こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十四日目(14) 素材買取(4)

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「次の方~ってあら可愛らしいお客さんね。ご用件は何ですか?」
「素材の買い取りをお願いします。あっ、これギルド証です」

 マリアは少しムッとしながら答えた。

「えっと、Eランク冒険者なの?」
「はい。買い取りの品ってここに出せば良いですか?」
「ええ、お願い」

 マリアはアイテムポーチに手を入れると、順にオーガの素材を取り出し始めた。

「えっ?これオーガよね?」
「はい。全部で12体分あります」
「12!?」
「はい」

 マリアは手を止めずに答えた。

「えっと、同じパーティーの人と倒したの?」
「違います」
「えっ?じゃあ──」
「これは私一人で倒したんです」

 マリアはハッキリと言い切った。

「えっ?一人で倒したの?オーガを?この数だとオーガキングもいたよね?」

 受付嬢は矢継ぎ早に質問した。

「はい。オーガさんなんて、攻撃さえ避けちゃえば防御力低いですから、倒しやすくて良いですよね~」

 マリアはさも当然のことのように言った。
 周囲で聞き耳を立てていた人の中で騒めき声が起こった。

「確かにそうだけど……。オーガキングは?」

 もしまだ倒していないなら緊急依頼として出さないといけないと、そしてその確率は極めて高いと、受付嬢は気を引き締めた。

「キングさんなら倒しましたよ?これがキングさんの角です」

 ゴトリと、マリアがカウンターにオーガキングの角を置くと、再度騒めきが起こった。

「た、確かにオーガキングの角ですね。えっ?これも一人で倒したの?」
「はい。流石王と呼ばれるだけあって、オーガさんたちと比べてかなり強かったですよ。あっ、これで全部です」
「……今確認するので少々お待ちください」

 オーガ12体分とオーガキングの査定が終わるまで数分かかった。

「えっと、まずオーガの討伐料が1体大銀貨5枚。これが12体分で金貨6枚。オーガキングが金貨2枚。魔石の方が特に傷などもなかったのでオーガの魔石が1個大銀貨8枚。12体分で金貨9枚と大銀貨6枚。オーガキングの魔石が金貨1枚。オーガの革が1体分金貨1枚で計金貨12枚。オーガキングの革が金貨5枚。オーガの眼球とオーガキングの眼球は一律で大銀貨5枚。計金貨6枚と銀貨5枚。オーガキングの角が金貨15枚になります。全部で金貨57枚と大銀貨1枚。57,100エルになります」

 受付嬢が震える声で金額を告げた。

「思ったよりも角が高かったですね~」
「槍などの材料として人気がありますから」
「そうなんですか。あっ、お金は全てギルドカードに入れてください」
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