こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

一日目(1) 出発前

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 次の日の早朝、4人は南門の前まで来ていた。
 長期依頼を受けることもあり、それぞれ服などの荷物を持ってきていたが、それらは全てそれぞれの腰のアイテムポーチに入っていた。これは自分たちが稼いだお金で買ったものだ。

「改めてよろしくお願いしますね」
「「「「はい」」」」

 アレキスたちと合流した4人は早速皆に紹介された。

「今回護衛して下さる冒険者の方です。皆Eランクだそうですが、ギルドで訊いたところ、今までの依頼達成率は100%だそうです」
「エリザベートです」
「アーティスだ」
「アルフォードと言います」
「マリアです」

 4人が頭を下げると、騒めきが起こった。

「どうかしましたか?」
「いえ、冒険者は礼儀知らずの方が多いイメージがありまして……」

 騒めきの理由の一つにはマリアのような幼い子供がいたためでもあったが、誰もそれには触れなかった。

「今回は依頼表にも書かれていたと思いますが、ここから二つ隣の領にある『エイセル』という街に向かいます。予定では一か月ほどを見込んでいます。それで皆さんの乗る馬車なんですけど……」
「あっ!大丈夫です。自前でありますので」
「えっ?でもどちらに?」

 アレキスは辺りを見回したが、そのようなものは影も形も無かった。

「マリア」
「うん。『出でよ、わが友よ《召喚サモン》』」

 マリアの足元に人が何人も入れそうな魔法陣が現れ、光を発した。
商人たちはあまりの眩しさに思わず目を閉じた。
 光が消えた後には額に角が生えた白い馬が4頭いた。

「ユニコーン!それにさっきのは魔術!」

 商人たちはなぜマリアがいるのかを、魔術師だったからという理由で理解した。マリアたちは、これは全員魔術師です、とは言えないと、困ったような笑みを浮かべた。

「も、勿論そちらの少女が魔術師とは言わないので安心して下さい」

 その顔を他の者に言われると困るためだと考えたアレキスは慌てて言った。

「それでしたら大丈夫ですよ」

 マリアたちがユニコーンに乗ると、商人たちもそれぞれの馬車に乗り込んだ。

「それじゃあ行きましょうか」

 アレキスの乗った馬車を先頭に王都を出るために門の方に進んで行った。
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