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Case3 会社の上司と不倫をしている27歳
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しおりを挟む「なんというか、リュウさんみたいな人ってほんとに存在するのか疑問に思えてきました」
『証明しろと言われると困るけど、君が知らないだけで僕のような事をしているヤツなんてそれなりにいるよ。
まぁ君には刺激が強すぎるかも知れないけれど、僕は今の生活がとても気に入っている。
こうやって獲物になった可愛い女の子とも話せる訳で』
何故か、ネットの向こうの見たことも無いリュウさんが、私のすぐ目の前で何か獲物を狙う男性のような笑みを浮かべているような気がして、ぞくり、とした。
『おっと、怖がらせたかな。
いけないいけない、つい狩りモードが』
「そんな恐ろしいモード、切っておいて下さい!」
『ごめんね、つい』
「ついじゃないです!
なんかぞくりとしたじゃないですか!」
『おやおや、本当に彼に良いように仕込まれているようだ』
「なんか彼を凄い生き物みたいにしてませんか?」
『そうかな?今度聞いてごらん?
実は前から私を狙っていたんですかって。
あぁ、ただそれで彼の寝た子を起こすようになっても僕は責任を持てないけれど。
それに』
「そ、それに?」
『きっと君に親しい男が出来たことに気がつくだろう。
嫉妬心を酷く煽ることになるから、そのあたりも覚悟して行動してね?』
本当にリュウさんは楽しそうに話している。
むしろ話してきたら面白そうなのに、って感じだ。
彼に聞いてみたい。
聞いてみたら、一体彼はどんな反応をするのか。
「でも嫉妬なんて、あの彼がするでしょうか?」
『そうだね、一度はそう見せないようにするかも。
でも間違いなく闘争心に火をつけることになるからね。
我慢してやっと手に入れた獲物を、今じっくり独り占めして味わっているんだ。
それに他のオスの匂いなんかついてたら、それはまずいだろうねぇ』
「いや、単にここで話しているだけですし」
『匂いというのは比喩だ。
ようは君の脳内に、自分以外のオスがいることが許せないのさ』
「それは、リュウさんもそうだからわかるんですか」
『そうだよ』
段々彼とリュウさんが重なって感じてくる。
彼が私に嫉妬してくれるのかも知れない。
いつも心だけは私の方が大きく思っているように思えている。
だけどもし煽ることが成功すれば、それは彼が私をどう思っているのかが分かるわけで。
『・・・・・・今、煽ってみたいと、思っているだろう?』
ゆっくりとそう言われ、図星を疲れた私は思わずごくりとつばを飲み込んだ。
『いけない子だね、自分から罠にはまりに行くなんて』
本当に余裕ある笑みで、楽しそうに笑うリュウさんを勝手に想像する。
もしもリュウさんに出会ってしまったのなら、私はあっという間にこの人の罠にはまり、その手へ落ちてしまいそうだ。
「私、実際にリュウさんに会わないで良かったと思います」
『そうだろう?
ここのシステムは非常にありがたいよ、お互いにとってね』
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