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Case2 親友が出来婚しそうな36歳
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しおりを挟むこちらからかけて簡単な挨拶をすると、
「彩、大丈夫?
もしかして仕事がかなりハードなの?
妊娠してるんだし体調が悪いとか?」
『あ、いや・・・・・・』
彩から言われた時間に電話をしたのに、何故か彩はなんだか落ち着かない感じだった。
「今、家だよね?」
『うん・・・・・』
「どうしたの?なんか変だけど」
何か電話の向こうから、ごそごそ動いているような音が聞こえる。
何だろう、ベッドで寝ながら電話しているのだろうか。
『え?そう?』
「うん。今ほんとに大丈夫なの?」
『あ、いや、実は彼が来てて』
「え?」
電話の向こうから、ちょっと待って!、という小さな彩の声が聞こえた。
おそらくマイクのところを手で覆って、彼に声をかけているのだろう。
そして突然、聞いたことのない彩の高い声が聞こえた。
あぁ、そうか。
「ごめん、邪魔したわ、切るね」
『あ』
私は一方的に通話を切った。
考えられない。
私と電話してるのをわかっているのに、彩の彼氏は、彩にいかがわしいことをしていた訳だ、親友と話しているというのに。
きっと彩だって困っていただろう。
これでやっとお祝いを言えると思った。
なかなか連絡出来なくて本当に心配していた。
でも、実際電話してみればこんな結果。
そんな事をすれば、自分の彼女の親友からどう思われるかなんかより、自分の性欲を優先するような男を選んだ彩にも苛立った。
いや、そもそもその男は私にどう思われるかなんて考えて無い、むしろ、私との縁を切らせたかったのでは無いだろうか。
今度は彩がどうしようもない男に捕まってしまったのではと、酷く心配になった。
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