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第一章

ダグル迷宮地下二階層……確認と察知

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 ここは地下第二階層。周辺の雰囲気は、明らかに一階層と地下一階層と違っていた。 
 そうエル達が通ってきた階層は、どちらかと言うと洞窟の通路のような場所だ。
 だがこの階層は、遺跡と岩壁が融合している感じである。それだけではなく、この階層だけ異様な不気味さが漂っていた。
 あれからエル達は魔物や魔獣を倒しながら、この地下二階層までくる。そして四人は、地下一階層に続く通路の出入口付近にいた。

「ここが地下二階層か。なんか不思議な感じがする」
「そうね。とりあえず地図に書かれている場所は問題ないけど。まだ空白になってる部分は、慎重に進まないと危険よ」
「そうだな。ログスとララファ、俺とシルフィアから離れるなよ」

 そうエルが言うとログスとララファは頷く。

「この先のどこかに俺の兄貴とララファの兄貴がいるんだよな」
「断言はできない。だが……」

 エルは言おうとしたが……。

(ん? なんだろう……俺たち以外の人の気配が、背後からする。四人……いや、六人か。動く気配がない。俺たちを監視してるのか? でもなんで……。
 もしかして……さっきログスとララファを、いじめてたヤツの仲間か? だとしたら、なんで二人にここまで執着するんだ。
 まぁそうじゃないかもしれない。どっちにしても……気をつけないとな)

 そう思い気づかないフリをする。

「エル、どうしたの?」
「ああ、なんでもない。ちょっと……考えごとをな」
「そうなのね。それならいいけど……急に黙ったから、どうしたのかと思っちゃった」

 シルフィアはそう言い、ニコリと笑った。

「そういえば、この階層って結構冒険者がくるのか?」
「くるけど。殆ど下の階層へ行くために、通り抜ける程度ね」
「なるほど……じゃあ、ずっとこの階層にとどまってるヤツは……」

 そう言いエルは考え込む。

「そうね……この階層の探査の依頼を受けた者だけになるわ」
「この階層の依頼を受けるヤツって、結構いるのか?」
「んーそうでもないかな。ここの探査の依頼は危険だから、強くて命知らずじゃないと引き受けないのよ」

 それを聞きエルは、更に考え込んだ。

(じゃあ、やっぱり後ろにいるヤツらって……)

 エルの様子がおかしいことに気づきシルフィアは、キョロキョロと周囲を見渡す。

「エル、誰かいるの?」
「シルフィア……ああ、いる。だから、余り大きいリアクションをするな。さっきから俺たちをみてるヤツらがいる」
「それって……まさか……」

 そう言いララファは不安になる。

「多分そうだろうな。だけど、なんでこんなに二人を?」
「知らない。だけど……いつも、俺とララファに難癖つけてくるんだ」
「それは、あのダスカってヤツだけか?」

 そうエルが問うと三人は首を横に振った。

「違うわ。ダスカ以外にも五人ね」
「なるほどな。じゃあ、数が合う。後ろにいるヤツらも、六人だ」

 それを聞きシルフィアとログスとララファは驚く。

「という事は、私たちのあとを追って来たってこと?」
「そうなるな。だけど……気づかないフリをしていた方がいいかもしれない」
「そうだね。難癖付けられるのもやだし」

 シルフィアがそう言うとエルは頷いた。

「相手の出方も伺いたいしな。ってことで、先に進もう」

 そうエルが言うと三人は頷く。
 それを確認するとエルは、この階の奥へ向かい歩き出した。
 そのあとをシルフィアとログスとララファは追う。
 そして物陰に隠れていた六人は、エル達のあとを追ったのだった。
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