフェルの闘い方はおかしかった。
七割返されるとわかってて、なんで、攻撃してくるわけ。
「主神こそ、ルシフェルが本当に瀕死なら、この機会に滅ぼしたらどうなのよ?」
「別にッ……! 滅ぼす必要はないからッ!」
「へぇ、マルスがあぁんな目に遭わされて、デゼルがこぉんな目に遭わされてるのに、滅ぼす必要はないんだ」
へぇえ~、へぇえ~って、エリスうるさい!
「あらあら、可哀相に。デゼルったらあんなに泣き叫んで。今、どんな気持ちかしら。――ねぇ? 嬉しそうよね? とっても、気持ちよさそう。デゼルの魂の慟哭が心地よいわ、死にたい、死にたいって、主神に助けを求めてる。ねぇ、主神。今、どんな気持ち?」
まずい、殺意が芽生えそう。
神様、客神を滅ぼしそう。
「やだ、主神ったらすっごく怖い目よ? ルシフェルをその目で睨んであげてよ、そうしたら、喜ぶのに」
「黙れ、エリス」
ニヤっと笑ったエリスが伸びをした。
「そ~ね! あたしの持ち時間はたったの十三日間だもの。こんなところで主神をからかってる場合じゃなかったわ。デゼルをもっと、念入りに、苛めてきて ア・ゲ・ル♪」
「待っ……」
いったい、ルシフェルとエリスは何が楽しいんだ! 理解不能なんだよ!!
「――主神」
ぐったりしたマルスが声をかけてきた。
「ルシフェル様を滅ぼせないんなら、意地を張るのはやめたらどうなんですか。さすがに、ここまでされて『滅ぼす必要はない』じゃ、たまらんのですが」
「マルス、危なかったもんね。それでも、デゼルを助けてあげられてたら、まだ、よかったけど。さすがに虚しいよね、ぼくたち、痛い目に遭っただけでさァ。ぼく、泣きそうだから忘却しようかな~」
「……」
あわやのマルスを庇って、レーテーも結構、重症なんだ。
なんだか、神様も泣きそうなんだけど。
「死にたい、死にたいって、デゼルの魂の悲鳴が聞こえてかなしい……ぼく、助けてあげられるのに……ぼくなら、サイファとガゼルを闇主から解放してあげられるのに、どうして、そうしたらいけないんだっけ? あ~…涙出てきた……」
「……」
『神様、サイファとガゼルを助けて、助けて』って、デゼルの凄まじい思念波に、その力を持ってる私とレーテーが直撃されてる状態なんだよ。
そりゃ、ルシフェルなんて心の底から大嫌いなんだけど。
……滅ぼすのは…… …… ………
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