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Holy Night
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しおりを挟む「あーやっぱり美味しい-!」
幸せそうに小さなチョコを口に入れ、頬に手を当てて加茂君はうっとりとしている。
なんだかそんな顔を見ているだけでこっちまで嬉しくなる。
「加茂君は美味しそうに食べるよね」
「そう?」
「うん。見てて嬉しくなる」
私の言葉に目を丸くすると、少し照れたように頬を掻いた。
「実家はご飯の時って和気藹々なんだけど、これが加茂家一族の集まりだともう息が苦しくなる感じで、豪華なものが出るけど食べてて味を感じないんだよ。
食べるなら美味しく食べたいよねぇ」
しみじみそう言うと私を見た。
「ゆいちゃんも僕と食べてて美味しい?」
「もちろん!」
私の答えに加茂君は満足そうに微笑むと、二人でわいわいと素敵な景色を眺めながら美味しい食事を堪能した。
食事も終え、ちゃんと自分の分も出そうとしたら、いつの間にか加茂君が会計を済ませていて、私はおろおろとお店の外に出た。
「ねぇ、ちゃんと自分の分出すよ」
「僕が奢るって言ったでしょ?
あのね?そう言われたら男を立てて、ただお礼を言えばいいの。
素敵なレディはこんな場所で男に恥を欠かせてはダメだよ?」
少し私に目線を合わせて、小さな声でそう言うと、ウィンクした。
私は顔が熱くなるのを感じながら頷いた。
「えっと、美味しかったです。ありがとうございました」
ぺこりとお辞儀をすると、加茂君はにっこりと微笑んだ。
何だろう、このスマートさ。
女性慣れしてるっていうのかな、こういうの。
「さて次行こ!」
そういうと加茂君が私の手を取り、最初乗ったエレベーターとは違うところに乗り込むと、今度は降りる。
そこは最初に着いた一階ではなく、途中のフロアだった。
そのまま着いていくと、空中庭園という表示が見えた。
ホテルからの外に出るガラス戸が開くと、そこには広い庭園が広がっていた。
まだそこまで遅い時間では無いけど外はすっかり暗くなっている。
屋上とは思えないほど沢山の植木があり、クリスマスのデコレーションされたイルミネーションが美しく飾られ、周囲には高いフェンスがあるが、外の夜景を望むことが出来る。
中を歩けば至る所にベンチがあり、カップルだらけ。
それもみんな密着して、キスしているカップルを見かけてしまい、私は思わず目をそらした。
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