こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十六日目(12) 本日のお宿

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 そのままギルドで、防犯がしっかりした宿を教えてもらうと、逃げるようにギルドを後にした。珍しく今回は絡まれず、宿《雪》に着いた。

「珍しいこともあるな」
「そうね」

 いつも誰かしらに絡まれるのに、今回はないことに、アルフォードは訝しそうに言った。

「いつまでも話していても、仕方ないし、早く入ろう」

 マリアに促され、5人は宿に入った。

「いらっしゃいませ!御泊りですか?御食事ですか?」
「泊まりなんだけど、部屋はあるかしら?」
「2人部屋と3人部屋でよろしいでしょうか?」
「ええ」
「それでしたら朝食と夕食を付けて全部で1泊金貨1枚になりますが、大丈夫ですか?」
「ええ」
「お部屋は3階の奥の二部屋になります。手前が3人部屋です」

 実はこの宿、この街で一番の高級宿だったりする。値段が高い代わりに、その防犯面には定評がある。

 お金を払い、部屋の鍵を受け取ると、5人は食堂に向かった。

「メニューです」

 そう言って渡された紙には、他の宿の5倍もの料理が並んでいた。

「どうする?」
「これだけあるとかえって迷うよね」

 メニューを眺めること約5分、ようやく全員が注文を決め終わった。

「すいませ~ん、アメリウセ1つと、キローリウセ1つ、それからヒイスリウセ1つに、ルザッタ1つ、プリヘ1つお願いします」

 注文して5分も経たない内に、すべての料理がテーブルに並んだ。

「美味しそう!」

 マリアは歓声をあげて、早速目の前のアメリウセ(オムライス)に手を伸ばした。

「卵がトロトロで美味しい!」

 そんなマリアを微笑まし気に見ながら、他の3人も、目の前の料理を食べ始めた。なお、グレンは運ばれてきた直後からひたすら無言で、自分のキローリウセ(カレーライス)を口に詰め込んでいた。

「うん、美味しいわね。この宿にして正解だったわ」
「本当だな」


 満足気に食事を終わらせた。

 宿《雪》は、知る人ぞ知る美味しい米料理が売りの高級宿だったりするが、皆がそれを知っていたかどうかは定かではない。

☆★☆★☆

参考:それぞれが注文したもの
   マリア……アメリウセ(オムライス)
   エリザベート……ルザッタ(リゾット)
   アルフォード……ヒイスリウセ(ハヤシライス)
   アーティス……プリヘ(ピラフ)
   グレン……キローリウセ(カレーライス)
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