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第八章 解かれた封印
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しおりを挟む「食事が終わったら庭園でも散歩するか」
「さすがに花は咲いてないよね」
「つつじの時期とか有名なんだけどな。見たいか?」
私がこくこくと頷くと、藤原が笑う。
だってそれは来年の約束をするということ。
ずっと一緒に居られるのか不安を抱いている私には、それを言ってくれることがとても嬉しかった。
お肉料理を食べ終わりお皿を片付けられた後、私は隣りに置いていた紙袋に手を伸ばす。
いつ渡すべきか悩んだけれど、早めに渡さないと気になって仕方がなくて、少しそわそわしていたのだ。
「あの、これ」
そう言って私はラッピングされた箱を手に持つ。
「手作り出来るほど器用じゃないし、バイトもしてないので高いのもじゃなくて申し訳無いんだけど、クリスマスプレゼント、です・・・・・・」
何故か自分で段々声が小さくなりながら、まるでラブレターでも渡すかのようにテーブル越しに両手で差し出した。
藤原は受け取ると、空けて良いか?と聞いてきたので私は頷く。
丁寧に包装を外すと箱の上に小さな赤色の小さな封筒が出てきて、それを藤原が開けようとした。
「えっと、それは出来れば家に帰ってから見て・・・・・・」
藤原は少し笑うと、それをスーツの胸元のポケットに入れて、箱を空けた。
「ペンケースか?」
それは濃い茶色の革製で出来た細身のペンケース。
勉強を教えてくれるときペンを束で机に置きコロコロ転がっていたりしたので、少しでも便利になればいいかなと思って選んだ品だった。
「へぇ、これはいいな。
これなら学校で使えるし」
うっ、ばれたかもしれない。
自分があげたものを、出来れば学校で持ってて欲しいと思った下心が。
少し上目遣いで見れば、穏やかな顔でこちらを見ていて恥ずかしくて俯く。
「ありがとう、大切に使わせてもらう」
私は俯いたまま、小さく頷いた。
「さて、最後に渡そうかと思ってたが先を越されたので仕方ない」
笑いながら言う声で顔を上げれば、小さな長い箱を持っていた。
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